−管理人のたわごとブログ− 特定歴史公文書等(後編)
「歴史公文書等」の保存及び利用について制度化されていないと、毎年、保存年限の過ぎた「歴史公文書等」が廃棄されることになります。この問題を解決するためには、何もハコモノである公文書館を設置する必要はなく、「歴史公文書等」を適切に保存及び利用するための公文書館機能を課等の組織に所掌させる必要があります。
公文書等の管理に関する法律によると、「特定歴史公文書等」とは、「歴史公文書等」(歴史資料として重要な公文書その他の文書をいう(第2条第6項)。)のうち、国立公文書館等に移管又は寄贈若しくは寄託されたものをいう(同条第7項)とされています。これを市町村に当てはめてみると、保存年限を過ぎて廃棄される文書のうち、歴史資料として重要なものとして公文書館機能を有する課等の組織に移管されたものということになります。実務上は、廃棄文書を特定の期間、特定の施設に集積し、その中から担当者が「歴史公文書等」を選別した上で、「特定歴史公文書等」のリストを作成し、それを公表することになると考えられます。ちなみに本市では、そのように取り扱っています。「歴史公文書等」の選別については、選別基準を策定し、原課から公文書館機能担当課に引き継がせるという方法も考えられますが、市町村においては、専門職員に選別させた方がよいのではないでしょうか。そして、リストを作成することによって、「歴史公文書等」が「特定歴史公文書等」になるとした方が制度を理解しやすいのではないかと思われます。
「特定歴史公文書等」を市町村の機関が保存及び利用する以上は、組織的共用文書として情報公開条例が適用されます。しかし、行政機関の保有する情報の公開に関する法律において「特定歴史公文書等」の適用が除外されているように、その文書等の性格上、市町村の情報公開条例においても「特定歴史公文書等」の適用を除外する方が適当ではないでしょうか。ただし、その場合には、「特定歴史公文書等」を利用するために別の制度を構築する必要があり、情報公開条例の特例条例として、「特定歴史公文書等」を保存及び利用するための公文書管理条例を制定する必要があると考えられます。
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