講学 政策法務

政策法務、地方自治、司法、事件、そして四方山話。硬い話、時たま、柔らかい話。
Author:Z-Berg

碓井光明『社会保障財政法精義』(信山社)

 碓井先生の精義シリーズ第4弾は、社会保障財政の仕組みに関する法的研究書。昨日手元に届いたところで、まだ読了していませんが、とりあえず紹介しておきます。

社会保障財政法精義 社会保障財政法精義
(2009/08)
碓井 光明

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 政権交代によって、社会保障充実策に期待が寄せられています。旧政権時代に判明した年金問題などは論外としても、政府として財政規律を無視することはできませんから、今までのやり方が全て悪かったとも思っていません。政策に100点満点はないといわれていますし。そのため、コンクリートに公金を費やしてきた旧政権から、人に公金を費やす新政権になっても、変わらないのは国の借金が増えるだけのように思えてなりません。過剰な期待は禁物だと思っています。
2009年10月26日

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後期高齢者医療、保険料滞納者に制裁

後期医療の滞納者保険証 広域連合の8割、返還要求検討
 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度を運営している全国の広域連合のうち、8割にあたる37都道府県が保険料の滞納者から保険証の返還を求めることを検討していることが、朝日新聞の調べでわかった。滞納者の多くは無年金や低年金のお年寄りと見られ、来年2月にも保険証を取り上げられて事実上の「無保険」状態に追い込まれる可能性がある。
 長妻昭厚生労働相は23日のテレビ番組で、保険証を取り上げないという趣旨の発言をし、事態に対応する構えを見せ始めた。だが、保険証を返還させて事実上の「無保険」となる資格証明書(資格証)を発行するのは制度を担う広域連合。現場には政権交代後に新たな方針は届いておらず、「大臣の発言だけでは変わらない。今のところは出す方向で準備を進めている」(広島県の広域連合)といった反応が出ている。
 朝日新聞が10月中旬、全国47都道府県の広域連合に資格証を発行するかどうか尋ねたところ、「発行する方向で検討する」と答えたのが東京、愛知、大阪など37都道府県。「発行しない方向で検討する」が岩手、宮崎の2県、「未定」が富山など7県。栃木県は回答を保留した。
 この制度は08年4月にスタート。多くの高齢者は年金から保険料を天引きされており、滞納者は無年金や低年金のため市町村窓口などで保険料を支払うことになっているお年寄りに多いとされる。
 旧制度では、75歳以上の高齢者に対するこうした制裁措置はなかった。批判を受けた厚労省は、有効期間が短いものの保険証と同様に使える短期保険証(短期証)の交付でまず対応するよう全国に指示。通知に従い、多くの現場では短期証が滞納者に交付されており、これまで資格証が発行された例はない。
 短期証の発行総数は40道府県で計3万4521人分(8月1日時点)。兵庫県が5462人と最も多く、大阪府が4666人。一方、神奈川県など7都県ではゼロだった。
 このうち、新たに資格証を「発行する方向」と答えた37都道府県は2万6682人に短期証を発行済みだ。このまま機械的に資格証に移行すれば相当数のお年寄りが「無保険」状態となる恐れもある。
 民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で後期医療制度の「廃止」を掲げたが、長妻厚労相は着任後に即時廃止を断念、12年度末に廃止する方針を固めた。新制度移行まで約3年半は現行制度が継続する結果となり、様子見だった自治体の中に、保険証の返還を求める動きが広がったと見られる。
 大阪府の広域連合は、政府の新方針が定まらぬ9月末、資格証についての対応を全国の広域連合に照会。厚労省にも問い合わせたうえ、「大阪独自で資格証を発行しないと決めるべきでない」と判断し、制度に従って発行する方向で検討を始めた。


 朝日新聞25日付記事からです。
 後期高齢者医療広域連合の8割が、保険料滞納者に保険者証の返還要求を検討するようですが、真面目に保険料を負担している人との間に不平等が生じているのであれば、積極的にすべきなのは当然のことだと思います。厚労相は、保険証は取り上げないと発言したようですが、後期高齢者医療広域連合が法に基づいて行う措置を厚労相が差し止めることができるのでしょうか。まさか「通達」で広域連合を拘束しようとするのではないでしょうね。

