−管理人のたわごとブログ− 2010年6月
阿久根市が以前にも増してごっついことになっています。
新聞等によると、議会の出席要求を拒否するわ、議会を招集せーへんわの挙げ句、違法な専決処分をやりまくっています。ここまでムチャクチャなことをしながら、自分の都合で法律を適用しようとするところにタチの悪さを感じます。
ある方から「阿久根市の専決処分についてどうお考えですか」と御質問をいただきましたが、2010年3月10日付け記事のとおりです。何ともお答えのしようがありません。
そんな中、6月28日付けの朝日新聞に次のような記事がありました。
「議会出席を拒否し、議会に諮らずに専決処分を繰り返している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は28日、適正な行政運営を求めたほぼ全職員による上申書の受け取りを拒否した。竹原市長が「見ない。シュレッダーにかけろ」と激怒したため、上申書はひとまず総務課で保管されることになった。
上申書は一般職員180人と課長ら管理職約20人の署名簿を添えた2種類。一般職員分は⑴早急な議会の開会 ⑵専決処分した固定資産税の引き下げ撤回 ⑶法令に従った市政運営を求めており、管理職分もほぼ同様とみられる。
午前8時からの課長会で渡されるとみられたが、竹原市長が機先を制して一喝。逆に市長が作った「私たち職員は阿久根市民と苦労をともにし痛みを分かち合います」との訓示を出席した課長全員が3回唱えさせられたという。
竹原市長は「今さら固定資産税(率)を引き上げると言えるか!(職員の)ボーナスを元に戻せと言えるか!」と主張し、課長会は5分足らずで終わった。
総務課長ら2人は市長室に出向いて提出を試みたが、竹原市長からシュレッダーにかけろと命令されたため、卓上に置いても破棄されると考えて持ち帰った。
竹原市長は取材に対し「ハイエナのようなマスコミには話しません。話す報道機関はこちらで選ばせてもらう」と述べ、私用車で外出した。」
阿久根市職員の良識が示されたことは良かったと思いますが、ここで自分が気になったのは、「上申書」です。一般的に、「具申(上申・内申)は、職員又は下級行政機関が、上司又は上級行政機関に対して意見又は希望を申し出る場合に申し出る文書である。特に人事関係の申し出を内申ということが多い」(「起案例文集」中島正郎著/ぎょうせい)とされています。「内申書」は職員表彰などの関係でよく使用されていますが、「上申書」は珍しいです。少なくとも、自分は、見たことがありません。どんな回議をしたのやら、一連の専決処分書と合わせて、是非とも原議を見てみたいものです。
地方自治法第180条第1項は、「普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる」と規定しています。
そして、このことについて、条例を定めている市町村があります。「長においては、専決処分事項の指定の提案権はもちろん有しない。ただ、議長に対して事件を指定して議決を依頼することができるのみである(行実三〇・一二・一七)」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)とされていることから、議員提案条例なのでしょう。問題は、法律上要求されていないにもかかわらず、なぜ条例を制定しなければならないのかということです。
重要事項条例主義という考え方もできるのでしょうが、前の記事でも書いたように、単に提案権が議会に専属するということ(法規審査が及ばないということ)がその理由なのかもしれません。
議会運営委員会の委員定数は、条例中に明確に規定すべきであると解されます。「議員・職員のための議会運営の実際8」(地方議会研究会編著/自治日報社)においても、「常任委員会について、行政実例は「委員の定数は明確に規定すべきである」と述べており(昭三一・九・二八)、この考え方は議会運営委員会の定数についても同様と解されます」とあります。
ところが、地方公共団体によっては、「議会運営委員会の委員の定数は、議会の議決で定める」としているところがあります(中には、常任委員会の委員定数も「議会の議決で定める」としているところもありますが……)。これは、何故でしょうか?
