入札保証金及び契約保証金の免除(前編)

 「普通地方公共団体は、一般競争入札により契約を締結しようとするときは、入札に参加しようとする者をして当該普通地方公共団体の規則で定める率又は額の入札保証金を納めさせなければならない。」(地方自治法施行令第167条の7第1項)
 「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体と契約を締結する者をして当該普通地方公共団体の規則で定める率又は額の契約保証金を納めさせなければならない。」(同令第167条の16第1項)
 同令では「させなければならない」と規定していますが、「入札保証金及び契約保証金について」(平成12年4月18日付け自治行第19号行政局長通知)によると、「これらの規定の趣旨は、契約締結や契約履行をより一層確実に担保しようとするものであり、この趣旨に反しない限り、規則で定めるところにより、入札保証金又は契約保証金の全部又は一部を納付させないこととすることも差し支えない」とされており、別添でその場合が掲げられています。
 それによると、入札保証金の全部又は一部を納付させないことができる場合は、@競争入札に参加しようとする者が保険会社との間に当該地方公共団体を被保険者とする入札保証保険契約を締結したとき、A競争入札に付する場合において、地方自治法施行令第167条の5及び第167条の11に規定する資格を有する者で過去2か年の間に国(公社、公団を含む。)又は地方公共団体と種類及び規模をほぼ同じくする契約を数回以上にわたって締結し、かつ、これらをすべて誠実に履行したものについて、その者が契約を締結しないこととなるおそれがないと認められるときとされています。
 また、契約保証金の全部又は一部を納付させないことができる場合は、@契約の相手方が保険会社との間に当該地方公共団体を被保険者とする履行保証保険契約を締結したとき、A契約の相手方から委託を受けた保険会社、銀行、農林中央金庫その他予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)第100条の3第2号の規定に基づき財務大臣が指定する金融機関と工事履行保証契約を締結したとき、B地方自治法施行令第167条の5及び第167条の11に規定する資格を有する者と契約を締結する場合において、その者が過去2か年の間に国(公社、公団を含む。)又は地方公共団体と種類及び規模をほぼ同じくする契約を数回以上にわたって締結し、これらをすべて誠実に履行し、かつ、契約を履行しないこととなるおそれがないと認められるとき、C法令に基づき延納が認められる場合において確実な担保が提供されたとき、D物品を売り払う契約を締結する場合において、売払代金が即納されるとき、E随意契約を締結する場合において、契約金額が少額であり、かつ、契約の相手方が契約を履行しないこととなるおそれがないときとされています。
 しかし、政令で「させなければならない」と規定しているものを、通知によって「この趣旨に反しない限り、規則で定めるところにより、入札保証金又は契約保証金の全部又は一部を納付させないこととすることも差し支えない」とすることには、疑義があります。やはり、政令で、当該普通地方公共団体の規則で定めるところにより、入札保証金又は契約保証金の全部又は一部を納付させないことができるとする規定を置くべきではないでしょうか。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:33 | 地方自治法

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投稿者   : 2013年9月21日 23:39

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