−管理人のたわごとブログ− 2014年11月
外来語である「page」は、「頁」又は「ページ」と表記されているようですが、どちらの表記が正しいのでしょうか。
「公用文における漢字使用は、「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)の本表及び付表(表の見方及び使い方を含む。)によるものとする」(「公用文における漢字使用等について」平成22年内閣訓令第1号)とされています。そうすると、「頁」は、常用漢字表には掲げられていないことから、公用文においては、「page」は、「ページ」と書くのが正しいということになります。
また、「現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころとするもの」(「「外来語の表記」の実施について」平成3年内閣訓令第1号)とされた「外来語の表記」(平成3年内閣告示第2号)においても「ページ」が掲げられています。
その一方で、書籍や内容見本では、今でも「頁」が使われています。この「page」を「頁」と書くことについては、「⑴「頁」の字が、「員=かず」の字に似ているからというのと、⑵中国語で「頁」と「葉」との音が共に「ye」であるところから、中国で用いていたのを借用したというのとの二説がある。中国では現在でもページの意を表すのに「頁」を用いている」(「言葉に関する問答集・総集編」文化庁/国立印刷局)そうです。
法令における表は、表を用いて表現した方が簡潔で分かりやすいと考えられる場合に用いられ、本則の条文中に置かれるものと、附則の次に置かれるものとがあります。このうち、附則の次に置かれる表を別表といい、別表が2以上になると、「別表第1」、「別表第2」……と表示します。
別表を細分する場合、一般職の職員の給与に関する法律では、イ、ロ、ハを使っていますので、市町村の横書きの条例の場合は、ア、イ、ウを使用しているところが多いのではないでしょうか。
11月19日に公布された一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成26年法律第105号)第2条では、別表第8ロ及びハの改正規定を
「別表第八ロ及びハを次のように改める。
ロ 医療職俸給表(二)
(略)
備考 (略)
ハ (略) 」
としています。
一方、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成19年法律第118号)では、「別表第一イの表中「(略)」を「(略)」に改め、別表第一イの備考(二)中「179,200円」を「181,000円」に改め、別表第一ロの表中「(略)」を「(略)」に改める。」としています。
別表の名称及び備考があることを考慮した改正規定であると考えられますが、細分された表を重ねて引用する場合は、どのようにするのでしょうか。
防衛省の職員の給与等に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第72号)では、
「別表第一イの表中「(略)」を「(略)」に改め、別表第一ロの表一等陸佐、一等海佐及び一等空佐の(一)欄の項中「(略)」を「(略)」に改め、同表一等陸佐、一等海佐及び一等空佐の(二)欄の項中「(略)」を「(略)」に改め、同表一等陸佐、一等海佐及び一等空佐の(三)欄の項中「(略)」を「(略)」に改め、同表二等陸佐、二等海佐及び二等空佐の項中「(略)」を「(略)」に改め、同表三等陸佐、三等海佐及び三等空佐の項中「(略)」を「(略)」に改める。」
とありますので、「別表第1アの表」を「同表」で受けてもよいのでしょうが、「同表」が「別表第1」を指すのか、「アの表」を指すのか、分かりにくいという点において、問題があると思います。
支払督促 金銭の他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者
の申立てによって裁判所書記官が支払督促を発することにより、簡易迅速に債務名義を得ることがで
きる手続。債務者が支払督促の送達後2週間以内に異議申立てをした場合は、通常の民事訴訟に移
行するので注意が必要である。
本市では、私法上の債権回収に係る支払督促の申立てから強制執行までの手続を法規担当で行っています。
そこで、滞納者の皆さんにお願いがあります(こんなブログを読んでいる滞納者はいないと思いますが)。担当課から法的な回収手続を依頼された債権について、支払督促手続によることが適当であると思われる場合、法規担当は、粛々と事務を執行します。ですから、滞納者の皆さん、「訴訟手続移行予告通知兼催告書」が届きましたら、速やかに未納金の全額をお納めください。納付期限までにお支払がない場合は、必ず預金債権を差し押さえ、全額を回収させていただくことになります。
こちらは、郵便物の送達先、債権の存在及び債務者の資力だけでなく、第三債務者である金融機関まで把握した上で「訴訟手続移行予告通知兼催告書」を送付しているのです。
〔複数法令の改正〕
問147 一部改正法の本則で幾つかの法律を同時に改正する場合は、どのような場合か。
答一 A法の一部改正を行う結果、B法及びC法の一部改正を行う必要が生ずるような場合には、A法
の一部を改正する法律の附則において、B法及びC法の一部改正を規定する。このような場合(ある
法令の一部改正をした結果、他法令を改正する必要が生ずる場合)とは異なり、共通の動機に基づ
いて複数の法令を改正しようとする場合には、原則として、その改正しようとする法律の数が二であ
るときは「A法及びB法の一部を改正する法律」の、その改正しようとする法律の数が三以上であると
きは「A法等の一部を改正する法律」の、それぞれ本則において改正する。(以下略)
二 ある法令の制定、改廃に伴って、相当多数の法令を改廃する必要が生じた場合、その原因を与え
た法令の附則において改正することもできるが、別の法令を制定して改正しようとするときは、それ
が法律の場合であれば、「○○法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理(等)に関す
る法律」という題名の法律の本則において、関係法律を改正する(以下略)。(「ワークブック法制執
務」法制執務研究会編/ぎょうせい)
A法の一部を改正する法律の施行に伴い、複数の条例を改正する必要がある場合は、「○○条例等の一部を改正する条例」又は「A法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理(等)に関する条例」を制定し、複数の条例を一の条例で改正するのが原則です。
しかし、本市では、議会の委員会への付託先が問題になる場合や否決される可能性のある条例が含まれている場合には、原則どおりにいかないこともあります。そんなことがあるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、本市では、あるのです。そのような場合に、それを調整することも法規担当の仕事です。
ギャップ[1]
「−を埋める」(「大辞林」三省堂)
電子計算機の結合の制限は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律では規定されていませんが、個人情報保護条例では、ほとんどの市町村で次のように規定されています。
(電子計算機の結合の制限)
第○条 実施機関は、当該実施機関以外のものとの間において、個人情報を提供し、又は個人情報の
提供を受けるため、通信回線その他の方法により電子計算機を結合してはならない。ただし、実施機
関が、個人情報保護審査会の意見を聴いたうえで、公益上必要があり、かつ、個人情報の保護に関し
必要な措置が講じられていると認めるときは、この限りでない。
この規定の運用に関して、担当課との間に大きなギャップを感じています。
電子計算機の外部結合は、原則禁止されています。これを解除するには、審査会の意見、公益上の必要性及び個人情報の保護措置が必要です。そのため、電子計算機の外部結合の禁止の例外について諮問された個人情報保護審査会では、公益上の必要性と個人情報の保護措置について審議することになります。ところが、ほとんどの担当課では、個人情報の保護措置さえ講じれば、審査会の承認を得られると考えているのです。事務の効率化などは、役所の都合です。それを公益上必要があると審査会に認めさせることは無理があります。その結果、答申が不承認となることもあります。
電子計算機の外部結合は、原則禁止されているということを、改めて周知する必要があると感じています。
| Top