−管理人のたわごとブログ− 分限処分?
「地域政党「大阪維新の会」公認で4月の吹田市長選を制した井上哲也市長は16日夕、市長ら特別職に次ぐ役職の「総括監級」を廃止し、幹部職員7人を部長級に降格させる人事異動を発表した。井上市長が公約に掲げた公務員制度改革の第一弾で、年間約680万円の給与・共済費が削減できると説明している。
市によると、「総括監」は市長や副市長を補佐して市の重要な事業を企画・立案し、複数の部局にまたがる施策を調整するポストとして2006年4月に置かれたが、これまでも議会で「職責がわかりにくい」などの批判があったという」(5月17日付け朝日新聞朝刊)。
地方公務員法第28条第1項の規定によると、「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」(同項第4号)には、「その意に反して、これを降任し、又は免職することができ」ます。この記事から判断すると、これは、正に同項の規定による分限処分ではないでしょうか?そうであるならば、手続上、不利益処分に関する説明書を交付しなければなりませんし、7人の元「総括監」は、公平委員会に不服申立てをすることができます。
「逐条地方公務員法」(橋本勇著/学陽書房)によると、「「職制」とは、法令の根拠に基づいて設けられる地方公共団体の内部組織を意味するものであり、地方自治法第一五八条第一項の規定に基づいて条例で定められたものおよび長が設けたもののいずれも職制に該当する(法制意見昭二七・四・一九(法意一発第四四号)参照)。すなわち、規則などで設置される室、出先機関などもこれに該当し、さらに、職の設置規則等(都道府県の場合、自治法施行規程五)で明記されている職もここでいう職制に該当するものと解され」ており、事務分掌規則において「○○に関する事務のうち、極めて重要な特定の事務を担当させるため、必要があるときは、市に××総括監を置くことができる」と規定されていますので、「総括監」は、職制と解されます。
また、前掲書には、「廃職、過員が予算の説明資料や提案説明などで具体的に明確にされている場合でなければ、それを降任または分限免職の事由とすることは実際問題として困難であろう」とあり、さらに、「法律上は、職制の改廃、定数の改廃または予算の減少のいずれか一の事由のみに基づいて降任または分限免職を行うことが可能であるが、職員にとって重大な問題であり、前述のように必ずしも明確でない場合もあるので、実際に降任または分限免職を行う場合には、職制および定数を改廃するとともに、予算上の減員措置もあわせて明確にした上で行うことが適切であるといえよう」とあります。
そのような措置がなされたのでしょうか?なされていないのであれば、政治的パフォーマンスだけが先行しているような感じがします。
なお、「総括監」ではなく、局制が採用されていたとしたら、新市長はどうしたのでしょうね。
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