私債権回収研修

 先日、庁内研修の講師をしました。テーマは、政策法務や地方自治法ではなく、「私債権の法的な回収手続について」です。法規担当者がこんな研修の講師をした理由はともかくとして、「流行」を感じるテーマではないでしょうか。
 この研修をするに当たり、参考図書を何冊か読ませていただきましたが、一番のオススメは、「自治体私債権回収のための裁判手続マニュアル」(瀧康暢著/ぎょうせい)です。
 この本、単なるマニュアル本というだけではなく、「裁判所書記官との接し方」として「裁判所書記官は、裁判事務手続についてとても丁寧に教えてくれます。自分で手の届く範囲で調べ尽くして、どうしても不明な点は、電話して書記官に教示を求めましょう」や「督促異議申立への対処方法」として「裁判所から、督促異議申立があったと連絡を受けたら(裁判所文書2−2T)、煩わしく思わず、数日以内に債務者と連絡を取り、その理由を聞いてみましょう」等々の記述があり、読み物としても非常に面白いです。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 23:24 | その他 | コメント (0) | -

職務上の命令

F君「勤務時間中、××に○○せーて言われたんですけど、そんなんやって、いけるんすか」
自分「うーん……多分、アカンやろな」
F君「××に○○は、職務命令やて言われましたよ」
自分「わははは〜。ちょっと説明しとくと、職務命令には職務上の命令と身分上の命令があってな、有効
 に成立するためには、@権限ある上司から発せられた職務命令であること、A職務上の命令は職務
 に関するものであること、B実行可能な職務命令であることが必要やねん」
F君「××に○○て、職務上の命令ですよねえ。ほな、自分の職務に関するものと違うよって無効と違い
 ますん」
自分「職務命令に重大かつ明白な瑕疵があったら、当然無効やねん。そんときは、従ったらアカンねん
 けどな。最初、多分アカンやろうて言うたけど、××に○○みたいに疑義があるっちゅー程度やった
 ら、有効て推定される可能性の方が大っきいやろうな」
F君「ほな、どないしたらえーんすか」
自分「上司に意見具申するか」
F君「意見具申したら変わるんすか」
自分「いや、それでも取り消されへんかったら忠実に従わなアカン」
F君「従えへんかったら」
自分「懲戒の対象や」
F君「ひえ〜」

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:06 | 地方公務員法 | コメント (0) | -

附属機関設置条例の提案権

 「地方自治法質疑応答集」(地方自治制度研究会編著/第一法規)に「附属機関設置条例の提案権」という質疑応答があります。
「地方自治法第一三八条の四第三項の規定により長の附属機関を設置する場合において、当該設置条例の提案権は、長及び議員の双方にあるものと解して差し支えないか」という質疑に対し、次のような回答になっています。
「(略)……附属機関は、地方公共団体の執行機関の要請により、その行政執行のための必要な資料の提供等いわばその行政執行の前提として必要な調停、審査、審議、調査等を行なうことを職務する機関である(法二〇二の三@)。つまり、執行機関のための補助的な機関ではあるが、いわゆる長の権限の分掌組織ではなく、一般の局、部、課、出先機関等とは異なった独立性を有するものであること及び特に長に専属させる明文の根拠がなく、また条理上もそのようにいい切れないことから、条例提案権の原則からいって、本設問の提案権は、長及び議員の双方に属するものと解すべきであろう。」
 この回答には、疑問があります。
 地方自治法第158条第1項は、「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができる。この場合において、当該普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の設置及びその分掌する事務については、条例で定めるものとする」と規定しています。「普通地方公共団体の長は」と規定しているのは、長が法律上有している権限を分掌する事務処理組織に関する問題であることから、当該条例の提案権が長に専属することを示すものであると解されています。
 一方、第138条の4第3項本文は、「普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる」と規定しており、長にその提案権を専属させる明文の根拠を欠いています。しかし、これは、「元来、附属機関なるものは、執行機関の行政執行に資するために設置されるものであるから、かつては(本条は、昭和二七年に新設されたものである。)、その設置は当該執行機関のもつ執行権限のうちに当然含まれているものと解されて、法令に特別の定めのない限りは、各執行機関が規則その他の規程で任意に附属機関を設置することができるものとされていたのであるが、附属機関といえども、普通地方公共団体の行政組織の一環をなすものであるから、普通地方公共団体において任意に設置しようとするときには、すべて条例で定めなければならないこととされ、各執行機関限りで任意に設置しうるという従来の建前は改められたのである」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)ことに伴うものであると考えられます。
 附属機関が執行機関の附属機関であって、執行機関の行政執行のために条例の定めるところにより、その担任する事項について調停、審査、審議又は調停等を行う機関であるならば、附属機関設置条例の提案権は、長に専属するものであると解すべきではないかと考えます。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 00:14 | 地方自治法 | コメント (0) | -

法規審査も色々

 「内閣法制局における審査」(自治体法制執務雑感)
 コメントも含め、法規担当者にとっては、実に興味深い内容でした。こういう審査もあれば、とんでもない審査もあるのが市町村の法制です。現に本市では、一切の審査ができない条例案が法規審査に回ってくることがあります。これを審査というのかどうかはともかく、その意味は、………………………………御理解ください。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 21:08 | 法制執務 | コメント (0) | -

コメント欄の制限

 反則法制では、1年ぐらい前から、宣伝かいたずらかよく分からないようなコメントが機械的に大量に書き込まれるようになっています。その都度、不適切なコメントを削除するのですが、最近、その駆除に多大な時間と労力を要するようになってきたことから、コメント欄の書込みを制限することにしました。
 これまでのようにコメントをいただくことができなくなることは非常に残念ですが、現状では、やむを得ないと考えるに至りました。
 コメント欄に投稿すると、「アクセスを許可されていません」とメッセージが表示されますので、御意見等があるときは、直メしていただきますようお願いします。
 しかし、こんなしょぼいブログにいたずらしてもしゃーないと思うんですがね……

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:12 | その他 | コメント (0) | -
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