講学 政策法務

政策法務、地方自治、司法、事件、そして四方山話。硬い話、時たま、柔らかい話。
Author:Z-Berg

仕事納め

 早いもので、今日で仕事納めです。
 皆様にとって、この1年はどんなものだったでしょうか。
 私は、人生で最悪の1年でした。その理由は、私がメンバーとなっている政策法務研究会の人たちなら、ご存知のことでしょう。

 来年は、今年のリベンジを兼ねて、充実した1年にしたいと思っています。

 皆様もよいお年をお迎えください。
2009年12月28日

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刑事訴訟法239条2項 公務員の告発義務

尼崎・犬違法飼育 業者と市保健所を捜索…兵庫県警
狂犬病予防法違反容疑など
 兵庫県尼崎市の犬繁殖業者が、狂犬病予防法に基づく登録やワクチン接種をしていない大量の犬を飼育していた問題で、県警生活経済課などは25日、同法違反と化製場法違反の疑いで、同市高田町の「ペットショップ尼崎ケンネル」や男性経営者(54)の自宅などを捜索した。今後、経営者から事情を聞き、違法な飼育実態を調べる。
 この問題では、市動物愛護センターが約5年前から老犬を引き取り、殺処分しており、県警は、違法飼育と知りながら処分を引き受け、指導も徹底しなかった経緯を調べるため、同センターと市保健所も関係先として捜索した。
 捜査関係者によると、経営者は12月9日まで、同市高田町の5階建てビルで、市の許可なく約200匹を飼育。犬の登録申請もせず、年1回の狂犬病の予防接種もしなかった疑い。
 同市では、犬10匹以上を飼育する目的で施設を使用する場合、化製場法に基づく市の許可が必要。市は今月17日、尼崎ケンネルを立ち入り調査している。
 尼崎ケンネルにはこの日午前8時45分、県警の捜査員約20人が捜索に入った。近くの女性(69)は「ビルから犬の毛が飛び、鳴き声に悩まされてきた。徹底的に捜査してほしい」と話した。
 市保健所では、捜査員が書類などを確認、職員らが捜索を不安そうに見守った。尼崎市の保健行政を所管する市健康福祉局の山本博久局長は「警察の捜索に協力するとともに、市としても適切に対応する」とのコメントを出した。
騒音や悪臭など 各地で苦情絶えず
 環境省が、都道府県や政令指定都市などに対して行った2006〜07年度の調査で、犬など繁殖・販売業者の騒音、悪臭などの苦情は計262件あった。
 大阪府和泉市では07年1月、業者が民家で飼育していた犬約120匹が、病気に集団感染していることが近隣住民の苦情で発覚した事例(業者は廃業)があり、府の担当者は「今も月3〜4回はどこかに立ち入り調査をしている状態」という。


 読売新聞25日付記事からです。化製場法、狂犬病予防法に違反していると認識しているならば、市は刑事告発すべきであったと、マスコミは批判しているようです。市の職員は、刑事法について疎いので、できれば穏便に済ませたいという考えが強く、そのため「行政指導」に「逃亡する」というのが通常なのです。

 一方、マスコミは公務員が刑事告発をしても、警察が「はい、そうですか」とそう簡単に受理していないことを知っているはずです。10年以上も違法状態を放置してきた尼崎市保健所の対応もひどいですが、マスコミが騒ぎ出してからこれみよがしに捜索をする警察もズルイですね。刑事告発をしていなかったのは、保健所職員たちが、こうした警察の消極的対応を知っていることも影響しているのではないでしょうか。つい最近ですが、親しい福祉事務所職員から、200万円ほどの生活保護不正受給の刑事告発について相談を受けましたが、200万円程度の被害では、警察はそう簡単に告発を受理しないことを教えると、とても憤っていました。

 告訴・告発についての専門書としては、私の手元にあるのは、次の1冊だけです。
告訴・告発 (刑事法重点講座理論と実際) 告訴・告発 (刑事法重点講座理論と実際)
(2003/07)
増井 清彦

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 本書136頁においても、公務員の義務としての告発はあまり行われておらず、機能していない旨記述されています。義務として行えと法律に規定しているのに、機能していないのです。行政指導に特別な効力を付与する立法(行政指導違反には最大1000万円規模の過料、刑罰として10年以上の懲役など)で解決すべきです。だから形式犯はやりたい放題になってしまうのでしょうね。これも福祉や保健衛生を看板に掲げている利権集団による影響なのでしょう。今の政権では期待できないです。
2009年12月27日

