−管理人のたわごとブログ− 遅延損害金
一般的に、地方公共団体の「「債権」とは、金銭の給付を目的とする地方公共団体の権利をいう」(地方自治法第240条第1項)とされており、公法上の原因又は公法関係から発生した債権と私法上の原因又は私法関係から発生した債権とに分類されます。前者を公債権と、後者を私債権といい、公債権は、さらに、行政庁が自力執行権を有する債権(同法第231条の3第3項の規定により、地方税の滞納処分の例により処分することができるもの。分担金、加入金、過料又は法律で定める使用料その他の普通地方公共団体の歳入)と自力執行権を有しない債権とに分類され、前者を強制徴収公債権と、後者を非強制徴収公債権といいます。
公債権は、同条第1項の規定により督促をした場合は、条例の定めるところにより、手数料及び延滞金を徴収することができる(同条第2項)とされていることから、ほとんどの地方公共団体では、督促手数料及び延滞金に関する条例を定めています。
一方、私債権は、同項の規定の適用がなく、督促手数料及び延滞金を徴収することができませんが、民法第419条第1項本文及び第404条の規定により、年5パーセントの割合による遅延損害金を徴収することができます。
なお、水道料金については、平成13年5月22日の東京高裁判決によって、「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権」とされ、商事法定利率の年6パーセント(商法第514条)の割合で徴収することが認められています。ただし、遅延損害金の徴収は任意であることから、他の私債権と合わせて5パーセントにしている地方公共団体が大半ではないでしょうか。
債権の差押命令を申し立てるには、請求債権目録に債権及び執行費用として遅延損害金の金額を確定して申し立てなければなりません。そのため、債権差押命令申立書の提出日を期限として遅延損害金を計算します。この日から取立日までの遅延損害金については、差押えの効力が及びませんので、この遅延損害金を差し押さえるならば、改めて、当該遅延損害金に係る債権差押命令の申立てが必要になります。おそらく、そこまでしている市町村は、ないのではないでしょうか。
なお、先日、大阪地裁に債権差押命令の申立てをしたところ、遅延損害金については、債務名義(仮執行宣言付支払督促)に記載された遅延損害金を確定損害金とし、この金額の期限後の利息を遅延損害金として記載するよう補正させられましたことを追記しておきます。
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