−管理人のたわごとブログ− 2012年10月
Y君「アホなこと聞きますけど、「○○部長」って、正確には何ていうんですか?」
自分「うん?何が聞きたいんや?」
Y君「庁内の文書見てたら、「○○部長」と「○○部部長」て両方使うてますやんか。どっちが正しいんか
な〜て思うて」
自分「結論言うたら、「○○部長」やな」
自分「仕事の集まりを職ていうんやけどな、例えば、それが総務部長とか総務課長やねんな。任命行為
ていうのは、職に任命すること。つまり、総務部長という職に任命することやねん」
Y君「いっこも分かりませんが……」
自分「簡単に言うたら、どんな辞令がきられてるかや。「総務部長を命ずる」やろ」
Y君「あ〜、そない言われたら分かります」
自分「もっこ言うとくと、附属機関なんかやと、審査会の委員に委嘱した上で会長を互選してるっちゅー
ケースが多いやろ。そんな場合は「○○審査会会長」となるんやな。」
Y君「あ〜、なるほど」
自分「ま、職名と違うて、「総務部」っちゅー組織の「部長」という意味で「総務部部長」っていうてんねん
やったら、間違いっちゅーことでもないんやけどな」
「普通地方公共団体の長、教育委員会の委員長、選挙管理委員会の委員長、人事委員会の委員長又は公平委員会の委員長、公安委員会の委員長、労働委員会の委員、農業委員会の会長及び監査委員その他法律に基づく委員会の代表者又は委員並びにその委任又は嘱託を受けた者は、議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、議場に出席しなければならない。」(地方自治法第121条)
この規定は、「議会の審議権の自主性を確保する意図のものであり、執行機関側は、議長からの出席要求がある場合には、議場に出席しなければならないこととする反面、当然には議場に出席するものではないことを明らかにするもの」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)であると解されています。
一方、委員会については、地方自治法に明文の規定はなく、その根拠を同法第121条に求めながら、標準市議会委員会条例第21条では、次のように規定されています。
「委員会は、審査又は調査のため、市長、教育委員会の委員長、選挙管理委員会の委員長、公平委員会の委員長、農業委員会の会長及び監査委員その他法令又は条例に基づく委員会の代表者又は委員並びにその委任又は嘱託を受けた者に対し、説明のため出席を求めようとするときは、議場を経てしなければならない。」
これは、委員会への出席要求の手続を明確にするために規定したものであって、執行機関の委員会への出席は、義務ではないと解されています。また、委員会を代表するのは委員長ですが、執行機関等との関係において、議会を代表するのは、あくまで議長です。
執行機関は、慣例で委員会に出席していると思っている人もいるようですが、法的には、委員会条例で規定された出席要求があって初めて出席できるものなのです(「議員・職員のための議会運営の実際4」地方議会研究会編著/自治日報社 参照)。
「法律で一定の字句について定義規定を設けた場合、その法律に基づく政令のうちに、法律上の定義を引用した上でその字句を用いている政令と法律上の定義を引用することなくその字句を用いている政令の二通りがあり、従来、必ずしもその使い分けの基準が明確ではなかった。
しかし、現在は政令中のその字句の解釈に疑問を生ずるおそれがなければ、その政令において法律上の定義を引用する必要はない」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)とされています。
条例と規則の関係は、本来、法律とその法律に基づく政令の関係とは異なるものですが、条例の委任による規則又は条例を施行するための規則については、前掲と同様に解されます。
なお、関税法第2条は、「この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に掲げる定義に従うものとする」と規定しており、定義規定がこの法律に基づく命令にまで及ぶことを規定している珍しい例です。
「○○基本法」という題名の法律をネットの法令検索で探してみると40件ありました。制定年月日を見ると、「流行りの法律」と言えそうです。
「「基本法」とか「基本条例」という名称を持つ法令があるが、これは他の法律や条例より上位に位置づけられているわけではなく、法的な形式的効力は他の法律や条例と同等である。しかし、規定されている内容の基本性・一般性を根拠にして、実際上優越的に取り扱われる傾向にある。その性格上、内容的には他の法律や条例に対して一般法となるが、必ずしも劣後するわけではない。これは一般法・特別法の関係による調整にはなじまず、解釈による調整ということになる。」(「法制執務の基礎知識」大島稔彦監修/第一法規)
と理解していたのですが、「ワークブック法制執務」(法制執務研究会編/ぎょうせい)には、次のように記されています。
「また、これらの法律は、その規律の対象としている分野については、基本法として他の法律に優越する性格をもち、他の法律がこれに誘導されるという関係に立っている。」
ちょっとニュアンスが違いますね。
「もっとも、基本法の制定は、権利義務にかかわる規定がないだけに、関係方面との利害調整をする必要もなく、単なる高尚な作文に終わるおそれも強い。これを意味あるものにするのは、基本法は努力の方向を示す第一歩にすぎないという認識のもとに、その理想を実現するための具体的法律事項を盛り込んだ法令を現実に作り上げ、その着実な運用に努めていくことである。」(「実務立法技術」山本庸幸著/商事法務)
ということを考えると、本市には、基本条例は必要ありません。
市町村は、地方自治法第252条の2第1項の規定により協議会を設けたときは、その旨及び規約を告示するとともに、都道府県知事に届け出なければならないと規定されています(同条第2項)。
そしてこの規定は、協議会の規約に変更においてその例によることとされ(第252条の6)、機関等の共同設置及び事務の委託において準用されています(第252条の7第3項及び第252条の14第3項)。
ところで、「その旨及び規約」、告示していますか?
これとよく似た手続に一部事務組合の設立がありますが、この場合は、「その旨及び規約」を告示することは、法律上、規定されていません。昭和27年6月26日付け地自行発第192号の行政実例によって、法律上、公布の必要はありませんが、「組合の成立とその規約の内容は当該組合及び構成地方公共団体において、これを告示することが適当である」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)と解されているだけです。
では、「組合の成立とその規約」、告示していますか?
一方は普通地方公共団体相互間の協力について定めたものであり、一方は特別地方公共団体について定めたものですので、基本的には別の制度なのですが、何かバランスを欠いているように思われます。
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