 後期高齢者医療制度については、開始時点では多方面から厳しい批判がなされていました。しかし、最近は制度が定着したようで、批判は沈静化しているようです。それでもとても良い制度であると評価されているわけでもありません。私もこの制度には疑問を持っています。このたびの政権交代によって、この制度は2012年度末に廃止されると厚労相は表明しています。しかし、問題なのは、その後にどのような新制度が創設されるのかということです。そんなウマイ仕組みが「政治主導」とやらで本当にできるのかと、これまた疑問に思っています。 
2009年10月25日

無法地帯?阿久根市

鹿児島・阿久根市職労事務所問題:使用取り消し「無効」 市長が敗訴−−地裁判決
 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市職員労働組合(市職労)に市庁舎内の事務所の使用許可を取り消した問題で、市職労が市による使用許可取り消し処分の無効を求めた訴訟の判決が23日、鹿児島地裁であった。牧賢二裁判長は、「手続きに不備があり違法」などとして、処分の無効を言い渡した。竹原市長は自治労、市職労と激しく対立。両者間で2件の訴訟を抱えるが、最初の判決は「市長敗訴」だった。
 この問題を巡って地裁は7月10日、訴訟の判決確定まで、市長の使用許可取り消し処分の効力停止を決定。訴訟は同29日、初弁論で結審。竹原市長は答弁書で「(訴訟は)公務員の待遇のあり方全体にも影響を与える事件であり、その意味で(公務員である)裁判官も公平な立場を取りえないと考えられる」と異例の司法批判を展開していた。
 訴状などによると、市職労は3月末、事務所の使用許可を申請し、10年3月までの許可を得た。だが、竹原市長は出直し市長選後の6月11日、「許可条件に疑義が生じた」として、使用許可を取り消し、組合側に1カ月以内の退去を要求した。
 組合側は「処分は市長が組合の存在ないし活動を嫌悪してなされたもので、裁量権の逸脱・乱用で違法」と主張。市側は「市民の利用の場である庁舎を組合活動のために無償で専用するのは、適切な行政財産の使用といえない」として、請求棄却を求めていた。

 ◇「懲戒免職は正当」市長改めて主張−−張り紙外し初弁論
 また、竹原市長が掲示した張り紙をはがし懲戒免職となった元係長の男性(45)が「処分は裁量権を逸脱し、違法」として、取り消しを求めた訴訟の初弁論が23日午前、同地裁であった。竹原市長自ら出廷し「処分は妥当性を欠くものではない」と主張。請求棄却を求めて全面的に争う姿勢を示した。市長本人の出廷は、弁護士費用を計上した予算案を市議会が否決したため。
 ◇「分からぬこと、裁判所は多い」
 23日、弁護士を伴わず鹿児島地裁に出廷した竹原市長は、裁判長から準備書面の提出を求められた際に「勉強しながらになるので(提出期限は)長めにお願いします」と頭を下げるなど終始、低姿勢だった。閉廷後、記者団に対して、「裁判所はよく分からないところが多い」とこぼした。
 地裁が21日付で懲戒免職処分の効力停止を決定したことについて「市長の命令をきかなくていい市役所になってしまう。そんな決定を裁判所がしていいのか」と批判した。決定を受け、週明けから元係長を職場復帰させる義務があるが、竹原市長は「元に戻す場所がない」と述べた。
 一方、傍聴した元係長は「(傍聴者も)懲戒免職相当の理由があるのかと疑問に感じたと思う」と話した。


 毎日新聞23日付記事(西部夕刊)からです。
 以前記事にした職員給与公開問題については、この不景気ですから、公務員へのバッシングがせめてもの息抜きになります。しかし、給与が高いと思うのであれば、市長が議会に給与削減を提案すればいいのですが、ナゼ、その努力をしないのか。これは市長として努力不足で、職務怠慢になるのではと思います。たぶん、「野党多数のため議会が認めない」と反論されるかもしれませんが、言い訳にすぎないと思います。