国事行為ではなかった!天皇と中国副主席との会見

小沢幹事長、習中国副主席特例会見で「国事行為」論は撤回
 民主党の小沢一郎幹事長は21日午後の定例記者会見で、天皇陛下と習近平中国国家副主席との特例会見を「国事行為」と論じていた点について、「憲法で規定している国事行為にはそのものはありません」と述べて撤回した。
 そのうえで小沢氏は「憲法との理念と考え方は、天皇陛下の行動は内閣の助言と承認によって、行われなければならない」と述べ、外交要人とのご会見も、内閣の助言と承認に沿って行われるべきとの考えを示した。
 また、「天皇陛下にお伺いすれば、(特例会見を)喜んでやってくださるものと私は思っております」と述べた。


 産経新聞21日付記事からです。
 習中国副主席特例会見は、憲法7条9号の「外国の大使及び公使を接受すること」には該当しないという解釈が、たぶん、内閣法制局か法務省あたりから意見具申されたのでしょうね。7条9号は文字どおりに解釈しないといけないということなのでしょう。これが正しいとなれば、17日の記事については、私も憲法解釈を誤っていたことになります。スミマセン

 それにしても、小沢幹事長は、あれだけ偉そうに新聞記者たちに「君は日本国憲法を読んだことがあるのか?んー?」と恫喝的に言っていたのに、あっさりと撤回するとは。「おい、小沢!オマエもロクに憲法なんて読んでいなかったんじゃないか!この野郎!」って、その記者も怒鳴り返したくなるでしょうね。政治家の憲法知識って、この程度なのでしょう。

 小沢幹事長は、政治は選挙だという考えの持ち主であることは、広く知られているようです。ともかく来年夏の参議院選挙で民主党が単独過半数を獲得することが当面の目標だとか。将来の日本のことを考えるのが政治家の仕事、次の選挙のことを考えるのは政治屋。昔からよく言われていることです。ええ、ワタシ、小沢一郎、大嫌いです。
2009年12月21日

東野圭吾『新参者』(講談社)

 またしても政策法務とは無関係の記事です。正直言いまして、最近、ほとんど勉強していません。それで次のようなベストセラー小説を読んでいたということです。

新参者 新参者
(2009/09/18)
東野 圭吾

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 主人公は言わずと知れた(?)加賀恭一郎という日本橋署の刑事です。穏やかな口調で捜査を進め、犯人を追い詰めていく・・・と書いてしまうと、この小説が何かもの凄い推理ドラマのようなものと誤解されるかもしれませんが、かなり違います。結論としては、比較的よくある話なのですが、それまでのプロセスが面白かったです。江戸の文化の香りがたくさん残っている東京日本橋の風情が伝わってきます。

 東野圭吾さんの作品は、「容疑者Xの献身」などの「ガリレオ」シリーズくらいしか読んでいませんでした。新聞広告を見て、この作品に興味を持ったので読んでみたのですが、広告に偽りなしだったと思います。
2009年12月20日

宇宙戦艦ヤマト 復活編

 宇宙戦艦ヤマトが初めてテレビ放映されたのは1974年10月から翌年3月まで。35年前になります。その後、一大ブームとなり、77年8月には初の劇場公開となり、以後、新しいストーリーのテレビ放映や劇場公開など全部で8部の大作となり、83年3月の劇場公開「完結編」をもって終了していました。なぜ、この時期に復活したのか、詳しい経緯は知りませんが、とりあえず今日、観てきました。

 意外と映画館は空席が多かったのですが、映画が始まってすぐに驚いたのは冒頭に「原案 石原慎太郎」と表示されたことでした。いやはや、マイッタ。詳しいストーリーをここで書くのはやめておきます。公式HPで確認してください。もっとも、映画製作に関して、何らかの紛争があったらしいことが、このHPから読み取れます。

http://www.yamato-movie.com/

 復活編の主題歌を期待していたのですが、残念ながらオープニングに曲はなく、ヤマトが発進する場面のときに、♪さらばー地球よー♪の歌が流れただけでした。どうせなら、勇ましい歌を新たに作って欲しかったものです。

