検察協議

 ほとんどの地方公共団体では、罰則の定めのある条例を制定する場合は、事前に地方検察庁と協議し、「貴見のとおりで差し支えない」旨の協議書をいただくことが慣例になっています。協議の是非はともかくとして、条例の実効性を確保するためには、必要なことではないでしょうか(以前、某市の法規係長が「ウチは、市長の方針で検察協議せーへんことになってますねん。そやから、いっぺん、やってみたいですわ。」とおっしゃっていましたが、市長の代わった今は、どうしているのでしょうか。)。
 実は、この根拠がはっきりとしません。そんな中、「自治実務セミナー43巻5号(平成16年5月号)」(第一法規)の「よりみち環境法」で、北村喜宣上智大学教授は、「「これが「本当の根拠」かどうかは、怪しいのであるが」と前置きをした上で、「こうした実務の開始であるが、「検察官が地方自治体の制定する条例のうち罰則の定めのあるものの立案等に関与するようになったのは、昭和26年4月1日付けで最高検察庁、高等検察庁及び地方検察庁に条例係検事が置かれてから」とされる。この措置は、法務府刑政長官通牒によるものであったが、その理由は、「一般的には地方自治体の条例は、国の法令に比べると技術的に未熟のうらみなしとしないので、罰則適用上不都合な点も多々ある」ことによる。「関係自治体から意見を求められた場合には条例係検事においてこれに協力して然るべき」という認識が、示されている」。その後、「この実務を当初担当していた「条例係検事」は、昭和34年2月26日付け法務大臣訓令「係検事に関する規程」により廃止されたが、条例審査は、「指導係検事の担当事務として引き継がれ、現在〔文書内容から推測すると、昭和61年以降のある時点〕に至っています。」という。」と書かれています。
 おそらく、これが「本当の根拠」なんでしょうね。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:07 | 法制執務

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