暴力団密接関係者非該当情報の開示

 1月も前の新聞記事ですが……
 「京都市が、市内在住の男性(62)が暴力団関係者か否かを京都府警に照会し、「該当しない」とする結果を男性に伝えていたことが分かった。府警は「捜査情報を本人に伝えるのは不適当」と反発し、市側は疑いが持たれる人物がそうではないと市民に示す必要があり、問題ない」と説明している。」(7月26日付け毎日新聞朝刊)
 いや、問題あるんちゃう。
 また、7月25日付けの読売新聞朝刊には、「市は、公共事業などの契約者が暴力団関係者か否かについて、契約解除など暴力団排除を目的に照会できる協定を府警との間で12年に交わしており、市教委が契約後の今年5月15日、男性について府警に照会。翌16日、府警から「該当しない」との回答を得た。
 ところが同日、市教委は照会結果を男性に口頭で伝達。男性はその3日後、市の個人情報保護条例に基づいて照会結果を書面で出すよう開示請求し、市教委は6月13日に開示した」とあります。
 そもそも、何で口頭で言うねん。
 一般的に捜査情報は、行政協力関係情報か公共の安全等に関する情報として、非公開か存否応答拒否やと思うねんけどな。よう分からんが、何か、裏がありそうやな。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 23:59 | 情報公開・個人情報保護 | コメント (0) | -

本音

 先日、本市の職員が応対中の市民に殴られてけがをするという事件がありました。
 最近、暴力を振るう市民は少なくなってきましたが、逆に増えてきたのが、粘着質なクレーマーです。そういうクレーマーから、恫喝するような口調で「情報公開しちゃろか」と言われたことがありませんか?
 正直に言って、情報公開請求は、痛くもかゆくもありません。面倒な仕事が少々増えるだけで、恫喝にはなり得ません。しかし、その後の公開決定等に対する不服申立ては、痛いです。あの膨大な事務量は、十分に恫喝の対象になります。これは、本音です。
 2013年6月3日の記事で情報公開制度の運営のコストを請求1件当たり3万円から7万円程度と紹介させていただきましたが、不服申立て1件当たりのコストて、いくらぐらいになるのでしょうね。ホンマに、手数料取れんもんやろか。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 00:16 | 情報公開・個人情報保護 | コメント (0) | -

いわゆる生理休暇2

 いわゆる生理休暇は、「生理日の就業が著しく困難な女子労働者が請求した場合に与えるべきものであるが、その手続を複雑にすると、この制度の趣旨が抹殺されることになるから、原則として特別の証明がなくても女子労働者の請求があった場合には、これを与えることにし、特に証明を求める必要が認められる場合であっても、右の趣旨に鑑み、医師の診断書のような厳格な証明を求めることなく、一応事実を推断せしめるに足れば十分であるから、例えば同僚の証言程度の簡単な証明によらしめるよう指導されたい」(昭和23年5月5日基発第682号)とされています。そのため、ほとんどの地方公共団体では、本人の届出のみによっていると思われます。そのため、病気休暇として取り扱うこととされているにもかかわらず、特別休暇として取り扱っているところもあります。
 この制度を悪用し、「生リフレ」や「生サマー」といった大型休暇を取得したり、シルバーウィークやゴールデンウィークを「プラチナウィーク」や「ダイアモンドウィーク」にグレードアップしたりする場合が、一部に見受けられます。
 生理休暇は、公務員の世界では、どうしてもマイナス面が強調されるせいか、民間企業にはないと誤解している人がいます。民間企業にも生理休暇はあります。
 労働基準法第68条は、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定しています。就業規則の有無にかかわらず、法律上、生理休暇は認められています。ただし、休暇を有給とするか無給とするかは、使用者の定めるところによります。
 昭和23年5月5日基発第682号の行政実例には、生理休暇の日数を制限することについて、次のような回答があります。
「生理日の長短及びその難易は各人によって異るものであり、女子労働者すべてに妥当する客観的な一般基準は定められない。なお、就業規則その他により生理休暇の日数を限定することは許されない。但し、有給の生理休暇の日数を定めておくことは、それ以上休暇を与えることが明らかにされていれば差支えない。」

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 00:18 | 地方公務員法 | コメント (0) | -

福祉事務所長事務委任規則

 ほとんどの市では、生活保護法第19条第4項及び第55条の4第2項、児童福祉法第32条第2項、身体障害者福祉法第9条第9項、特別児童扶養手当等の支給に関する法律第38条第2項並びに地方自治法第153条第2項の規定により、市長の権限に属する事務の一部を福祉事務所長に委任しています。
 生活保護法の一部を改正する法律(平成25年法律第104号)の施行に伴い、福祉事務所長事務委任規則の見直しを行いましたが、この規則、あまりデキが良くありません。複数の担当課で共管していることがその理由でしょうか。
 各市の福祉事務所長事務委任規則を参照していて気になったのが、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律第14条に規定する支援給付の実施に関する事務を福祉事務所長に委任する場合の規定ぶりです。同法による支援給付は、同条第4項の規定により、生活保護法の規定の例によるとされています。また、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成19年法律第127号)附則第4条第2項において準用する施行前死亡者の配偶者の生活を支援する給付についても規定する必要があります。この場合、どのように規定するのが最も美しいのでしょうね。
 市ごとに工夫が見られますが、個人的には、委任事務として「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律第14条に規定する支援給付の実施(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成19年法律第127号)附則第4条第2項において準用する場合を含む。)」と1号だけ建てるのが最も美しいと思います。
 ついでにもう一つ重箱の隅をつついておくと、身体障害者福祉法における事務委任の根拠規定は、第9条第9項です。障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律(平成22年法律第71号)附則第44条で改正されています。念の為、御確認ください。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 00:16 | 法制執務 | コメント (0) | -

前文・中文・後文

 雨が上がって暑いです。暑いとアホなことを考えてしまいます。
 「法令の各本条の前に置かれ、その法令の制定の趣旨、目的、基本原則を述べた文章を「前文」と」いいます。「前文は、具体的な法規を定めたものではなく、その意味で、前文の内容から直接法的効果が生ずるものではないが、各本条とともに、その法令の一部を構成するものであり、各条項の解釈の基準を示す意義・効力を有する」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)とされています。そのためか、地方公共団体における条例では、とんでもない前文が登場することがあります。
 この前文ですが、各本条の前以外に置かれた法律があったことを御存じでしょうか。海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)による改正前の海上衝突予防法(昭和28年法律第151号)がそれです。同法では、第3章の章名の後に前文が置かれていました。
 法律に実例があったのであれば、条例でも各本条の前以外の部分に前文を置いてみてはどうでしょうか。前文と合わせて、本則の中間や附則の後に置いたものを中文や後文と称すると、さらに注目を集めることができるかもしれません。議会での説明では、旧海上衝突予防法の例を挙げましょう。当該条例にハクが付きます。
 まだまだ暑い日が続きます。くれぐれも御自愛ください。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:52 | 法制執務 | コメント (0) | -
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