−管理人のたわごとブログ− 民生委員
行政実例(昭26年3月14日付け地自公発第88号、昭26年4月26日付け地自公発第174号等)によると、民生委員は、地方公務員法第3条第3項第2号に規定する非常勤特別職の都道府県の職員であると解されています。
民生委員は、都道府県知事の推薦によって、厚生労働大臣が委嘱するものとされていること(民生委員法第5条)。民生委員には給与を支給しないものとし、その任期は3年とされていること(同法第10条)。その職務に関して、都道府県知事の指揮監督を受けること(同法第17条)。そして、民生委員に関する費用は、都道府県が負担すること(同法第26条)がその理由です。
しかし、「逐条地方公務員法」(橋本勇著/学陽書房)には、次のようにあります。
「都道府県知事の推薦によって厚生大臣(現厚生労働大臣、以下この説明について同じ)が委嘱し、無報酬である民生委員(民生委員法五1、一〇)が都道府県の地方公務員であるとする行政実例「民生委員及び統計調査員等の身分取扱について」(昭二六・八・二七地自公発第三六〇号、岩手県総務部長あて公務員課長回答)があるが、これは、厚生省(現厚生労働省、以下この説明について同じ)の民生委員は国家公務員ではないという解釈について人事院が異存ないと回答したことを受けて、地方自治庁(現総務省)が従来の解釈を変更したものである。厚生省が民生委員は国家公務員でないとする理由は、@厚生大臣の委嘱は公法上の任命行為ではなく私法上の無名契約の一種とみなすべきものであること、A民生委員の職は名誉職であり、無報酬で共同社会に挺身奉仕すべきものであり、民生委員に関する費用は少額の実費弁償であっていわゆる人件費ではなく、国または都道府県の負担において一定の報酬の支給を受けつつ、その事務を執行するという意味ではないこと、B民生委員の本来の趣旨は、民生委員が率先民間篤志家として共同社会の世話役を引き受け、自発的かつ自主的に個々の任意保護に当たるものであり、国の機関として国と特別権力関係にたって上司の命令指揮の下に執務するものではないことである(昭二三・一二・二九社発第二〇六五号、人事院事務局法制部長あて厚生省社会局長)。人事院は、これに対して、結論に異存がないとするのみで、その理由は明らかにしていない。厚生省のこの理由が正しいとするならば、民生委員は公務員ではないということであり、国家公務員ではないからといって地方公務員であるということにはならないと思われるが、実務上は、この行政実例に従って取り扱われている。」
また、次のようにもあります。
「附属機関は、執行機関が直接に住民に対して行政を執行するのに対し、その行政の執行の前提となる調停、審査、調査などを行うものであり、民生委員や児童委員は直接に行政の執行の一部を行うものであるから附属機関ではない。」地方公務員法第3条第3項第2号の「「委員」は、本号の構成が組織上の特殊性による分類であると考えられることからみて、執行機関または附属機関の委員のみを指すものというべきであるので、執行機関または附属機関の委員に該当しない者は、たとえ法令などにより設けられた委員または委員会の構成員であっても、本号には該当せず、第三号に該当するものといえよう(行実昭二六・三・一四地自公発第八八号および昭二六・四・二六地自公発第一七四号は民生委員を本条第三項第二号に該当するとしているが賛成できない。)。」
前(2009年5月22日付け記事)にも書きましたが、この本、オモロイです。
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