直ちに・遅滞なく・速やかに

 いずれも時間的即時性を表す場合に用いられる用語ですが、「「遅滞なく」は、「直ちに」及び「速やかに」に比べると時間的即時性が弱い場合が多く、正当な又は合理的な遅滞は許されるものと解されている。「直ちに」と「速やかに」では、「直ちに」が時間的即時性が強く、一切の遅れを許さない趣旨で用いられる。これに比べると、「速やかに」は、「直ちに」よりは急迫の程度が低い場合に用いられる。
 なお、「遅滞なく」及び「直ちに」の語を用いて規定されている場合には、遅滞により義務違反となるのを通例とするのに対し、「速やかに」の場合は訓示的な意味をもつにすぎないことが多い」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)と解されているせいか、「直ちに」→「速やかに」→「遅滞なく」の順ではなく、「直ちに」→「遅滞なく」→「速やかに」の順に時間的即時性が弱くなると誤解している職員も見受けられます。
 これらの用語、特に訓示的な意味合いの強い「速やかに」を用いる場合には、注意が必要です。本市の例規では、できる限り、確定期限によって定めるようにしています。それが分かりやすさであり、また、法令とは異なる例規の可能性であると考えるところです。
 前掲書には、次のようにもあります。
 「なお、昭和四〇年法律第四七号による改正前の銃砲刀剣類所持等取締法第一七条第一項にも、「すみやかに」の文言が用いられており、これについて、あいまいな規定であるとして違憲とされたこともある(もっとも、控訴審では破棄された(昭和三七年一二月一〇日大阪高等裁判所判決)。)。このようなこともあって、同項の規定は、昭和四〇年の改正で、現行の「二十日以内」に改められた。」

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:37 | 法制執務

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