続・条例?

 理念型条例の勢いが止まりそうにありません。これも条例制定権の拡大なのでしょうか?
 違います。そもそも、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律第1条の地方自治法の一部改正によって地方公共団体の条例制定権が拡大されたとされているのは、地方自治法第2条第2項が改正され、普通地方公共団体の事務が「地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する」と規定されたことにより、自治事務であると法定受託事務であるとを問わず、法令に違反しない限りにおいて、法律の明示の委任を要せずに、条例を制定することができる(同法第14条第1項)とされたことによります。
 条例制定権の拡大とは、何ら法的効果を有しない精神的な文章を羅列した作文を条例とすることではありません。予算というものが、ある政策目的を達成するために工事請負費や需用費等といった予算をつけるように、条例もそのようにあるべきではないでしょうか。
 法令等や法制執務上のルールを無視して書きたい放題に書いたら、書いた者にとっては、さぞかし気持ちの良いものができるのでしょう。しかし、条文を作るという作業は、気持ちの良いものではありません。本来、条文を作るという作業は、怖いものなのです。
 以前(2010年6月17日)、本市の文書法規担当主幹として最も重要な資質は、けんかに強いことであると書いたことがありました。矛盾するようですが、二番目に重要な資質を挙げるとすると、それは、臆病であるということです。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 11:16 | 法制執務

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