 確か映画のCMでは「予想外の結末」といった文句が使われていました。物語としては、結果オーライなのですが、見ていて、「おいおい、それなら、地球から2万7000光年も離れたアマール星に移住した人たちをどうすんのよ?」と言いたくなってしまいました。古代進の奥さんも気になるし。

 ということで、復活編はエンディング曲まで聞いて、最後まで見ていました。すると、次のような字幕

 宇宙戦艦ヤマト 復活編 第1部 完

 ふーーーーん、続編があるのか。そうでしょうねえ。あれでは中途半端ですから。
2009年12月19日

「君は日本国憲法を読んだことがあるのかね」

天皇特例会見:「反対なら辞表出して言え」 小沢氏が宮内庁長官批判
 民主党の小沢一郎幹事長は14日、党本部で記者会見し、天皇陛下と中国の習近平副主席の特例的な会見を巡り、天皇陛下の「政治利用」に懸念を示した羽毛田信吾・宮内庁長官の発言について「内閣の一部局の一役人が、内閣の方針をどうこう言うのは、日本国憲法の理念を理解していない。どうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ」と厳しく批判した。
 小沢氏は天皇陛下と会見する際、1カ月以上前に申請する慣例について「(1カ月ルールは)誰が作ったのか。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話があるか」と不快感を表明。その上で「天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われる。それが日本国憲法の理念であり、本旨だ」と強調した。
 天皇陛下と習副主席との会見を巡っては、小沢氏が政府側へ働き掛けた可能性が指摘されている。
 この指摘に対し小沢氏は「政府が決めることだ。私が会わせるべきだとか、お会いさせるべきではないとか、言った事実はない」と述べ、自らの関与を否定した。
 民主党は14日、15日に予定していた小沢氏と習副主席の会談が中止となったと発表。会見で小沢氏はこれについて「非常にお忙しい日程だ」と説明した。


 毎日新聞15日付記事からです。
 小沢一郎幹事長の会見をテレビでみたのですが、標題のようなことを恫喝的口調で記者に言っていましたね。憲法を全面に出して恫喝する。生活保護団体と同じようなことをしてるように見えます。これではいけませんね。

 ところで、天皇陛下の政治利用によって、民主党、小沢一郎の両方にとって何のメリットがあるのでしょうか。中国とのコネを増大させることしかないのですが、中国あるいは中国人というのを、本当に信用できるのかと疑っています。苦労して国民の批判を受けて天皇陛下を政治利用しても、相手はそれほど感謝していないでしょう。

 いい機会でしたので、本当に久しぶりに、次の本をひもときました。
憲法 憲法
(2007/03)
芦部 信喜高橋 和之

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 内閣の「助言と承認」は国事行為の実質的決定権を含む場合もあるとするのが芦部説のようです(48頁〜50頁)。ここで論点とされているのは、政治的色彩の濃い「衆議院の解散」に関してです。しかし、外国の要人と会談することは、7条8号の「接受」になるでしょうから、まさに形式的・儀礼的行為であり、「政治利用」は論理的にはないことになります。小沢という政治家は、こういうこも頭に入れているのでしょう。
2009年12月17日

司法修習生、今年も多数の落第生

司法修習生3・6%が落第 11月の卒業試験で
 最高裁は15日、司法試験に合格した修習生が法曹(裁判官、検察官、弁護士)資格を得るための11月の卒業試験で、受験者2067人のうち1992人が合格し、約3・6%に当たる75人が不合格だったと発表した。
 試験は5科目(民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護)で、1科目でも合格点に達しなければ落第となる。不合格75人のうち、2科目以上を落とした修習生もいたという。落第者数が最も多かった科目は「検察」の26人だった。
 現在の司法試験は、法科大学院出身者対象の新試験と、従来の旧試験が並行して行われている。今回の受験者は法科大学院3期生が中心で、これまでの試験で落第した23人も含まれる


