−管理人のたわごとブログ− 条文、読め!
実は、地方公共団体が財政健全化計画を定めるに当たり、個別外部監査契約に基づく監査を受けるためには、条例制定が必要であると思い込んでいました。
平成9年の地方自治法の改正で制度化された外部監査契約に基づく監査は、本市にはあまり関係がないと思い、都道府県、指定都市、中核市及び条例により定めた市町村が締結する契約であるという程度の理解しかしていなかったことと財政健全化法第26条第1項が理解できていなかったことがその原因です。さらに言うならば、条文の読込みが不足していました。
この件に関して、おおさか政策法務研究会のメンバーに質問したところ、数名の方から連絡をいただき、改めて条文を読み直してみました。
財政健全化法第26条第1項は、「財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めなければならない地方公共団体の長は、これらの計画を定めるに当たっては、あらかじめ、当該地方公共団体の財政の健全化のために改善が必要と認められる事務の執行について、監査委員に対し、地方自治法第199条第6項の監査の要求をしなければならない。この場合においては、同法第252条の41第1項中「第199条第6項」とあるのは「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号)第26条第1項の規定に基づく第199条第6項」と、「監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体」とあるのは「同法の規定により財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めなければならない地方公共団体」と、「同項の要求をする場合において、特に必要があると認めるときは、その理由を付して、併せて」とあるのは「同項の要求と併せて、理由を付して」と、「求めることができる」とあるのは「求めなければならない」と読み替えて、同法第2編第13章の規定を適用する」と規定しています。
同項後段の規定によって読み替えた後の地方自治法第252条の41第1項は、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号)第26条第1項の規定に基づく第199条第6項の要求に係る監査について、同法の規定により財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めなければならない地方公共団体の長は、同項の要求と併せて、理由を付して監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めなければならない」となります。
素直に読めば、「監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体」が「同法の規定により財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めなければならない地方公共団体」に読み替えられていますので、財政健全化計画を定めなければならない地方公共団体は、契約に基づく監査によることができることを条例により定める余地はなく、個別外部監査契約に基づく監査が、そもそも法律上、義務付けられていることが分かります。
「自治実務セミナー2008年4月号」(第一法規)の実務講座「地方財政の健全化(三)」にも「健全化判断比率が早期健全化基準を上回る等に至った団体においては原則として執行機関内部の行財政運営に問題があるものと考えられることから、個別外部監査による監査を求めることを義務付けることにより、執行機関を統轄し予算編成権を持つ当該団体の運営責任者たる長に、これまでの行財政運営のかかわりのない専門的な第三者の見地から必要な指摘を受ける責務を負うものとして、現行の地方自治法にのっとって個別外部監査の要求を義務付けることにより、問題を内包すると思われる事項について外部監査法人による監査が実施されることを追求する責務を一律に負わせることとしているものである」との記述があります。
このことで、法規担当者の仕事として最も基本かつ大事なことを再確認しました。それは、「条文、読め!2回、3回と読んでも分かれへんかったら、100回でも200回でも分かるまで読め!」ということです。
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