地方公共団体の休日

第4条の2 地方公共団体の休日は、条例で定める。
A 前項の地方公共団体の休日は、次に掲げる日について定めるものとする。
 ⑴ 日曜日及び土曜日
 ⑵ 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
 ⑶ 年末又は年始における日で条例で定めるもの
B 前項各号に掲げる日のほか、当該地方公共団体において特別な歴史的、社会的意義を有し、住民
 がこぞって記念することが定着している日で、当該地方公共団体の休日とすることについて広く国民
 の理解を得られるようなものは、第1項の地方公共団体の休日として定めることができる。この場合に
 おいては、当該地方公共団体の長は、あらかじめ総務大臣に協議しなければならない。
C (略)
 地方自治法第4条の2第2項の規定は、前項の規定により、地方公共団体が条例で定める休日の基準を示したものです。第2項各号は、例示列挙ではなく、限定列挙であるとされていることから、第3項の規定による場合を除き、第2項各号に掲げる日以外の日を地方公共団体の休日とすることはできないと解されています。
 また、第4条の2第3項の「当該地方公共団体において特別な歴史的、社会的意義を有し、住民がこぞって記念することが定着している日で、当該地方公共団体の休日とすることについて広く国民の理解を得られるようなもの」には、盆、祭、市政記念日等は該当しない(平成3年4月2日付け自治行第38号通知)ものとされており、極めて限定的に解されています。現に、同項の規定による休日は、沖縄県及び県内市町村における慰霊の日と広島市の平和記念日のみとなっています。
 さらに、第4条の2第2項第3号の「年末又は年始における日で条例で定めるもの」についても、国の行政機関の年末年始の休日よりも長い休日を定めることは、地方公務員法第24条第5項(均衡の原則)の規定に違反し、できないと解されています。
地方自治法第4条の2第1項で「地方公共団体の休日は、条例で定める」と規定しておきながら、地方公共団体に裁量の余地がほとんどないのは、同条が次のような理由によって規定されたからではないかと考えられます。
「官庁の休日を定めることは経済社会に重大な影響を及ぼすものであることに鑑みれば、官庁の休日は法律によって規定すべきものであるとした法制意見がある(昭二三、三、二七)。しかしながら、官庁の休日を定める法律は制定されることはなく、日曜日及び年末年始の日について、明治以来の確立した慣習として官庁の休日とされ、また、国民の祝日に関する法律(昭二三法一七八)に規定する休日についても官庁の休日とする取扱いがなされてきた。地方公共団体においても、官庁と同様、定着した慣習として日曜日、国民の祝日、年末年始の休日が閉庁日とされてきた。このため、公務員の週休二日制を実施し土曜閉庁方式を導入するに当たって、従来法的根拠があいまいであった日曜日等の閉庁を含め国及び地方公共団体の休日全体としての法制の整備が図られたものであり、国については行政機関の休日に関する法律(昭六三法九一)等の法律が定められ、地方公共団体については本条が設けられたものである。」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)
 なお、地方公共団体の休日を条例で定めるということは、地方公共団体の事務処理の権能に効力を及ぼすものではありません。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 00:16 | 地方自治法

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