○○基本条例

 「○○基本法」という題名の法律をネットの法令検索で探してみると40件ありました。制定年月日を見ると、「流行りの法律」と言えそうです。
 「「基本法」とか「基本条例」という名称を持つ法令があるが、これは他の法律や条例より上位に位置づけられているわけではなく、法的な形式的効力は他の法律や条例と同等である。しかし、規定されている内容の基本性・一般性を根拠にして、実際上優越的に取り扱われる傾向にある。その性格上、内容的には他の法律や条例に対して一般法となるが、必ずしも劣後するわけではない。これは一般法・特別法の関係による調整にはなじまず、解釈による調整ということになる。」(「法制執務の基礎知識」大島稔彦監修/第一法規)
 と理解していたのですが、「ワークブック法制執務」(法制執務研究会編/ぎょうせい)には、次のように記されています。
「また、これらの法律は、その規律の対象としている分野については、基本法として他の法律に優越する性格をもち、他の法律がこれに誘導されるという関係に立っている。」
 ちょっとニュアンスが違いますね。
 「もっとも、基本法の制定は、権利義務にかかわる規定がないだけに、関係方面との利害調整をする必要もなく、単なる高尚な作文に終わるおそれも強い。これを意味あるものにするのは、基本法は努力の方向を示す第一歩にすぎないという認識のもとに、その理想を実現するための具体的法律事項を盛り込んだ法令を現実に作り上げ、その着実な運用に努めていくことである。」(「実務立法技術」山本庸幸著/商事法務)
 ということを考えると、本市には、基本条例は必要ありません。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:19 | 政策法務

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