 それはともかく、一連の常軌を逸した無茶苦茶な対応は「ああ、やっぱり、ド田舎の役場はダメだ」、「田舎の人間は、法律とか裁判とかを守れない」という見方になります。阿久根市政はかなり混乱しているのでしょうねえ。市長と職員がここまで対立するというのは、余程何か原因があると思うのですが、部外者には分かりません。何か恐ろしい事件が発生しなければいいのですけど。

 それにしても、他人のやったことで自分が気に入らないことは根拠もなく違法と決めつけ、自分の違法行為は認めようとしない阿久根市長さんに法治行政の意識はないのでしょうねえ。この際、潔く辞職されればどうでしょうか。この人に司法や裁判官を批判する資格はないでしょう。自分で訴訟対応されるのなら、まず、十分に勉強して出廷すべきで、自分の知識不足を棚にあげて、司法批判はいただけません。逆に、裁判官がこの市長に対して、名誉毀損などで損害賠償請求すればいいのにとも思います。
2009年10月24日

ナースセンターの真実?

 とある大学病院外科のナースセンターで数回見た光景です。看護婦から看護師に名称変更となり、女性だけの職場だった看護の世界に、男性が徐々にですが進出しているようです。この病院でも、十数名の女性看護師に対して、1人だけ男性の看護師がいました。男の私が言うのもおかしいのですが、なかなかのイケメン看護師。応対も丁寧で、患者の評判も上々のようです。

 しかし、女性看護師たちにすれば、ちょっと事情が違うようです。どうやらこの男性看護師は年功的には一番若いようで、何かとミスをするようで、そのたびにナースセンターの中で多くの女性看護師たちに一斉に叱り飛ばされていました。男性看護師はタジタジの様子で。

 男女共同参画社会といわれていますが、普通、男性主体の社会に女性の進出を促すのが基本的趣旨。女性中心の、かなり閉鎖的な看護師という業界に男性が入り込むには、かなりの「勇気」を要することが、よく分かります。男性ばかりの職場に、若い女性が配属されたときの男性たちの応対を多数見たり、経験した者としては、その差異にちょっと恐怖感を覚えた次第です。
2009年10月18日

大阪府知事に対する職員の物言いへの処分に賛否両論

橋下知事批判メールに反響700件、賛否半々
 大阪府の橋下徹知事が今月8日、全職員に一斉送信したメールに批判的な返信をした女性職員を、「トップに対する物言いとして常識を逸脱している」として厳重注意処分にしたことに対し、これまでに市民の意見として府に寄せられたメール、電話の反響が約700件に上った。
 「社会人の常識がなく、処分は当然」「上司に意見を言う人間を大切にしないと、組織は硬直する」。賛同派と批判派はほぼ相半ばしており、思わぬ〈批判メール論争〉が起きている。
 市民からの意見は、女性職員が処分された8日には177件、翌9日は1日の意見件数としては今年最も多い301件に達した。16日午後5時までに計692件に上り、このうち処分に肯定的な意見が413件、批判は279件だった。
 知事に賛同する人たちからは「職員全員に社会常識を再教育すべきだ」「民間企業では上司と考え方が違う場合、失礼のないように意見し、通らなければ身を引くしかない」などの意見があった一方、「処分までは大人げない」「意見を求めながら、内容が気に入らないからと処分すれば、誰も意見を言わなくなる」といった知事批判もあった。
 ふだん府に寄せられる意見は女性や中高年が中心だが、今回は6割以上が男性で、30歳代と40歳代がそれぞれ100件を超えた。府の担当者は「これだけ賛否が分かれる反響は初めて」と話している。


 読売新聞17日付記事からです。
 トップに対する意見具申は、やはり節度をわきまえるべきだと思います。この大阪府職員は、組合関係者だったのかもしれませんねえ。ただ、知事も自分のメールを全ての職員が必ず読んでいると思われているのであれば、それは多分、違うと思います。職員の中には、内容も見ずに削除している人も相当多いでしょう。

 実は、私の勤める市でもトップからメールマガジンが、年に数件ありますが、本人が書いていないことがバレバレ。同僚はそれを知っているため、着信次第削除しています。私は、一応、通読しますが、それきりで、やはり削除ですね。余りにも内容がなさすぎまして・・・