会派制をとっている地方議会の場合、議会運営委員会の委員は、「会派別の委員数は所属議員数に応じて割り当て、会派から委員を推選してもらい、本会議で選任するのが実態」(前掲書)とされています。また、各会派の代表者を委員として選任し、会派代表者会が議会運営委員会を兼ねることとしているところもあります。
地方議会においては、会派の変更がしばしば行われます。その結果、議会運営委員会の委員定数に影響を与える場合が生じます。こうしたケースに対応するため、その都度「議会運営委員会の委員の定数は、議会の議決で定める」としているのではないかと考えられます。
さらにもう一つ。委員会条例の提案権は、議会に専属することとされています。このことも大きな理由の一つかもしれません。
6月14日の〔朝日新聞グローブ〕第41号で、内閣法制局が特集されています。
正に法の番人、官庁の中の官庁とまで言われる内閣法制局ですが、本市で言えば、総務部総務課文書法規係がそれに当たります。しかし、法制局参事官と文書法規担当主幹との差は、とてつもなく大きいです。それは、あるケースワーカーが「ケースワーカーが、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があるなんてとんでもない。ただの事務職員ですわ」とおっしゃっていたように、文書法規担当主幹も、ただの事務職員だからです。
では、組織的に文書法規担当主幹をレベルアップするには、どうしたらよいのでしょうか。例えば、法学検定合格者等に限って、ただの事務職員ではなく、法務職として任用する方法などが考えられます。しかし、志望者の有無、給料や手当の問題など、本市では、実現の可能性が低いように思います。そうすると、正直、良い方法が思いつきません。
ところで、本市の文書法規担当主幹として、最も重要な資質は、何だと思いますか?それは、リーガルマインド等ではなく、けんかに強いということです。
本市職員N君からの質問です。
N君「議会事務局長、定年退職しましたやん。そのときの辞令なんですけど、何で議長から出向辞令出して、また市長から退職辞令出さなあかんのですか?」
自分「議長から直接退職辞令出したらえーやないかっちゅーことか?何でや言うたら、市長から出向を命じられた職員やからやな。」
「逐条地方公務員法」(橋本勇著/学陽書房)では、次のように記されています。
「通常、出向を行う場合には、当該職員の任命権者が他の任命権者の機関への出向を命じ、出向先の任命権者があらたな任命の発令を行う。すなわち、先の任命権者が当該職員に他の任命権者の任命を受けることの承認を与える意思表示が出向発令であると解される。出向発令だけであらたな任命が自動的に行われるものでなく、必ず新しい任命権者の任命行為が必要である。同一地方公共団体内の出向は、同じ勤務関係の中にあるので、本人の同意は不要である(行実昭四二・一一・九自治公一第五七号)。また、元の任命権者が出向を命じ、他の任命権者が任命することにより、当該職員は元の任命権者の任命権の範囲外のものとなるので、「出向を解く。」という発令をすることにより自動的に職員を復帰させることはできず、その場合には、現在の任命権者が出向を命じ、元の任命権者があらためて任命を行うことが適当であるとされている(行実昭三〇・三・一八自丁公発第五五号)。」
6月1日付けの自治体法務の備忘録では、夏季の軽装について記事にされています。関東の市町村とは違い、大阪の中でもコテコテの本市では、クール・ビズという言葉が生まれる随分前から当たり前のようにクール・ビズもどきの服装をしていました。
何しろ、昔の夏の事務服は、青色のシャツの左胸に市章と名前を刺繍したもので、ネクタイの着用を想定していませんでした。そして現に、誰一人としてネクタイをしていなかったように思います。財政上の理由から事務職員の制服が廃止された今も、ネクタイの着用率は低いです。
これも地域の特性でしょうか。
「法令の附則で既存の法令の一部改正をするのは、その法令が当該既存の法令の一部改正を行うのが直接の目的ではなく、新たな法規の定立又は規定の改廃を目的として立法が行われる場合において、それに伴って既存の他法令について改正する必要が生ずるときにおいてである」)「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)とされています。
市町村によっては、部課長が所管外の条例を議会で説明する必要が生じることから、一の条例で複数の条例を改廃するのを嫌がるところもありますが、こうすることによって、附則で改正される条例の改正理由が明確になります。
では、例えば、A条例の一部を改正する条例によって、B条例の一部を改正する必要(これをB1とします。)が生じた場合で、同一議会にB条例の一部を改正する条例が提案されており、この条例によって、B1をさらに改正する必要(これをB2とします。)が生じたときは、どうするのでしょうか。
@ A条例の一部を改正する条例附則でB1を改正し、B条例の一部を改正する条例でB2を改正
A A条例の一部を改正する条例附則を2段ロケットとし、B1を改正後、B2を改正
B B条例の一部を改正する条例を2段ロケットとし、B1を改正後、B2を改正
スジは、@なんでしょうね。ウチは、Aでやっちゃいましたが……
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