総務課総務掛

 「総務課総務掛」の名刺をいただきました。
 常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)によると、「係」の音訓欄には「ケイ・かかる・かかり」とあり、「かかり」の例欄には「係、係員、庶務係」と、備考欄には異字同訓として「掛」とあります。一方、「掛」の音訓欄には「かける・かかる・かかり」とあり、「かかり」の例欄には「掛」と、備考欄には異字同訓として「係」とあります。また、送り仮名の付け方(昭和48年内閣告示第2号)の通則4の例外の送り仮名を付けないものとして「係」と「掛(かかり)」が掲げられています。
 「総務課総務係」でも「総務課総務掛」でも間違いではないのですが、「係」と「掛」とが存在するのは、次のような理由によります。
「明治時代は主として「掛」であったが、大正になると「係・掛」であり、戦後はどちらかと言えば「係」が優勢で、近ごろでは、一般には「係」、鉄道関係などでは「掛」とするものが多い。このことは、明治時代には、実際に「〜掛」「掛員」などが多く用いられていたが、次第に社会一般では「〜係」、「係員」が優勢になってきたことを反映しているものと思われる。しかし、明治以来引き続いている組織体では、設立当時の表記をそのまま引き続いて用いていることは想像に難くない。
 ……(略)……
 また、平成三年十二月現在、国立の九十六大学のうち、部局課の小分けに「掛」を用いているのは、北海道大学、東北大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、九州大学の十大学であり、他の八十六大学ではすべて「係」を用いている。十大学のうち、七大学はいわゆる旧帝国大学であり、設立年次の古い大学である。」(「言葉に関する問答集・総集編」文化庁/国立印刷局)
 名刺をいただいたのは、京都大学の方でした。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:54 | 文書事務

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