−管理人のたわごとブログ− 行進及び集団示威運動に関する条例(後編)
市警察の廃止に伴う経過措置として、大阪府が別に条例を制定するまでの間、暫定施行された行進及び集団示威運動に関する条例は、半世紀を経た今も現に存在し、その効力を有しています。
戦後、治安警察法が廃止され、集会やデモ行進を取り締まる必要から、この条例が制定されたのでしょうが、自治体警察の廃止後、なぜこのような状態で残されたのかは、よく分かりません。おそらくは、政治的な理由によるものでしょう。その結果、例えばデモ行進をするのに、公安委員会の許可が、A市とC市では必要で、B市とD市では不要という状態が発生しています。さらに、市町村合併があった市によっては、同じ市内でも、旧a市域内では必要で、旧b市域内では不要という状態が発生することになります。
平成2年5月22日付け毎日新聞に「市公安条例をみつめて」と題されたコラムが掲載されています。そこには、「「取り締まり当局の考えに無理があるのでは」と、当時の私は検察庁の公安担当者に疑問をぶつけた。
その答弁をまとめると警察法の改正に伴う経過措置として、政令で府公安委員会が市公安委員会の仕事を引き継いでいる。広島県のように都道府県の公安条例ができたら、その時点で市公安条例は消える。それまでの間は有効だという。
この説明には多くの矛盾があった。たとえば府公安委員会が不許可にしたとき市議会に報告する解釈になる(現実にそう運用されている)が、全く意味を持たないということだった」と書かれています。しかし、本市では、行進及び集団示威運動に関する条例第4条第2項に規定する報告を市議会に行ったことはありませんし、他市で、このような報告を行ったというのを聞いたこともありません。半世紀もの間、不許可の事例がないのでしょうか?
このコラムには、「今は退官したその検事も「十年もたてば市町村の合併も進み(この条例の有無効を争う議論が)厳しくなりそうですね」と示唆してくれたのだった」とも書かれています。しかし、平成の大合併のさなかに、この条例の有無効を争う議論が厳しくはなりませんでした(ただし、米子市のように合併の際の暫定施行(地方自治法施行令第3条)が問題になったケースもあります。市町村の事務ではない条例を暫定施行することは、大いに疑問があります。)。
行進及び集団示威運動に関する条例は、できる限り速やかに廃止するべきだと考えています。その上で必要があるならば、都道府県が条例を制定すればよいだけのことです。
以前、本市では、地方分権一括法が施行される際、関係例規の整理に行進及び集団示威運動に関する条例もリストアップしました。そして、「大阪府において、行進及び集団示威運動に関する条例を制定する予定はあるのか。ないのであるならば、本市において、同条例を廃止することとしてよいか」という質問状を出しました。結果は、何か月も経った日、助役に呼ばれ、「何やお前、警察にけんか売ったんか。わしは、よう分からんのやけど、条例の廃止はまかりならんど。やめとけ」と言われました。
前掲のコラムにはサブタイトルとして「経過措置が無限に続くのか」とありますが、このままでは、無限に続く可能性が高いように思われます。
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