−管理人のたわごとブログ− 市町村の事務(後編)
事務の例示規定を削除したのは、「第1条の2を新設し、地方公共団体の役割を明示したこと、また、事務例示規定を存置することにより地方公共団体が処理する事務の範囲が限定的に解されないようにすること」(「Q&A改正地方自治法のポイント」地方自治制度研究会編/ぎょうせい)がその理由です。
同書の解説には、「地方公共団体の事務の例示規定(旧第2条第3項)は、第2項に普通地方公共団体の事務が規定されているが、規定の形式が抽象的であり、解釈上種々の疑問を生ずるのみならず、一般の理解を得ることが困難な実情にあったことから、普通地方公共団体の事務の内容を具体的に例示するものとして、昭和23年の法改正において設けられたものである。
この例示規定の内容については、従来より、
@ 例示された事務がすべて現実に地方公共団体が処理することとなるものではなく、ただし書の規定
により普通地方公共団体としては処理できないものが少なからず含まれていること
A 地方公共団体の事務の例示ではあるが、機関委任事務として処理されている事務が含まれている
こと
などの問題点も指摘されていた。」
「今回の改正においては、新たに第1条の2を設け、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に処理する役割を広く担うことを規定した。
また、地方公共団体が広範な事務処理権能を有することは、今日においては広く国民に理解されているところであり、事務の例示規定はかえって事務の範囲を限定するような誤解を与えかねないことから、この際、削除することとした。
なお、地方分権推進委員会の第1次勧告では「地方公共団体の事務の例示の規定については、廃止することを含め抜本的に見直すものとする。」とされたのを受けて、地方分権推進計画では「なお、これに関連して、地方自治法における事務の例示の規定(地方自治法第2条第3項)については、これを廃止する。」とされているところである。」とあります。
以前、ある事業担当課のS君から「自治法に役所のせんならん仕事て書いてましたやんか。あれ、どこいったんですか」と聞かれたことがありました。そこで、同書を示して説明したところ、S君は、「そうやったんすか……けど、置いといてほしかったっすねえ」と言ったのです。その理由は、現場の第一線で仕事をしていると、市民の要求が際現なく拡大し、本来、市がすべき仕事なのかどうか疑問を感じるようなものが増えてきている。そういうときのため、法律上、一定の基準が欲しいというものでした。
事務の例示規定によって市町村の事務が確定するわけではありませんが、経常的経費を無理やりにでも一律削減して、花火を上げたりイベントをしたりしようとしているのを見ていると、この規定は、あった方が良かったのではないかと思うのです。
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