−管理人のたわごとブログ− 2013年1月
「その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結する」(地方自治法第96条第1項第5号)場合には、議会の議決が必要です。
この規定は、「市が行なうべき工事を県に委託する場合に、当該委託契約の金額が当該市の「議会の議決に付すべき契約に関する条例」に定める金額をこえるときは、当該委託契約は工事の請負に該当するから議会の議決を要する」(昭和41年10月1日行政実例)ものと解されていることから、契約の相手方によって、その適用が除外されるものではありません。これは、同項第8号の「その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること」についても、同様です。
土地開発公社が先行取得した土地を市が買収する場合は、買収のときに議会の議決を得る必要があります。ところが、市町村によっては、まれに議決を得ていない場合が見受けられます。そうした市町村では、慣例として、先行取得に関する委託契約や買戻しの際の仮契約を土地開発公社と締結せずに事務処理を行っている場合が多いようですが、議決を経ないで行った行為は、無効(昭和41年10月1日行政実例)と解されていますので、注意が必要です。
「法令における漢字使用等について」(平成22年11月30日付け内閣法制局長決定)
1−⑸ 常用漢字表にない漢字で表記する言葉及び常用漢字表にない漢字を構成要素として表記する
言葉並びに常用漢字表にない音訓を用いる言葉の使用については、次によるものとする。
ア 専門用語等であって、他に言い換える言葉がなく、しかも仮名で表記すると理解することが困
難であると認められるようなものについては、その漢字をそのまま用いてこれに送り仮名を付け
る。
【例】
暗渠(きょ) 按(あん)分 蛾(が) 瑕疵(かし) 管渠(きょ)……
昔、オアシスで例規原本を作成していたときは、行間を縮小した行を挿入して、添字機能を使って送り仮名を付けていました。ワードで例規原本を作成している今は、「専門用語等であって、他に言い換える言葉がなく、しかも仮名で表記すると理解することが困難であると認められるようなものについては、その漢字をそのまま用いる」こととしています。
ワードで例規原本を作成されている地方公共団体においては、漢字の送り仮名のみならず、模様どりによる改正やその場合の改行等々、苦労されていることと思います。
「法令番号とは、法令の種類及びその制定者別に、かつ、暦年ごとに、法令に付けられる番号をいう。したがって、毎年、法律の第一号があり、政令の第一号があることになる。内閣府令及び省令については、命令の制定者ごとに付けられるから、内閣府令第一号、法務省令第一号、農林水産省・経済産業省令第一号というようになる。そして、法令番号としては、当該法令が公布された暦年の元号を冠して、例えば「平成十九年法律第一号」等と表すが、これは、法律の番号であるから、法律番号ということになる。
法令番号は、公布の際に付されるものであるが、法令そのものの一部を成すものではない」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)
このことは、地方公共団体の条例並びに規則並びにその機関の定める規則及びその他の規程で公表を要するものについても同様です。
法令番号や条例番号は、当該法令や条例を特定するための手段として付けられるものです。そうであるならば、地方自治法第252条の2の協議会、第252条の7に規定する機関等の共同設置及び第252条の14に規定する事務の委託における規約並びに第286条の一部事務組合の規約についても同様に考えられないでしょうか。
法令番号や条例番号が公布の際に付けられるものであるならば、協議会、機関等の共同設置及び事務委託の規約についても、告示の際に規約番号を付すべきではないかと考えられますが、関係する市町村ごとに告示日や番号が異なることが予想されます。また、一部事務組合の規約については、都道府県知事の許可番号を付している市町村もありますが、第286条第2項の規定により、知事宛て届出の場合もあります。
また、市町村ごとにローカルルールがあって調整の難しいところでもあります。
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