−管理人のたわごとブログ− 2010年4月
市(町・村)税条例(例)の一部を改正する条例(例)の附則には、必ずといっていいほど、一般的経過措置として「別段の定めがあるものを除き、……」という規定が置かれています。
「ワークブック法制執務」(法制執務研究会編/ぎょうせい)によると、「「別段の定め」とは、当該条項で定められているのとは異なる趣旨の定め(規定)をいう。「別段の定め」が「特別の定め」とされることもあるが、両者で異なるところはない」とされており、また、「次の例一でいえば、不正競争防止法(平成五年法律第四七号)は、不正競争防止法(昭和九年法律第一四号)の全部を改正するものであるが、その附則第二条は、経過措置の原則を定め、かつ、「特別の定め」の存在を予定しているところ、同法附則第三条以下は差止請求権、損害賠償等に関する経過措置について定めており、附則第二条にいう「特別の定め」に当たるわけである。このような関係を、例二に示すように、「この附則に別段の定めがある場合を除き」として明示することが、最近では多くなっている。
■例一■
○不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)
附 則
(経過措置)
第二条 改正後の不正競争防止法(以下「新法」という。)の規定は、特別の定めがある場合を除いて
は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前の不正競争防止法(以下「旧法」と
いう。)によって生じた効力を妨げない。
第三条 新法第三条、第四条本文及び第五条の規定は、この法律の施行前に開始した次に掲げる行
為を継続する行為については、適用しない。
(以下略)
■例二■
○所得税法等の一部を改正する等の法律(平成十八年法律第十号)
附 則
(たばこ税の特例に関する一般的経過措置)
第百五十三条 この附則に別段の定めがあるものを除き、第十三条の規定(租税特別措置法第八十八
条の改正規定及び同法第八十八条の二の改正規定(「平成十八年三月三十一日」を「平成十九年三
月三十一日」に改める部分を除く。)に限る。)の施行前に課した、又は課すべきであったたばこ税につ
いては、なお従前の例による。」とあります。
なお、同条例(例)の附則には、税目毎に経過措置が規定してありますが、一般的経過措置には、「別段の定めがあるものを除き」と規定されているもののほか、「第△項に定めるものを除き」と規定されているものがあります。
これは、「自治実務セミナー第35巻第9号」(良書普及会)に掲載された「条例改正の実例手引き(六・完)」によると、次のとおりです。
「〔例32〕平成八年度改正法附則第十条第一項及び第二項
(事業所税に関する経過措置)
第十条 別段の定めがあるものを除き、新法の規定中事業に係る事業所税(新法第七百一条の三十二
第一項に規定する事業に係る事業所税をいう。以下この項、第三項及び第六項並びに附則第十三条
第二項において同じ。)に関する部分は、施行日以後に終了する事業年度分の法人の事業及び平成
八年以後の年分の個人の事業(施行日前に廃止された個人の事業を除く。)に対して課すべき事業に
係る事業所税について適用し、施行日前に終了した事業年度分の法人の事業並びに平成八年前の
年分の個人の事業及び平成八年分の個人の事業で施行日前に廃止されたものに対して課する事業
に係る事業所税については、なお従前の例による。
2 第四項に定めるものを除き、新法の規定中新増設に係る事業所税(新法第七百一条の三十二第二
項に規定する新増設に係る事業所税をいう。以下この項及び第四項において同じ。)に関する部分は、
施行日以後に行われる事業所用家屋の新築又は増築に対して課すべき新増設に係る事業所税につ
いて適用し、施行日前に行われた事業所用家屋の新築又は増築に対して課する新増設に係る事業所
税については、なお従前の例による。
一般的経過措置と異なる経過措置を講じるべきものが複数あれば「別段の定めがあるものを除き」とし(〔例32〕中の事業に係る事業所税)、一般的経過措置と異なる経過措置を講じるべきものが一つしかなければ「第△項に定めるものを除き」とする(〔例32〕中の新増設に係る事業所税)こととしている。過去は(最近になるまで)必ずしも統制がとれていなかったが、今次はこのように考える原則を立てたところである。」
どこの市町村も、同条例(例)を参考にして税条例の一部を改正する条例を制定されると思いますが、4月1日施行分のみを専決処分した場合(それがスジだと考えています。今回は、6月1日施行分も専決処分しましたが)、「別段の定めがあるもの」が「第△項に定めるもの」になったり、なくなったりするケースがありますので、注意が必要です。
本市における公用文の表記の中で、最も多い間違いの一つに「〜(して)下さい」があります。正しくは、「〜(して)ください」と表記します。
「助詞及び助動詞並びにそれらと類似した語句は、原則として平仮名で表記する」(「分かりやすい公用文の書き方」礒崎陽輔著/ぎょうせい)とされています。「下さい」と表記すると、動詞「くれる・くれ」の尊敬・丁寧表現になります。
良い例が「言葉に関する問答集・総集編」(文化庁/国立印刷局)に掲載されていますので、引用します。
「⑴ 桃太郎さん桃太郎さん
お腰につけた黍団子
一つわたしにクダサイな(文部省唱歌)
⑵ トン、トン、トン
あけてクダサイ。
わたしです。(北原白秋「お月夜」)」
⑴が「下さい」で、⑵が「ください」です。
本市には、市議会議員の任期満了前に、お別れ議会と称して臨時会を開く慣例があります。今日は、そのお別れ議会(第2回(4月)臨時会)がありました。
本市の場合、費用弁償は発生しませんが、こんなことをしている市町村は、ほかにあるのでしょうか?自分は、寡聞にして知りません。
