「違和感」と「異和感」

 前の記事(2013年3月13日)を読んだ同僚のT君から「「違和感」違(ちゃ)うんか?「異和感」と違(ちゃ)うやろ?」という質問がありました。原文のまま引用したのですが、自分も気にはなっていました。
 「言葉に関する問答集・総集編」(文化庁/国立印刷局)によると、「いわ感」とは「「いわ」の感じ」ということであって、「いわ」とは、元々は、「体のどこかが、何となく普通ではないこと、ふだんとは違っていること。」という意味であったのが、「近ごろでは、主に「いわかん」という形で、これを身体のことだけでなく、広く一般に、その場の雰囲気に浸り難いこと、他との調和がとれないこと、何となくしっくりしないこと、場違いであることというような意味に使うことが多くなってきているようである」とあります。
 さらに、「「いわ感」と言う場合の「いわ」という語は、すべての辞典で、漢字表記を「違和」としており、「異和」としたものは一つもない。また、歴史的仮名遣いでは「ゐわ」である。(「異和」であれば、歴史的仮名遣いでも「いわ」であるはずである。)
 しかし、この「いわ」から派生した「いわ感」が、新しい意味を伴って日常語化し、多く用いられるようになるにつれて、誤って「異和感」と書き表す場合が目につくようになった。そこで辞典Jは、わざわざ「異和(イワ)はあやまり」として注意を促している。
 以上のように「いわ感」は、「違和感」が正しく、「異和感」は誤りであるが、前述のように、数年前から「異和感」がかなり目につくようになってきた」とありますから、T君のお見込みのとおりです。ちなみに、自分のPCでは、「いわかん」は「違和感」としか変換されません。
 なお、ほかに「違」と「異」を混同しやすい例として、同書では、「相違」と「相異」、「差違」と「差異」が取り上げられています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:38 | 文書事務

コメント

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ


< 2013年3月 >
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
Links