 大阪府職員は知事のことをどのように思っているのでしょうか。多くの職員は、「知事はいいよな。辞職したって、元知事という肩書きで、またタレント弁護士として年収数億円稼ぐことができるんだから」」といったところでしょう。
2009年10月17日

競輪の場外車券発売施設の設置許可の取消しを求める原告適格

 最高裁が、15日、原告適格について、また新たな判断を示しました。最高裁HPからの判決要旨をそのまま引用します。

 

自転車競技法に基づく場外車券発売施設の設置許可の取消しを求める原告適格につき,次の判断がされた判例
1 施設の周辺に居住する者等は,下記2の者を除き,位置基準を根拠として上記の原告適格を有するということはできない
2 施設の設置,運営に伴い著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に文教施設又は医療施設を開設する者は,位置基準を根拠として上記の原告適格を有する
3 上記2の者がその原告適格を有するか否かの判断基準
4 施設の周辺に居住する者等は,周辺環境調和基準を根拠として上記の原告適格を有するということはできない



 判決文も一瞥しました。原審は、全ての被上告人の原告適格を肯定したのに対して、最高裁は自転車競技法、同法施行規則の「位置基準」によって保護している利益は不特定多数者の利益、つまり、一般的公益に属するものであり、原告適格を基礎付けるものではないとして、周辺住民の原告適格については否定しました。

 学校や病院などはともかく、周辺住民の平穏な生活よりも、公営賭博の繁栄を法的に保護するといったところでしょうか。好意的にみていいのか、どうなのか。
2009年10月16日

脱官僚依存、政治主導

憲法解釈 内閣法制局長官の答弁禁止 小沢氏が意向
 民主党の小沢一郎幹事長が7日の記者会見で、国会で政府の憲法解釈を示してきた内閣法制局長官の答弁を、今後禁止する考えを示した。小沢氏は国会論議を政治主導にするために国会法を改正して「官僚答弁の禁止」を盛り込む考えだ。
 小沢氏は会見で法制局長官の答弁を認めるかを問われて「内閣法制局長官も官僚でしょう。官僚は入らない」と語った。
 国会法では、内閣法制局長官は公正取引委員会委員長、人事院総裁らと並んで、独立性の高い機関の長として「政府特別補佐人」として答弁が認められている。小沢氏は、政府特別補佐人も含めた官僚答弁を禁止する考えだ。
 内閣法制局は、省庁が作成した法案を閣議にかける前に他の法律との整合性などを審査する。また、自民党政権時代、法制局長官は政府の憲法解釈について独占的に国会で答弁してきた。長官答弁が禁止されれば、首相や官房長官ら政治家が憲法解釈を示すことになる。
 法制局改革は小沢氏の長年の持論だ。自民党の幹事長だった90年、国連平和協力法案(廃案)をめぐり、内閣法制局が自衛隊の派遣条件を厳しくとらえる憲法解釈を堅持したことで、小沢氏ら当時の自民党執行部から長官の罷免論が出たこともある。
 小沢氏は9日付の民主党機関紙のインタビューに「この臨時国会では、官僚が政府参考人として答弁することを禁止する国会法の改正に取り組む。脱官僚依存にはこれが一番」と述べ、国会法改正に強い意欲を示していた。


 朝日新聞9日付記事からです。
 新政権が政治主導、脱官僚依存に取り組んでいることとの関連で、法律と憲法との関係で微妙な問題が発生した場合、本当に国会議員だけで乗り切れるのか疑問に思っています。内閣法制局長官は官僚ですが、過去、憲法問題では、賛否はあるにせよ、ともかく歴代内閣法制局の「援護射撃」で乗り切ってきたはずです。民主党の小沢幹事長は、これまでの慣例を壊したいようですが、大丈夫でしょうか。

 いつぞやの政策法務研究会の席上で、ある自治体の法務担当係長さんから、「私のところでは、重要な条例議案については、所管の部長や課長ではなく、法務担当課長や私が市長に説明するように求められることが多い」と教えていただきました。内閣法制局長官が政府特別補佐人であることを参考にした対応なのかもしれません。政治主導という言葉は、「官僚依存」という言葉が余りにもダーティなものになっているため、新鮮な響きとなっていますが、いずれ、錯覚に陥っていたことに気づくかもしれません。
2009年10月15日

