急施事件の認定

 普通地方公共団体の議会には定例会と臨時会があり(地方自治法第102条第1項)、定例会は、毎年、条例で定める回数、招集しなければならない(同条第2項)のに対し、臨時会は、必要がある場合に、その事件に限って招集するものとされています(同条第3項)。そのため、臨時会の付議事件は、長があらかじめ告示しなければならない(同条第4項)とされており、告示された事件以外の事件については、緊急を要するもの以外は、審議することができません。
 この「急施事件であるかないかの認定は当該議案の発案者が長である場合は長、議員である場合は議員がするものであるが、議会も当該議案の審議に当ってその認定をすることができるものと解」(昭和28年4月13日行政実例)されています。ただし、この認定には客観性が必要とされており、「もし、この認定に客観性がなければ、当該事案の提案及びこれに基づく議決は違法のものたるを免れない」(「注釈地方自治関係実例集」地方自治制度研究会編/ぎょうせい)と解されます。
 ちなみに、長が急施事件として提出した事件を議会が認めない場合は、どうするのでしょうか。「議員・職員のための議会運営の実際1」(地方議会研究会編著/自治日報社)には、次のようにあります。
「急施事件の認定は提出者の長にありますから、議長が急施事件でないと判断したり、また、議会運営委員会の決定に基づき議事日程に掲載しなかったりすることはできません。当該事件に客観性があるならば、長と議会はともに急施事件と認定するはずですが、議会で審議の結果、議会が緊急性がないと認定するときは、当該事件を審議未了または継続審査とすることになります。これに対し長は必要があれば専決処分をすることができます。」

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:12 | 地方自治法

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