 産経新聞15日付記事からです。
 昨年も同じ内容の記事を掲載しています。
http://seisakuhomu.blog19.fc2.com/blog-entry-179.html
 政策法務研究会のメンバーには、司法試験に合格された優秀な方もいらっしゃいます。それゆえ、あまり批判めいたことは言いたくないのですが、次のような疑問が生まれます。司法修習の卒業試験に合格できないのは、元々法曹としての素養に欠いているにもかかわらず、司法試験にたまたま合格したのか、司法試験に合格した後、勉強しなくなったためなのか。昨年の記事では、最高裁が司法修習生の基礎的能力に警鐘をならしていることも記述しています。
 毎年、落第生が多いとなると、法科大学院制度、新司法試験制度のあり方について、議論が再燃するでしょうね。政策法務論の領域には、訴訟法務もあります。無関心ではいられません。
2009年12月15日

長嶺超輝 『47都道府県これマジ!?条例集』(幻冬舎)

 駅前の書店で見つけました。著者は『裁判官の爆笑お言葉集』(幻冬舎)などの著書がある、人気ライター。

47都道府県これマジ!?条例集 (幻冬舎新書) 47都道府県これマジ!?条例集 (幻冬舎新書)
(2009/11/26)
長嶺 超輝

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 本書は、条例集と銘打っていますが、法的には条例ではない、要綱や都市宣言の類も多数収録されています。著者は、地域特性のある個性的な条例が少ないという見方をされているのでしょうか。 

 本書で紹介されている条例は、政策法務の視点からも興味深いものがありますし、笑い話のネタで使えそうなものもあります。印象に残ったものを紹介します。
 日光市(栃木県) サル餌付け禁止条例  観光客も含めて、違反者には氏名公表というペナルティがあると。
 市川市(千葉県) 市民雨水条例     この条例については、以前、記事にしています。
http://http//seisakuhomu.blog19.fc2.com/blog-entry-91.html
 市川市の条例は、政策法務の視点からも興味深いですが、本書では、市民の協力がないと前進させることができないことを指摘されています。

 政策法務を勉強しているクセに、知らない条例は山ほどあります。条例づくりの経験がほとんどなく、法令はともかく、条例にもとづいた厳正な事務の遂行をしたことがないということも影響しているのでしょう。これではいけないのですが。
2009年12月12日

自治体財政悪化と責任の所在

 私も愛読しているブログ「反則法制」さんでは、大阪府泉佐野市の財政問題が記事になっています。多くの自治体職員にとって、対岸の火事ではなくなっていると思います。

http://seisaku.dip.jp:8080/BLOG/

 自治体の規模や組織形態によって差はあるとは思いますが、自治体として意思決定権限を有しているのは、課長職以上だと思います。私が勤務する自治体でも事務分掌条例で「課中心主義」が定められています。しかし、現実に財政悪化の責任というものへの自治体幹部たちの意識というのは、果たしてどの程度なのでしょうか。課長職で退職した再任用職員は、自分が課長時代に最も苦労したのは「常任委員会での答弁だった」と述懐しています。多くの管理職・幹部にとって、年に4回程度開催される議会でヘマをしないようにすることが、最大の責任だという認識なのです。したがって、議会さえ乗り越えられれば、責任は果たしたことになるのです。「財政破綻の責任など俺たちにはない」というのが、自治体幹部・管理職たちの共通意識であり、当然、職員労組も同様です。それは、最終的に議会の議決で免責されたという意識ともいえるでしょう。

 一方で、議会は自治体の財政悪化について、何ら責任意識はありません。もっぱら首長をはじめとする当局批判をしているばかりで、具体的な解決策を提案できる有能な議員は皆無です。国は、地方議会議員定数の上限を廃止するようですが、一体何を考えているのでしょうか。余りにも地方議会の実態を知らなさすぎます。

