−管理人のたわごとブログ− 2013年2月
平成22年の国勢調査における不適正な事務について、統計法違反容疑で愛知県東浦町の元副町長が逮捕されるという事件がありました。報道によると、市制施行を目指し、補記制度を悪用して人口を水増ししていたようです。
地方自治法における人口は、「官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口による」(第254条)ものとされています。一方、同法第13条の2では、「市町村は、別に法律の定めるところにより、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を常に整備しておかなければならない」と規定しているのですが、住民基本台帳の人口は、法定人口とされていません。
これは、住民基本台帳法の一部を改正する法律(平成21年法律第77号)等が施行(平成24年7月9日)されるまでは、住基人口に外国人は含まれていなかったということと住民基本台帳の登録人口と実際に居住している人口とは乖離する傾向があるのに比べて、一定の時点で全数調査を行う国勢調査の方が正確な人口を把握することができると考えられていることがその理由であったように思われます。
事件の詳細については分かりませんが、国勢調査の調査環境が厳しくなっていく中で、その信頼を失うような行為を犯した者には、逮捕も当然のことではないでしょうか。
なお、「「官報で公示された最近の国勢調査の結果による人口」とは、確定人口が官報に公示されるまでの間は、要計表によって算出された人口を指すものと解」(昭和55年9月3日行政実例)されており、東浦町の人口の速報値は50,080人、確定値は49,800人となっています。
T君「弁護士、採用してる自治体あるやんけ。あれ、どう思う」
自分「どう思うて聞かれてものう……。ウチでもするんか?」
T君「いや、そういう訳ではないんやけどな。東京都は別格としても、町田市とか流山市とかでやってる
やんけ。どうなんかなて思うてな」
自分「大阪やったら松原市でやってるわな。やってるとこからは肯定的な意見の方が多いみたいやけ
ど、事例が増えてきたら問題点も見えてくるん違うか」
T君「そら、メリットもあったらデメリットもあるやろうのう。今、寝屋川で募集かけてるやろ。堺は、応募者
が辞退したらしーしな」
自分「役所の求めてるもんと応募者っちゅーか弁護士の求めてるもんにギャップがあるんと違うんか
な。それを特定任期付職員っちゅーことでバランスとってるように思うな。それよりもな……」
T君「何や?」
自分「一番えーのは、職員が弁護士になるこっちゃ」
T君「なれるかえ。もし、なったら辞めてまうわ」
自分「それが一番の問題やろう」
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条は、「地方公共団体の長は、歳入歳出予算のうち教育に関する事務に係る部分その他特に教育に関する事務について定める議会の議決を経るべき事件の議案を作成する場合においては、教育委員会の意見をきかなければならない」と規定しています。
この「特に教育に関する事務について定める議会の議決を経るべき事件の議案」とは、「教育委員会の所掌事務について定める条例案や、教育機関の設置のための事件決議、教育事務に関する契約で議会の議決を要するもの、教育事業のための地方債に関するもの等についての議案等特に教育事務に関するもののことであるが、必ずしも教育事務のみに関する議案だけではなく、特定の議案の一部分であっても、特に教育事務に関するものは含まれる。ただし、間接的に教育事務に影響を及ぼすものであっても、一般的な財産管理条例案等教育のみならず他の各部門に関する事務にも共通する一般的なものは含まない趣旨である」(「逐条解説地方教育行政の組織及び運営に関する法律」木田宏著/第一法規)と解されています。
また、「「意見をきかなければならない」とあるが、このような規定がなくても地方公共団体の長は予算や条例案を作る場合にそれぞれの事務を所掌する各執行機関の意見を聞き、それぞれの意見を尊重すべきは当然であるが、特に本条のように規定されている以上意見を聞かないで関係議案を作成することは許されないものと解」(前掲書)されます。
一方、昭和42年7月28日付けの行政実例では、「意見を聞くことは法律上義務づけられているわけであるが、その意見に従うかどうかは、特に法令の規定がない限り、これには拘束されないと解すべきであり、同法第二九条の規定も同様である。したがって、長と教育委員会の間に意見の調整ができない場合、長が教育委員会の意見どおりに予算を調製しなくても、法律上は別段問題はない。
長が教育委員会の意見を聞く場合の方法、手続については、法律上特別の定めはないので、地方公共団体において任意の方法、手続によることができると解される。一般的には、予算査定時における事情聴取等をもってこれに代えているのが通例である。この場合、教育委員会に代わって教育長が説明したとしても、これは教育委員会の権限を教育長が補助執行したものと解するので、このことをもって、長が教育委員会の意見を聞かなかったと解することはできない」(「注釈地方自治関係実例集」地方自治制度研究会編/ぎょうせい)とされています。
なお、教育委員会の委員の任命については、議会の同意を得る必要がありますが、この場合、長は、教育委員会の意見を聞く必要はないものと解されています(昭和33年11月27日行政実例)。
いわゆる地域主権一括法に係る基準条例は、コピー型、リンク型及び規則委任型に分類されます。本市では、リンク型を選択することにしました。また、介護、水道、下水、公園及び住宅については、既存の条例の一部改正で対応しました。それが本市の実情に最も適していると判断した結果です。
なお、先行されている市町村の条例の中に、「○○令(平成××年政令第××号。同令を改正する政令を含む。)」等と規定されているところがありましたが、これは、経過措置までリンクすることを意図したものでしょうか。
また、地域主権一括法の経過措置として「1年を超えない期間内において、……○○法第×条第×項の規定に基づく条例が制定施行されるまでの間は、同項の政令で定める基準は、当該条例で定める基準とみなす」と規定されていることを考えると、基準条例は、「公布の日から施行する」こととした方が適当ではないかと思われます。
この地域主権一括法、どこが「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図」っているのやら?前の地方分権一括法のときは、もっと高揚して仕事していたように思います。
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