原動機付自転車

 法律上、「原動機付自転車」には、二種類の定義があります。
 一つは道路交通法第2条第1項第10号(「内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のものをいう」)で、内閣府令で定める大きさは、「二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあっては、総排気量については0.050リットル、定格出力については0.600キロワットとし、その他のものにあっては、総排気量については0.020リットル、定格出力については0.25キロワット」(道路交通法施行規則第1条の2)とされています。もう一つは道路運送車両法第2条第3項(「国土交通省令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具をいう」)で、国土交通省令で定める総排気量又は定格出力は、「@ 内燃機関を原動機とするものであって、二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあっては、その総排気量は0.125リットル以下、その他のものにあっては0・050リットル以下 A 内燃機関以外のものを原動機とするものであって、二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあっては、その定格出力は1.00キロワット以下、その他のものにあっては0.600キロワット以下」(道路運送車両法施行規則第1条)とされています。
 いわゆる「90tのカブ」は、道路交通法上は原動機付自転車ではなく、道路運送車両法上は原動機付自転車であるということになります。
 昭和55年に制定された自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律では、自転車等駐車場を一定の区画を限って設置される道路交通法第2条第1項第11号の2に規定する自転車又は同法第2条第1項第10号に規定する原動機付自転車の駐車のための施設と定義しています。当時は、道路交通法上の原動機付自転車にヘルメットの着用義務がなかったことから、「90tのカブ」との区別がはっきりしたのでしょう。
 ところが、最近では、自転車等駐車場に「90tのカブ」が駐車しているのを見かけます。この場合、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律と同じ定義規定ではなく、実態に合わせた定義をする必要があります。
 なお、地方税法第442条第1号は、原動機付自転車を「道路運送車両法第2条第3項に規定する原動機付自転車のうち原動機により陸上を移動させることを目的として製作したものをいう」と定義しています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 19:36 | その他

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投稿者   : 2013年9月22日 12:43

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