A市○○センター

 A市○○センターとは、何でしょうか。支所又は出張所?行政機関?内部組織?公の施設?それとも単なる施設でしょうか?
 支所及び出張所、行政機関、長の直近下位の内部組織並びに公の施設の設置は、条例で定める必要があります(地方自治法第155条第2項、第156条第2項、第158条第1項後段、第244条の2第1項)。
 「法に規定する支所である限り出張所等の他の名称を使用することは適当でない」(昭和22年11月19日通知)とされていますが、「もとよりこれらの名称を用いないから違法であるという問題は生じない」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)と解されていることから、○○センターという名称の支所や出張所もあるのでしょう。この場合は、当該条例中に「第155条第1項の規定に基づき」や「出張所として」等の文言を規定することによって、○○センターの性格を明確にするのが適当ではないかと思われます。
 なお、支所と出張所の相違については、「支所は市町村内の特定区域を限り主として市町村の事務の全般にわたって事務を掌る事務所を意味するのに対し、出張所は住民の便宜のために市役所又は町村役場まで出向かなくてもすむ程度の簡単な事務を処理するために設置するいわゆる市役所又は町村役場の窓口の延長という観念である」(昭和33年2月26日行政実例)とされています。
 行政機関とは、「普通地方公共団体の長の権限に属する全般の事務を処理するようなものを除き、特定の行政部門の権能(たとえば、保健、徴税、河川管理等)を処理するため設置する機関(「個別出先機関」又は「特定(特別)出先機関」)を意味する」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)ものと解されており、長の直近下位の内部組織とは、「地方公共団体の長の権限に属する事務を分掌するために設けられる最上位の組織を意味するものであり、局又は部若しくはこれに準ずる組織の名称如何にかかわらず条例で定めることが必要」(平成15年7月17日通知)とされています。また、公の施設とは、「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」(地方自治法第244条第1項)です。
 行政機関又は公の施設の条例を制定する場合、大阪府では、「当該施設の性格に応じ、例のように「大阪府」と「大阪府立」とを区分して題名を付ける。すなわち、当該施設が行政機関であれば「大阪府」を冠し、公の施設(自治法244条1項)であれば「大阪府立」を冠すること」(「法規事務の手引」大阪府)としています。
 長の直近下位の内部組織は事務分掌条例等で、直近下位の内部組織の下の組織は事務分掌規則等で規定されています。しかし、中には、単独で規則設置されている○○センターがあります。これは、例えば工事事務所、物産斡旋事務所等の「局部の下の分課に相当するもの」(昭和29年5月12日・昭和29年10月16日行政実例)であると考えられます。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:17 | 地方自治法

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