−管理人のたわごとブログ− 2013年8月
暴力団排除条例の制定に際して、警察から色々とチェック入りませんでしたか?特に、公の施設における暴力団の排除や個人情報の収集及び提供の辺りで。ほんで、後になって、色々とケチつけてきませんでしたか?
そこまで言うんやったら、法律できっちりと規定せーよな。それか、参考例示して、このとおりせーて、建前だけでも頼めよな。
ということで、市議会9月定例会に市営住宅条例の一部を改正する条例を提案します。
具体的に書くことができませんでしたので、分かる人には分かるでしょうが、分からない人にはさっぱり分からない内容になってしまいました。すみません。
「市(町・村)税条例(例)及び市(町・村)国民健康保険税条例(例)の一部改正について」(平成25年6月12日付け総税市第29号)に次のような改正規定がありました。
「第四十七条の二第一項中「を当該年度の」の下に「初日の属する年の」を加え、同項第一号を削り、同項第二号を同項第一号とし、同項第三号を同項第二号とする。」
この場合は、「第四十七条の二第一項中「を当該年度の」の下に「初日の属する年の」を加え、第一号を削り、第二号を第一号とし、第三号を第二号とする。」とすると美しい改め文になります。「法制執務詳解新版U」(石毛正純著/ぎょうせい)425ページにも「字句の改正を行う「同条中」がかかっているものとして、号の削りと繰り上げを行う」とあります。
ちょっと興味を持ったので、官報情報検索サービスで検索してみると、次のようなものがありました。
「 児童手当法施行令の一部を改正する政令(平成24年政令第113号)
(略)
第十三条の見出しを「(法附則第二条第一項の給付についての予算決算及び会計令等の適用)」に改
め、同条第一項中「附則第六条第一項」を「附則第二条第一項」に改め、同項第一号を削り、同項第二
号を同項第一号とし、同項第三号中「及び第十七条」を削り、同号を同項第二号とし、同項第四号を同
項第三号とする。
(以下略)」
第3号中に字句の改正があるので、「第一項中」がかかっていない扱いにしたのかと思ったのですが、次のようなものもあります。
「 船員法の一部を改正する法律(平成24年法律第87号)
(略)
第七十一条第一項中「次の」を「次に掲げる」に改め、第一号を削り、第二号を第一号とし、同項第三
号中「海員」を「船員」に改め、同号を同項第二号とする。
(以下略)」
また、次のようなものもあります。
「 港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律(平成17年法律第45号)
(略)
(港湾運送事業法の一部改正)
第二条 港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。
(略)
第六条の見出しを「(許可条件)」に改め、同条第一項中「免許」を「許可」に改め、同項第一号を削
り、同項第二号を同項第一号とし、同号の次に次の一号を加える。
(以下略)」
法制局が間違えたのか?それとも、ここまで徹底はされていないということでしょうか。
なお、前掲書の358ページには、「例2は、条・項中の字句の改正がなく各号の全部を改めるだけの場合に「第○条第○項各号を次のように改める」とする(「第○条第○項中各号を次のように改める」とはしない)ことを踏まえて、「同項各号を…」と引用する方式である。これに対して、例3は、条・項中の字句を改正する「同条第12項中」が「各号…」にもかかっているとみて、「同項」を引用することなく単に「各号を次のように改める」とする方式である。このような二通りの方式がとられていることは、条・項中の字句を改正するとともに当該条・項中のただし書・後段の全部を改める場合も、同様である」とありますので、どっちもOKということでしょうか。
これが500回目の反則法制になります。これまで、手抜き記事も数多くありましたが、よくここまで続けることができたものだと思います。500回目を迎えて、こんなしょぼいたわごとにお付き合いいただいたみなさんに感謝しながら、もう少し書いてみようかと思う反面、そろそろ潮時ではないかと思ったりもしています。
例規屋になって18年になりますが、この仕事は、怖いです。法制執務上の体裁を整えることから始まり、それは、そもそも正しいのか?市民の生活にどういう影響を与えるのか?基本的な人権を侵害することにならないのか?などと考え始めると、怖くて仕方がありません。そんな例規屋からすると、最近制定される条例には、いちびっているとしか思えないものがあります。
こういうたわごとをいつまで続けていくのか分かりませんが、今回もお付き合いいただいたみなさんには、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
行政財産を使用する権利に関する処分に不服がある者は、行政不服審査法の規定により不服申立てをすることができます。そして、この場合には、地方自治法第238条の7の規定が行政不服審査法の特例として適用されます。
この特例の一つとして、当該処分についての審査請求に対する裁決に不服がある者は、都道府県知事がした裁決については総務大臣、市町村長がした裁決については都道府県知事に再審査請求をすることができる(同条第6項)ものとされています。
一方、行政財産の目的外使用については、使用料を徴収することができる(地方自治法第225条)とされていますが、この許可処分中に附款された使用料に不服がある場合の不服申立てについては、同法第238条の7第6項の規定が適用されるかどうかが明確ではありませんでした。
今回、平成24年11月12日総行行第168号総務大臣裁決によって、行政財産の目的外使用許可処分に係る使用料に対する不服申立てについては、地方自治法第238条の7第6項の規定の適用が否定されています。「地方自治平成25年2月号第783号」の「行政財産の目的外使用に係る使用料に不服がある場合の再審査請求の可否について(平成二四年一一月一二日総行行第一六八号総務大臣裁決)」でこの裁決が紹介されています。事例が発生している地方公共団体においては、参考になると思います。
前回の記事(2013年7月25日)の続編として、地方公務員と労働関係調整法の適用関係について補足しておきます。
まず、地方公務員には一般職と特別職とがあり(地方公務員法第3条第1項)ます。同法は、「一般職に属するすべての地方公務員(以下「職員」という。)に適用」され(第4条第1項)、「法律に特別の定がある場合を除く外、特別職に属する地方公務員には適用しない」(同条第2項)とされています。そして、第58条第1項の規定により、労働関係調整法及びこれに基づく命令は、職員には適用されないと規定されていますので、逆に、特別職に属する地方公務員には、労働関係調整法が適用されます。
また、第57条の規定により、公立学校の教職員、「単純な労務に雇用される者その他その職務と責任の特殊性に基いてこの法律に対する特例を必要とするものについては、別に法律で定める」とされています。このうち、「その職務と責任の特殊性に基いてこの法律に対する特例を必要とするもの」として、企業職員(地方公営企業等の労働関係に関する法律第3条第4号に規定する職員をいう。以下同じ。)については、労働関係調整法の特別法として、地方公営企業等の労働関係に関する法律が適用されます。また、同法附則第5項の規定により、単純な労務に雇用される者についても、同法が準用されます。
なお、地方公営企業等の労働関係に関する法律第14条の規定による調停については、企業職員の場合、地方公営企業法第40条第2項の規定により、地方自治法第96条第1項第12号の規定の適用が除外されていることから、条例で特別の定めをしていない限り、議会の議決の必要はありません。
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