 こうしたことが繰り返されてきたことが、自治体財政悪化の一要因なのでしょうが、あまり論じられていないようです。
2009年12月09日

押尾容疑者、再逮捕

女性に合成麻薬を渡した容疑 押尾学容疑者を逮捕
 元俳優の押尾学容疑者(31)が東京・六本木のマンションで合成麻薬MDMAを使用し、一緒にいた飲食店従業員の女性(当時30)が死亡した事件で、警視庁は7日、女性にMDMAを渡したとして、麻薬及び向精神薬取締法違反(譲り渡しなど)の疑いで押尾容疑者を逮捕し、発表した。
 また、押尾容疑者にMDMAを渡したとして同法違反容疑でインターネット販売業泉田勇介容疑者(31)=東京都江東区北砂3丁目=を、女性の携帯電話を捨てたとして証拠隠滅容疑で押尾容疑者の当時のマネジャー遠藤亮平容疑者(28)=杉並区高円寺南2丁目=をそれぞれ逮捕した。
 捜査関係者によると、押尾、泉田両容疑者は容疑を否認しているという。また、同庁は、遠藤容疑者が「死亡した女性とのスキャンダルを隠し、押尾容疑者をかばおうと捨てた」と供述しているとしている。
 捜査1課によると、押尾容疑者の逮捕容疑は、7月31日、女性が死亡したマンションの部屋で泉田容疑者からMDMAを譲り受け、8月2日、同じ部屋で女性にMDMAの錠剤を渡したというもの。
 押尾容疑者は同日午後3時ごろから部屋で女性と2人になり、その後MDMAをのんだという。女性の血液からもMDMA成分が検出された。
 また、遠藤容疑者の逮捕容疑は、同日、女性の携帯電話をマンション敷地内の植え込みに捨てたというもの。
 押尾容疑者はMDMAをのんだとして起訴され、懲役1年6カ月執行猶予5年の有罪判決を受け、確定している。
 泉田容疑者は逮捕状が出た4日から所在不明となっていたが、捜査員の説得に応じて7日夕、新宿区内で身柄を確保された。押尾容疑者は横浜市内で身柄を確保された。
 女性の母親(53)は押尾容疑者の逮捕を受け、「娘がなぜ亡くなったのか、真相解明につながる一歩になればと思う」と話した。


 朝日新聞7日付記事からです。
 職場で話題になったので、取り上げてみました。
 「押尾は、どれくらい刑務所にはいるの?」とか、「麻薬を渡しただけでナゼ罪になるの?」といった質問を受けました。そんなこと私が知っているわけないでしょ。そんでもって帰宅してから、ちょっと調べてみました。

 麻薬及び向精神薬取締法24条では、麻薬の譲渡しを禁止しており、さらに、罰則として次のような定めがあります。

第六十六条  ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第六十九条第四号若しくは第五号又は第七十条第五号に該当する者を除く。)は、七年以下の懲役に処する。
2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上十年以下の懲役に処し、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3  前二項の未遂罪は、罰する。

 押尾容疑者がこの罰則適用を受け、さらに刑法の保護責任者遺棄致死罪(219条)も適用されれば、相当長期間の服役を覚悟しなければならないでしょうねえ。

 このブログを閲覧してくださっている方たちの中に、もしも麻薬に手を染めようとしている人がいるならば、絶対にしてはなりません。以前、専門病院で多くのアルコール中毒患者を見たことがありますが、あれどころではないですから。まさに人間破壊です。
2009年12月08日

UFO

UFO調査部門、50年の歴史に幕
 英国防省は4日、50年以上の歴史があるUFO(未確認飛行物体)の調査部門を1日に閉鎖したと明らかにした。財政難が理由で、同省は「いかなるUFOの情報も、英国にとって可能性のある脅威ではなかった」としている。
 同省は1日、国民がUFOの目撃情報を寄せる電話番号やメールアドレスを廃止。担当者を他の部署に移した。これにより年間4万4千ポンド(約650万円)の歳出削減になるという。
 この部門は、UFOを目撃した英国民が連絡する場所が無かったため、国防省内に設置された経緯がある。同省は「目撃情報の正体を明らかにするほどの力はなく、これ以上のUFO調査は国防上の利益にもならない。防衛力をアフガニスタンの最前線など、より必要な場所に注ぐことが重要だ」としている。
 今後、目撃情報が寄せられても対応しない。領空域はこれまで通りレーダーで監視し、空軍が出動に備えるという。


 朝日新聞5日付記事からです。
 イギリスがまさかこういう馬鹿馬鹿しいことに50年以上も税金を費やしていたとは。
 ちょうど10年前のことです。「ノストラダムスの大予言」なるものが流行していました。1999年に地球が滅亡するという予言です。当時、テレビなどにエセニセ学者がしばしば登場し、訳の分からないリクツをほざけあっていたのを覚えているでしょうか。結局、地球は滅亡していません。もっとも、今の日本は政権交代によって、滅亡に加速がかかっているのかもしれませんが。

