−管理人のたわごとブログ− 兼職禁止規定に違反する任命行為
地方公共団体の議員や委員会の委員等については、特定の職を兼ねることが禁止されています。この兼業禁止規定に違反する任命行為が行われた場合の取扱いについては、前職を失うとする説(「逐条地方自治法第12次改定新版」273頁・長野士郎著/学陽書房)と、後の任命行為が無効であるとする説(昭和31年2月4日付け自丁公発第21号)とがあります。
この問題は、次のように解するのが適当ではないでしょうか。
「前説は、任用された者の直近の意思を尊重しようとするものであり、後者は、法律違反の任命には重大かつ明白な瑕疵があるとするものである。いずれの説にも一長一短があり、立候補制限に反して立候補した公職の候補者の場合のように立法的に解決することが望ましいが(公選法九〇)、解釈としては、兼職禁止に違反して行われた任命に重大な瑕疵があることは間違いないとしても、それが明白であるか否かは必ずしも明らかではない(明白であれば、そのような発令をすることはあり得ない)ことから、後者の発令を取消し得べき行政行為と観念するのが妥当であろう。そして、このように解するときは、本人に対していずれかの職を辞することを促し、速やかに違法状態が解消された場合は当該発令を取り消す必要はないこととなるが、そうすることができないときは、当該発令を取り消すことによって、違法状態を解消することになる。」(「逐条地方公務員法」橋本勇著/学陽書房)
なお、後の任命行為を有効とする場合には、その時点で前職の退職発令があったものとみなすことが適当であると解されます。
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投稿者 : 2013年11月5日 10:59