−管理人のたわごとブログ− 2009年11月
「○○計画策定について」と「××条例制定について」の2議案を提案する担当課から「策定と制定てどう違うのん?」と質問がありました。
法規審査(本市の場合、議案を含みます。)に当たっては、現行法令や「法制執務詳解」(石毛正純著/ぎょうせい)、「逐条地方自治法」(松本英昭著/学陽書房)などの定番の参考図書のほか、辞書も使います。
「大辞林」(松村明編/三省堂)を引いてみると、「策定」とは「政策や計画などを考えてきめること」と、「制定」とは「法律・規則などを定めること」とあります。現行法令を参照してみても、例えば、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第1条には「財政の早期健全化及び財政の再生並びに公営企業の経営の健全化を図るための計画を策定する……」とあり、地方自治法第14条第2項には「条例を制定することができる」とあります。
なお、「策定」を「作成」や「定めること」としても間違いではないのでしょうが、議決事件は法定されていますので、正確には、その法律で使用されている用語を用いるべきだと考えています。
「大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC、大阪市住之江区)への大阪府庁移転構想をめぐり、府議会は27日、本会議を開き、WTC購入案を賛成61、反対50の賛成多数で可決した。一方、本庁舎の移転条例案は賛成52、反対60で可決に必要な出席議員の3分の2の賛成を得ることができず、2月議会に引き続き否決された。両案はともに記名投票だった。橋下知事は「議会の信認はありがたい」と結果を評価。WTCは当面、第2庁舎などとして活用しつつ、将来、3度目の移転条例案を提案する意向を明らかにした」(10月27日付け産経新聞朝刊)。
この記事を読んだI君からの質問です。
I君「同じ議案を何べんも議会にかけてええんすか?何かアカンて聞いたように思うんすけど」
自分「同一の会期中と違うたらええ。議会が活動できる期間を会期っちゅうねん。例えば、9月議会の招集日から閉会まで、これが会期やな。議会の意思っちゅうのは、会期ごとに独立しているとされとって、次の会期に継続することはないし、次の会期を拘束することもないんや。せやから、次の会期に同一の議案が提出されても一事不再議には抵触せえへんとされてんねん。これが会期不継続の原則とか会期独立の原則て言われてるやっちゃ。あ、例外はあるで」
I君「ほな、丸もらうまで何べんもかけたらええんすね」
自分「理論上は可やけど、道義性とか、経済性とかあるやろ……どうかのう……」
「大阪府熊取町の中西誠町長(57)が、死亡した町民の葬儀日程など、職務上知った葬儀情報を一部の親しい町議に携帯電話のメールで横流ししていたことが27日、分かった。葬儀情報には、死亡者だけでなく、喪主の氏名や住所も含まれており、熊取町の担当課は「町個人情報保護条例に違反しているのではないか」と指摘している。中西町長は「個人情報の認識がなかった。今後の課題として気をつけたい」と釈明している。
同町では、住民課が死亡届や火葬執行申込書を受け付けている。火葬執行申込書の大半は喪主が届け出ており、葬儀日程や葬儀会場などが記されている。
中西町長によると、こうした書類をチェックし、亡くなった町民の氏名と住所、葬儀会場名とともに、喪主の住所と氏名も添えてメールで送信していた。
横流し先について、中西町長は「(町議時代に所属していた)会派の仲間など4〜5人。失礼に当たったら悪いから、教えてほしいという人に情報提供させてもらった」と説明。始めた時期や回数については「最近になったから始めた。何件送ったのかは覚えていない」としている。
メールを受け取っているある町議は「町長に就任して間もない昨年の春ごろから送ってきた。メールがあれば、すぐに自分の後援会名簿と突き合わせ、葬儀に行く必要があるのかどうか確認できるので便利」と話している。
同町広報公聴課によると、町条例では死者の個人情報も含めて保護対象となっている。このため、葬儀情報の横流しは、職務で知った情報をみだりに他人に知らせる行為に当たり、条例違反の可能性が極めて高いという」(10月27日付け産経新聞夕刊)。
個人情報保護条例では、個人情報取扱事務の目的以外の利用又は提供を制限しています。ただし、法令又は条例の規定に基づくときや本人の同意があるとき、また、実施機関の内部で利用し、又は当該実施機関以外のものに提供することに相当の理由があると認められる場合で、本人の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められるときなどは、例外として目的外利用や外部提供が認められています。
本市においても、功労者等に対する交際費について、秘書課で死亡届受付台帳及び火葬許可書が目的外利用されています。しかし、死亡届受付台帳及び火葬許可書の情報は、市長や議員に提供されてはいません。火葬執行申込書がどのようなルールで町長に提供されていたのか、個人的には興味があります。
なお、同日付けの朝日新聞夕刊には、「情報をもらっていた男性町議は「葬儀の日程は議員にとって何とかして得たい情報だ」と話した。熊取町を含む泉州地域では葬儀の焼香の際、首長や議員らの肩書が順番に読みあげられる習わしが一部であり、出ないと目立つのだという」とあります。一部ではなく大部分ではないでしょうか。この事件の背景には、こうした地域の特性があります。
「大阪府泉佐野市が今年度、自動販売機1台から、販売実態を大きく上回る約15億円のたばこ税収を得ることがわかった。市によると、自販機を設置した同府豊中市の小売業者が、近畿各地の販売分を泉佐野市で売れたように書類を操作して、納税先を同市に集中させていた。市は増収策として容認した上で、納税の見返りに小売業者に奨励金1億5000万円を支払うという。総務省は「実際に販売された自治体に納税されるべきで、実態を把握したい」と疑問視している。
市によると、小売業者は昨年10月、同市内に自販機を設置。各地で販売したたばこを、この自販機で売ったように装った書類を日本たばこ産業(JT)などに提出していた。2007年度に約8億円だった市のたばこ税収の総額は、08年度に約15億円に増え、今年度は約23億円に上る見通し。
市は、納税額に応じて奨励金を支給する企業誘致条例に基づき、小売業者に08年度に6000万円を支払い、今年度も1億5000万円を支払う予定。
04年末頃、小売業者側から税収を増やす方法として打診されたといい、新田谷修司市長は「多額の借金を抱える市の税収確保策の一つ。何ら問題はないと考えている」と説明する。
地方税法では、JTなどが、販売された場所の自治体に納税すると規定。総務省市町村税課は「納税を意図的に集中させているのなら、地方税法上、好ましくない」としている」(11月2日付け読売新聞朝刊)。
この件について、何人かの方から御質問をいただいたのですが、既に記事にしていますので、こちら(「企業誘致条例(前編)2007年11月19日、(後編)同年12月5日」を御覧になってください。
自分にとって、いろんな意味で忘れられない条例の一つです。
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