高齢化の不透明性

100歳以上の高齢者、4万人突破 8割以上が女性
厚生労働省は11日、全国の100歳以上の高齢者が今月15日時点で4万399人になる、と発表した。前年の3万6276人から約1割増え、初めて4万人台になった。全体の86.5%が女性。今年度中に100歳になる人は、初めて2万人を超えた。
 老人福祉法で「老人の日」と定められた15日を前に、厚労省が毎年公表している。同法が制定された63年は153人だったが、81年には1千人を超えた。初めて1万人を上回ったのは98年で、わずか11年で約4倍になった。
 国内最高齢者は、沖縄県の114歳の女性。
 人口10万人当たりで比べると、都道府県別で最も多いのが沖縄県の67.44人で、37年続けて1位。次いで、島根県(66.21人)、高知県(61.45人)が多い。上位10県のうち九州が5県、中四国が5県を占めた。
 最も少ないのが埼玉県の15.90人で、20年連続の最下位。次いで愛知県(18.45人)、千葉県(21.45人)、神奈川県(21.98人)など。
 今年度中に100歳になる高齢者には、首相から祝い状と記念品の銀杯が贈られる。対象者は、前年度より1835人多い2万1603人。急増していることもあって、銀杯は昨年までの直径3.5寸(約10.5センチ)から3寸(約9センチ)とやや小ぶりに。単価も6630円から5975円と、1割程度割安になった。


 朝日新聞9月11日付記事からです。
 100歳以上のご長寿の方が4万人以上いるとのことですが、これは住民基本台帳上のことのようです。実際に生存が確認できている100歳以上の方は2万人余りと、某テレビ番組でメインキャスターが厚労省担当者に確認したとして言っていました。表面的な数値だけを信用すると、本当の姿が見えなくなる一事例でしょうか。もっとも、最高齢の人だけは確認しているようで、例えば、150歳とか200歳の人が生存しているような馬鹿な事態だけは、厚労省が「防止」しているようです。

 こういうことを考えだすと、少子化はともかく、高齢化の実態が不透明になるように思います。例えば、75歳以上100歳未満の人口も数値と実態との間には相当な乖離が存在するのではないか、本当は死んでいるのに、生きていることにして年金をネコババしている奴等もいるんじゃないかなど、疑問が広まっていきます。

 政権交代によって、「コンクリートから人へ」をキャッチフレーズに政策転換がなされつつありますが、現金給付施策というものに対して、以前から猛烈な嫌悪感を持っているのは、上記のようなまやかしが相当存在することを感じているためかもしれません。
2009年10月13日

北村喜宣『自治体環境行政法第5版』など

 長い間、拙ブログのお休みをいただいておりました。
 標記の著作などが手元に届いておりますので、お知らせしておきます。
自治体環境行政法 〈第5版〉 自治体環境行政法 〈第5版〉
(2009/10/14)
北村 喜宣

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 自治体職員が環境法を学ぶための体系的テキストで、初版が1996年ですから10年以上のロングセラーになります。私の場合、特に環境行政に従事した経験はありませんが、本書は政策法務のテキストとしての色合いも濃く、関心をひきつけてくれます。

 もう1冊政策法務に関する書籍を紹介しておきましょう。

中高層マンション問題を円満解決するには (自治体職員のための政策法務入門 4 まちづくり課の巻) 中高層マンション問題を円満解決するには (自治体職員のための政策法務入門 4 まちづくり課の巻)
(2009/08/27)
横須賀市まちづくり条例研究会

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 出石稔氏(関東学院大学教授)監修、横須賀市まちづくり条例研究会の方々によるシリーズ第4巻。実際のところ、「まちづくり課」という名称の組織を持つ市町村がどれだけあるのかは別として、都市計画制度の運用、宅地開発の規制・誘導、建築行為の規制・誘導、都市景観の維持・形成、そして土地利用の総合調整といった仕事を担う部署は存在すると思います。本書は、こうした「まちづくり課」における政策法務を物語にしたものです。
2009年10月12日

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