災害対策基本法

 台風12号は、紀伊半島の市町村を中心に甚大な被害をもたらしました。そして先週は、台風15号が日本列島の各地で猛威を振るいました。
 東日本大震災やこうした災害に対応するために、災害対策基本法という法律があります。
 災害対策基本法は、「国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定めることにより、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的」(第1条)としているのですが、この法律には、重大な欠陥があります。
 それは、災害が発生した市町村に災害対策本部を設置することができる(第23条第1項)としているため、被災した職員自らが災害対策本部員になってしまうという点です。
 東日本大震災では、町長を含め、多数の市町村職員が犠牲になった市町村もあれば、津波で庁舎そのものが壊滅してしまった市町村もあります。災害対策基本法は、ここまでの事態を想定していません。そもそもこの法律は、役所が完全に機能しているということを絶対の条件として成り立っています。そのため、災害の規模が大きければ大きいほど、災害対策本部の必要性が増大するのに反比例して、その機能が停止してしまうという結果を招いてしまうのです。
 東日本大震災や台風12号等で被災された市町村では、復興に向けて、今も多くの職員が懸命に職務を遂行されていることと思います。そして、その職務は、過酷を極めたものであろうことが想像できます。その姿勢には、ただ、ひたすらに頭が下がります。くれぐれも御自愛していただきますようお祈り申し上げます。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:49 | その他

コメント

 

投稿者   : 2013年9月18日 09:35

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ


< 2011年9月 >
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
Links