市町村の名称

 地方公共団体の名称について、地方自治法は、「従来の名称による」(第3条第1項)と規定しているのみです。また、平成11年に公布されたいわゆる地方分権一括法によって同条第3項以下が改正され、都道府県以外の地方公共団体の名称を変更する場合の手続が、知事の許可制から協議制に改められました。そのせいか、平成の大合併の結果、かなりユニークな名称の市町村が誕生しました。
 失礼ながら、世間一般の評価によると、栃木県さくら市、埼玉県さいたま市、山梨県南アルプス市、愛媛県四国中央市が四大珍市町村名でしょうか。また、実現しなかったところでは、青森県あっぷる市、千葉県太平洋市、愛知県遷都麗空市、佐賀県湯陶里市なども珍名としての評価が高いようです。
 従来の名称による市町村名は、歴史的にも地理的にも意味があるのであって、これらを無視して安易に名称を変更することは、歴史や文化を消失することであるという批判もありますが、ここでは、完全にいちびって(大阪弁で「ふざけて」という意味)、もっといちびった市町村名を考えてみたいと思います。
 珍名とされる市町村名は、平仮名、片仮名、僭称、方角、合成、イメージ等に分類することができるようですが、僭称するならば、いっそ「日本」を僭称してはどうでしょうか。そのままだと面白くないので、「大」や「一」を付けて「大日本市」や「日本一市」とすると、さらにインパクトが増大します。また、「大」を付けるなら、「小京都」をもじって「大京都市」と名乗ると、観光客が増えるかもしれません。既存の市町村名を名乗るのがはばかられるならば、外国の市町村名をパクるのもえーでしょう。「ロンドン」や「ワシントン」や「ジュネーブ」を漢字にし、ついでに方角を入れて「東倫敦市」や「西華盛頓市」や「寿府中央市」とすると、ごっついかっこえーと思いませんか。イメージで漢字をあてるならば、「ヘルシンキ」を「地獄神鬼市」とすると、暴走族の名前みたいで、まちがヤンキーでにぎわうことが確実です。しかし、かわいいイメージで市町村名を決めるならば、やはり平仮名が一番です。定番のキーワードは、「あい」、「ゆめ」、「みらい」でしょうが、新鮮味に欠けますので、ここは、英語を平仮名にして「らぶふゅーちゃー市」や「どりーむらぶ市」とするのはどうでしょう。ニュース等で市町村名が出るだけで、その魅力を全国に発信することができるのではないでしょうか。
 いつかは、そんな市町村名がホンマに誕生するかもしれません。それでも、金で市の名前を売るよりは、はるかにマシだと思います。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 21:54 | 地方自治法

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