 UFOが存在しているのなら、火星人や木星人もいるでしょうねえ。そして、M78星雲のウルトラ兄弟もいるはずでしょう。そうなってくるとメフィラス星人、そして、バルタン星人もいるはずです。ちなみに、ウルトラマンが身長40mで、体重3万tなどというのは、異常な肥満体なのでは・・・(はなしがどんどん飛躍しているのはわかっています)
2009年12月06日

『法的整合性確保に向けての多面的検討』(日本都市センター)

 ご紹介がものすごく遅れましたが、財団法人日本都市センターから、今年春に出版されています。「都市自治体の法的整合性の確保に関する調査研究」の第一期調査研究の成果を取りまとめたものです。政策法務の問題意識や取組みは定着しつつあっても、コンプライアンスや不適切な事務執行は相変わらず多いです。「法的整合性」とは、法規範と現実が乖離したことで発生している問題について、これらの態様を考察するための新しい概念とされています。

法的整合性確保に向けての多面的検討 法的整合性確保に向けての多面的検討
(2009/03/31)
財団法人日本都市センター

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 政策法務研究会のメンバーから、こういう図書をどうやって発見するのかと尋ねられることがありますが、同センターのHPを定期的に閲覧しているだけのことです。ちなみに、アドレスは次のとおりです。
http://www.toshi.or.jp/index.shtml

 コンプライアンス(法令遵守)は、全国の自治体で諸々の違法行為が表面化したこともあり、注目されているところです。それでもコンプライアンス条例の制定などに象徴されるように積極的に取り組んでいる自治体と、場当たり的対応で済ませている自治体に分かれているという印象です。もちろん、私が勤務する自治体は後者です。
2009年12月02日

マンションでのビラ配りは住居侵入罪

葛飾ビラ配り事件、罰金5万円確定へ 最高裁が上告棄却
 政党のビラを配布するために東京都葛飾区のマンションに立ち入ったことで、住居侵入罪に問われた住職の荒川庸生(ようせい)被告(62)の上告審判決が30日、あった。最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は「表現の自由の行使のためとはいっても、管理組合の意思に反して立ち入ることは管理権を侵害する」と述べて弁護側の上告を棄却した。一審・東京地裁の無罪判決を破棄して罰金5万円を言い渡した二審・東京高裁判決が確定する。
 関与した4人の裁判官全員の一致。判決は、マンションの入り口に「チラシ・パンフレット等広告の投函(とうかん)は固く禁じます」などの張り紙があったことを挙げ、「張り紙の内容や立ち入り目的などからみて、立ち入りが管理組合の意思に反するものだったことは明らかで、荒川住職もこれを認識していた」と判断。荒川住職がマンションのドアを開け、7階から3階までの廊下に立ち入ったことを考えると「法益侵害の程度が極めて軽微とはいえない」と述べた。
 そのうえで、ビラ配布のための立ち入りを罰することが、憲法で保障された表現の自由を侵害するかどうかについて検討。「表現の自由は無制限に保障されるものではなく、公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける」というこれまでの最高裁判例を引用し、「表現そのもの」でなく、「表現の手段」を処罰する今回のケースは、憲法に反しないと結論づけた。
 二審判決などによると、荒川住職は2004年12月23日午後2時20分ごろ、共産党の「都議会報告」などを配るためにマンションに入り、各戸のドアポストにビラを投函していたところ住民に通報されて逮捕され、23日間の身柄拘束の後に起訴された。マンションにはオートロック方式の玄関はなく、管理人も常駐していなかった。


 朝日新聞30日付記事からです。この判例は、すでに最高裁HPに搭載されています。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030

 マンションのメールボックスは、1階にまとめて整備されているものが多いと思いますが、この事件のマンションは、オートロック方式の玄関でもなく、管理人も常駐していなかったというのですから、ビラ配布のために廊下などに立ち入ることは、かなり容易だったのかもしれません。管理人が常駐していても、隙を狙って入り込むことができますから、なおさらでしょう。

 張り紙でチラシ・パンフレットの投函を固く禁止していることを明示していても、果たして、政党のビラを配布するためにマンションに立ち入ったことが、刑法で処罰するほどの違法性があるのかどうかは、やや疑問です。被告人だった住職は共産党支持者だったのでしょうか。だから検察が徹底的に争ったというふうにも思えます。
2009年12月01日

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