「年をこす・年こし」

 「年を越す・年越し」と表記します。
 公用文の表記で間違えやすいものに「越える」と「超える」があります。一例として、「越える」は「山を越える」という場合に、「超える」は「100人を超える」という場合に使用します。
 「これは、公用文の書き方というよりも、むしろ国語の領域に属することである。
 特に「こえる」の表記には、間違いが多い。一定の数値をこえるという場合は、必ず「超える」と表記しなければならない。一方、「越える」は、またいでこえるという意味である。例えば「権限をこえた発言」という場合は、「越える」を用いる」(「分かりやすい公用文の書き方」礒崎陽輔著/ぎょうせい)とされています。
 現行法令を検索してみると、「一年をこえない」(国家公務員法第83条第1項)、「十五人をこえる」(地方公営企業法第39条の2第7項)等と、また、「員数を越えることができない」(裁判所法第78条ただし書)、「五年を越える刑」(少年法第52条第1項ただし書)、「二万人を越えない」(人権擁護委員法第4条第1項)等と用いられている例もありますが、これは、その当時、当用漢字の旧音訓表では「超」には「こえる・こす」という字音がなかったこと、また、昭和28年の「文部省用字用語例」では「越」に書き換えるように示されていたことがその理由であると考えられます。現在では、「超」を用います。

 もうすぐ年越しです。平成21年もあとわずかとなりました。
 今年もたわごとにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 それでは、みなさん、良いお年をお迎えください。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 19:21 | 文書事務

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