「一 削除」

 「ワークブック法制執務」(法制執務研究会編/ぎょうせい)には、「号について「削除」の方式をとるのは、号の移動を行うと当該移動をした号を引用している他の条文又は他の法令が多数ある場合にそのすべてについて改正を行う必要が生じ、これが非常に煩わしいような場合とすべきものであるから〈問228 参照〉、そのような場合に該当する場合においては、「一 削除」とすることが許されないわけではない。しかし、実際上は、号について、このような場合に該当する例は通常考えられないし、仮にあったとしても、最初の号から「削除」とすることは、余り見栄えのよいものではないから、そのような改正が行われることはほとんどない」とあります。
 逆に言うと、レアケースとして、「一 削除」が存在するということですね。検索してみると……ありました。特定非営利活動促進法第27条第1号が「一 削除」となっています。ということは、「第一条 削除」、「別表第一 削除」又は「様式第一号 削除」というのもありなのでしょう。見栄えを気にするならば、これらの規定の方がよくないように思うのですが……検索してみました。
 身体障害者福祉法施行令が「第一条 削除」に、森林法施行令が「別表第一 削除」に、老齢福祉年金支給規則(省令ですが……)が「様式第一号 削除」になっています。
 事例があるというだけで、あまり見習うべきものではないのでしょうね。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 18:51 | 法制執務

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