規則の活用

 いわゆる地方分権一括法が施行されて以後、自治立法の一つである規則というものが軽んじられているように思われます。今更のことですが、規則には、次のような意義があります。
 「普通地方公共団体の自治立法は、条例及び地方公共団体の長が定める規則に限られるものではなく、人事委員会又は公平委員会の定める人事委員会規則又は公平委員会規則(地公法八5)、教育委員会の定める教育委員会規則(地教法一四)などもまた、その一種であるというべきである(このことについては、異論もある。)。条例は、国における法律にも相当するものであって、住民の代表者たる議員によって構成する議会の定立するところであり、したがって、その制定範囲も最も広汎である。また、第十五条に基づく規則は、普通地方公共団体の長の定めるものであるから、その内容は各執行機関に共通する事項をも規定するのであって、各執行機関の定める規則等の上位に立ち、単に一執行機関の定める法規という性格に止まらないで当該普通地方公共団体の自治立法として条例と相並ぶ地位にある(法一三八の四2参照)。」
 「地方公共団体の長が定める規則は、条例と別個の地方公共団体の自治立法の形式であって、当然には、法律と法律に基づく政令のような関係に立つものではない。法律に基づく政令と同様に、条例の委任を受け又は条例を執行するために定められるものもあるが、必要的条例事項を除けば、法令又は条例の委任等がなくても、地方公共団体の住民の権利義務に関する法規たる性質を有するものを定めることができ、また地方公共団体の内部的規律たる性質を有する規則を定めることができる(法一四の〔解釈〕三(二)⑷及び四(一)⑴参照)。」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)。
 大阪では先進的な自治体として評価されているM市。同市で政策法務を担うI課長が規則その他の規程によって政策を実現しようとすることについて、HPのメーリングボード上でつぶやかれたことがありました。
 条例と規則とは、その制定手続において、根本的に違いがあります。そうであるが故に第14条第2項の規定が存在しています。このことを踏まえた上であるならば、規則を活用することに賛成します。むしろ、もっと活用してはどうかと思うのです。例えば、内部規範等として存在している、いわゆる要綱というものをすべて廃止し、規則として制定してしまうとか。
 個人的には、規則を活用することも政策法務の一つの形態だと考えています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:21 | 政策法務

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