都道府県

 「都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、第2項の事務で、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理する」(地方自治法第2条第5項)と規定されています。
 都道府県は、1都1道2府43県からなっていますが、都を除き、基本的に、その権限等に違いはありません。この都道府県という名称の違いは、歴史的な理由によります。
 大政奉還後、明治政府が幕府直轄地のうち、奉行の支配地を「府」、代官の支配地を「県」と称したのが府県の始まりとされています。この時点で「藩」は、大名が支配しており、その後の版籍奉還によってできた地方制度を府藩県三治制といいます。
 当時、「府」となったのは10都市(函館府、越後府、甲斐府、江戸府、神奈川府、度会府、京都府、大阪府、奈良府、長崎府)ですが、1869年の太政官布告によって「府」は「京都、東京、大阪」に限られることになります、
 そして1871年の廃藩置県によって藩が廃止され、1使(開拓使)3府302県の地方自治体が成立することになります。
 その後、県の整理合併等が行われ、1943年の東京都制の施行によって東京府と東京市が合併して東京都となり、開拓使が北海道庁等の変遷を経て、戦後、北海道となり、地方自治法が施行され、1972年の沖縄の復帰により、現在の都道府県になっています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 15:53 | 地方自治法 | コメント (0) | -

職員基本条例

 大阪府の職員基本条例を読ませていただきました。
 大阪維新の会から提案されたあの「職員基本条例(案)」を、よくぞここまで修正できたものだというのが正直な感想です。
 内容的には、何のことか不明であった「人事監察委員会」が附属機関として規定され、「準特別職員」が削除されたことで随分と整理されたものになっていますが、そもそもの立法事実の有無や地方公務員法の精神(地方公務員法第5条第1項)に始まり、人事評価に伴う不利益に対する措置要求(不服申立て)、降任又は免職の基準の条例化、懲戒処分の基準の条例化等々、職員基本条例には、まだまだ問題があるとは思います。
 しかし、議員提案の条例案を審査した経験のある者として言わせてもらうと、時間のない中で、あの稚拙な作文を条例に仕上げたことは称賛に値します。そう考えて読むと、職員基本条例は、感動的でさえありました。
 失礼ながら、大阪府のある職員から「府の行政能力が低下してきてるねん」という話を聞いたことがあるのですが、大阪府の底力は、やはりすごいと再確認しました。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:02 | 政策法務 | コメント (0) | -

表中の字句の削除

 同じ性質の名詞を列記することによって表が構成されている場合には、「その列記する名詞を読点でつなぐのではなく、1字空けて続けて書くこと」とされており、この場合における「字句の追加は、「「○○」の次に「△△」を加えるという方式はとられず、「「○○」を「○○ △△」に改める」という方式」がとられます。「1字分の空所の存在は、改正方法としては、図としてとらえる」(「法制執務詳解」石毛正純著/ぎょうせい)ということです。
 これは、表中の字句を削除する場合も同様に考えられますが、削除する字句が最後に規定されている場合はどうでしょうか?この場合は、あえて「「○○ △△」を「○○」に改める」とする必要はなく、単に「「△△」を削る」とすれば足りるように思われます。実例としては、次のようなものがあります。
   下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第
   4号)
  (略)
 別表第五表……大田原簡易裁判所の管轄区域の欄中「黒磯市」を「那須塩原市」に改め、「西
那須町 塩原町」を削り、……
  (以下略)
 なお、表中の最初の字句を削除する場合に、「「△△」を削る」としているもの(例@)もありますが、この場合は、「「△△ ○○」を「○○」に改める」(例A)とする方が適当ではないかと思われます。空所は、後の字句がある場合には、その存在意義があると思うのです。
例@
   国土交通省組織令の一部を改正する政令(平成14年政令第200号)
  (略)
 第二百十二条第一項の表中部運輸局の項中「富山県 石川県」を削り、……
  (以下略)
例A
   地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市の指定に関する政令の一部を改正する
   政令(平成17年政令第204号)
   附 則
  (略)
(地方自治法第二百五十二条の二十六の三第一項の特例市の指定に関する政令の一部改正)
第三条 地方自治法第二百五十二条の二十六の三第一項の特例市の指定に関する政令(平成十二
 年政令第四百十七号)の一部を次のように改正する
  「函館市 盛岡市」を「盛岡市」に、「草加市 下関市」を「草加市」に改める。
  (以下略)

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:23 | 法制執務 | コメント (0) | -

難儀しとります

 PCが変わりました。ほんで、PCのOSがXPから7に変わりました。当然、ワードやアウトルックもバージョンアップしております……が、逆に使いにくうてしゃーないです。しかも、ソフトによっては7に対応してないっちゅーことで使われへんようになりました。そら、なんぼ何でもアカンでーと、今は仮想マシンでXPを起動しとります。
 年度が替わって2週間になりますけど、まだ慣れまへん。しゃーないんで使ってますが、どないしてもPCっちゅーのは、好きになれまへん。
 デジタル的な思考っちゅーのは、行政、特に市町村には合えへんように思います。何やユーザーを無視してメーカーが勝手に金儲けに走ってるみたいで……

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 06:59 | その他 | コメント (0) | -

普通財産の譲与

 原則として、「普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない」(第237条第2項)とされています。
 このため、地方公共団体では、「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」(昭和38年10月30日自治丁行発第68号)を制定し、この条例の規定による場合には、議会の議決を得ることなく、財産の交換、譲与、無償貸付等を行っています。
 当時、準則とされたこの条例どおりの規定をしているならば、普通財産を譲与又は減額譲渡できる場合の第3条第1号と、普通財産を無償貸付け又は減額貸付けできる場合の第4条第1号とでは、次のように微妙に異なっています。
「他の地方公共団体その他公共団体において公用若しくは公共用又は公益事業の用に供するため普通財産を他の地方公共団体その他公共団体に譲渡するとき。」(第3条第1号)
「他の地方公共団体その他公共団体又は公共的団体において公用若しくは公共用又は公益事業の用に供するとき。」(第4条第1号)
 第3条第1号では、その相手方として公共的団体が規定されていません。よって、貸付けの場合とは異なり、公共的団体に財産を適正な対価なくして譲渡する場合には、議会の議決を得なければなりません。
 この「「適正な対価」とは、通常は当該財産が有する市場価格(時価)をいう」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)とされています。しかし、現実に建物を譲渡する場合には、老朽化により時価0円と考えられるケースが少なくありません。公共的団体に対し、時価0円の建物を譲与し、土地を無償貸付けした場合には、全く議会のチェックが及ばないことになりますので、本市では、使用できる建物であるならば、「適正な対価」があるものとして議決を得るようにしています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:59 | 地方自治法 | コメント (0) | -

人事異動H24

 任命とは、地方公共団体の業務が割り当てられた職に人を充てることとされています。そして、任命には、採用、昇任、降任又は転任の4種類があり(地方公務員法第17条第1項)、一般的に言われている人事異動は、昇任及び分限処分による降任を除き、転任に該当します。
 転任は、地方公務員法第32条に規定する職務命令ですので、職員は、人事異動を拒否することができません。
 今年度も異動がありませんでしたが、机の上及び中を少し片付けました。新たな気持ちで仕事をしたいと思います。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 19:32 | 地方公務員法 | コメント (0) | -
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