−管理人のたわごとブログ− 監査委員職務執行者
地方自治法第197条は、「監査委員の任期は、識見を有する者のうちから選任される者にあっては4年とし、議員のうちから選任される者にあっては議員の任期による。ただし、後任者が選任されるまでの間は、その職務を行うことを妨げない」と規定しています。
このただし書の規定について、「逐条地方自治法」(松本英昭著/学陽書房)には、次のように記されています。
「任期が満了しても後任者が選任されるまでの間は、その職務を行うことができるとする本条ただし書の規定が設けられている。本来この規定は、識見を有する者のうちから選出の者及び議員のうちから選出の者それぞれについていずれかの委員の四年の任期が満了した場合において、監査機能の停滞を防止するために設けられた規定であるが、これについては、以下の諸点に注意を要する。@議員選出の監査委員については、議会の構成が一新されるような場合、すなわち、議員の総辞職又は議会の解散若しくは議会の解散請求の成立等の事由により、当該議員を含めてすべての議員の任期が、その四年の期間の満了をまたずして終了した場合にはただし書の規定の適用がある。Aこれに対して、当該議員に対する解職請求の成立、除名、議員の辞職等の場合にはただし書の適用はないと解すべきである。B同様に、議員選出の監査委員及び識見を有する者たる監査委員のいずれを問わず、これらの者が辞職し、又はこれらの者について、長又は副知事若しくは副市町村長と親族関係が生じた場合(法一九八の二)、第百九十七条の二の規定により罷免された場合にはただし書は適用されないと解する。」
「本条ただし書の規定は、元来、監査委員の職務を行う者が一人もいなくなるような事態を避けるために設けられたものであり、したがって、他に監査委員が在任する場合においては、特別の必要がない限り、適用されるべきではない(行実昭二六、七、一一)との行政実例があるが、しかしながら、後任者が選任されるまでの間監査委員職務執行者がその職務を行うべきかどうかは、客観的にその必要性の有無の判断がなされると同時に、たとえ他に監査委員が在職していても、職務を行うことを妨げるものではないと解すべきである。」
ちょっと分かりにくい解説だと思いますが、結論は、第197条ただし書の適用については、当該地方公共団体において、「客観的にその必要性の有無を判断」せよということなのでしょう。ちなみに、昭和32年8月1日付け行政実例にも「任期満了となった議会選出の監査委員は、後任の委員が選任されるまで、職務を行うことはさしつかえない」とあります。
しかし、自分の知る限りにおいては、後任者が選任されるまでの間、慣例として一律に、監査委員職務執行者を置いているところがあれば、まったく置いたことがないというところもあります。その実態は、「客観的にその必要性の有無を判断」しているとは思われないのです。
ちなみに、本市は、監査委員職務執行者を置いたことがありません。
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