町内会推薦の候補者

 市議会議員選挙などの候補者が、町内会や自治会の推薦を受けているというようなことはありませんか?
 自治会(従前の町内会)が選挙告示前に自治会の公認として単に誰を推すかを協議する程度に止まる限りは、公選法第129条違反とはならないという行政実例(昭和29年10月25日付け自丙管発第140号)があります。これは、いわゆる事前運動に関するものですが、このような行政実例が出されているということは、選挙の告示後であれば、自治会推薦は、特に問題はないと考えてもよさそうです。
 一方、鳥取県HPの「県民の声」に対する回答には、次のようなものがあります。
「特定候補者の町内会推薦についてですが、この推薦自体は公職選挙法上、特に規制できるものではありません。しかしながら、本来、町内会は典型的な地縁に基づく組織で、生活の利便や地域の安全確保などを目的として結成されるものであり、その構成者である住民の政治理念や思想が一致することは現実にはほとんどないと考えられます。このような背景から、選挙人の自由な意思によって行われるべき選挙において町内会で推薦を行うことは好ましくないものと考えています。」
 また、あるサイトでは、某県の選挙管理委員会の見解として、次のようなものも紹介されていました。
「自治会推薦について、自治会の全ての世帯の参加がある総会において、一人の反対もなく、全会一致で決定された場合であるならば、自治会推薦という言葉が使えるが、一人でも反対があった場合は使えない。したがって、現実問題として全会一致ということはあり得ないことから、自治会推薦という言葉は使えない。」
 うーん……これが某県選管の正式見解なのかどうかの確認はできていませんが、地域によって、温度差のある問題であることに間違いはないでしょう。とにかく、公職選挙法は、よく分かりません。
 なお、地方自治法第260条の2第9項は、「認可地縁団体は、特定の政党のために利用してはならない」と規定しています。「この規定は、認可を受けた地縁による団体が、特定の政党の党利党略に利用されて、その本来の目的の達成を阻害されることのないよう設けられた規定である。したがって、構成員各個人に対してその政党支持を制限するものではもとよりなく、また、団体として政治家個人の政治活動を地縁による団体の目的の範囲内において支援することを禁止する趣旨のものでもない」(「地方自治」平成3年6月号「自治会、町内会等の地縁による団体の権利義務について」)と解されています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:10 | その他

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投稿者   : 2013年9月22日 12:36

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