ここで、臨時会の招集を請求するには、「付議すべき事件」が必要ではないかという疑問を持たれたかと思います。「付議すべき事件」は、あえて用意するのです。今回の場合で言うと、3月定例会で議員定数条例の改正をしているのですが、議会委員会条例の改正をわざとしていません。これが、お別れ議会の「付議すべき事件」になります。
なお、「付議すべき事件」は、「@事件が議会の権限に属するものであること、A議員に発案権のあるものであること、B具体的な事件であること」(「議員・職員のための議会運営の実際1」地方議会研究会編著/自治日報社)がその要件であるとされています。
「職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命することができる。」(地方公務員法第17条第1項)
「職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、若しくは免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職されず、又、条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して降給されることがない。」(同法第27条第2項)
今では、ほとんどの地方公共団体で希望降任制度が導入されていますが、元々、依願降任については、否定的に解されていました。以前は、降任とは、不利益処分であって、職員の依願によって行うものではない。どうしてもその職責を果たすことができないというのであるならば、「辞めてもらわなしゃあない」か、又は、一定の職にありながら自ら降任したいというのは、その職に必要な適格性を欠く場合に該当し、分限処分を行うべきであるというのが一般的な解釈であったように思います。
「逐条地方公務員法」(橋本勇著/学陽書房)には、「分限処分は、職員の意に反する処分であるから、職員の意に反しない処分は分限処分ではない。……(略)……職員の同意を得て行われる降任や降給も分限処分ではない」と、また、依願休職について、「国家公務員法の解釈としては、同法所定の休職事由に該当する場合は、職員の意思の有無に関係なく休職にすることができるものとして、依願休職がありうることを肯定している(人事院行実昭二六・一・一二)。これに対し、地方公務員法の解釈としては、依願休職は認められないとされている(行実昭三八・一〇・二九自治丁公発第二九八号)。分限の規定により職員の身分を保障しなければならないのは、その意に反する身分取扱いであり、かりに依願休職を認めるにしても、それは分限処分ではあり得ない。そして、分限処分ではない依願休職を認めるかどうかは、勤務条件としてそのような措置を認める必要があるかどうかという観点から決定されるべきものである」とあることから、確かに、依願による降任や休職は、完全に否定されているものではないと解されます。
しかし、「職員の任用は、この法律の定めるところにより、受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならない」(地方公務員法第15条)ことを考えると、依願降任を制度として認める必要があるとは思えません。また、本来ならば、分限降任とすべき事例を希望降任制度によっているように思われてなりません。分限処分をしたくない人事課と分限処分を受けたくない職員との利害が一致した結果なのでしょうが、あまり感心しません。
「大阪府箕面市議会は25日、住民同士のつながりを強化するために名簿作りを奨励する「ふれあい安心名簿条例」案を賛成多数(15対9)で可決した。個人情報保護への過剰反応から学校や自治会などでは名簿の作成が減っているが、昨年の新型インフルエンザで一部の学校で休校の連絡が行き届かずに混乱。安心して名簿を作る手引きとして条例が必要と判断した」(3月25日付け朝日新聞夕刊)。
条例の内容はともかくとして(個人的には、題名からして気に入りませんが……)、問題の解決に当たって条例を制定するとは、正に政策法務。さすが箕面市という感じですね。同市の事務分掌条例施行規則を見ると、法制課の分掌事務に「政策法務に関すること」と規定されているのもうなずけます。また、きっちりと市民説明会を開催した上でパブリックコメントを実施し、その意見を条例に反映させているところに、同市の底力を感じます。
一方、自治会、サークルなどの権利能力なき社団は、その団体が存続していく上で必要な情報というものがあるはずであって、それこそが名簿ではないかと個人的には思うところです。そんな名簿が作成できないのであるならば、それは、もはや団体として機能していないのではないでしょうか。
そういう団体が増えてきている中での箕面市ふれあい安心名簿条例、今後の動きに注目しています。
地方税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第4号)が平成22年3月31日に公布され、一部の規定を除き、本日、4月1日から施行されています。
その中で、小売販売業者に係る市町村たばこ税額として卸売販売業者等から市町村に納付された市町村たばこ税額等を条件とする当該小売販売業者に対する当該市町村からの補助金等の交付又は貸付金の貸付けが禁止されることになりました(第485条の14)。
このことに伴い、企業誘致条例の一部を改正する条例を3月31日付けで専決処分しました。
結局、こういうオチになりましたが、まがいなりにも法規事務に携わる者として、こんな条例を制定させてしまったことを恥ずかしく思います。
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