−管理人のたわごとブログ− リアル「再生の町」(中編その1)
ドラマ「再生の町」では、段田安則さん扮する桂木財政課長の「温泉でも湧いてくれたら、財政危機も一発で解消や。いや、温泉ぐらいでは足らんか。石油でも湧いてくれんかな。」というセリフがあります。当時の本市にとって、新空港は、正に石油が湧いたようなものだったのではないでしょうか。
昭和57年3月1日付けの市報(新空港問題特集第3号)では、新空港に係る経済調査結果として、新空港本体からの税収を昭和80年度までの累計で1,190.6億円と予測し、「空港が立地しないとした場合、長期的には赤字幅が拡大し、現在よりもさらに厳しい財政事情が予想されるが、空港関連収支においてケースによって違いはあるものの、空港立地に伴う地域整備が進めば、これによる税収増加のため、黒字幅の拡大または赤字幅の縮小方向をとり、さらに空港本体からの税収を加味すると財政事情はむしろ好転する」としています。
依然として一部には根強い反対意見があったものの、この頃から本市は全体として新空港を歓迎するムードが高まっていきます。自分が職員として採用された平成元年になると、新空港というものに本市全体が熱狂している状態でした。「本市が日本の玄関になる。国際都市として、世界各国の人々が集い、市内には100メートル超のビルが20棟以上建つ」と本気で考えていたほどです。
この頃は、議会ごとに工事請負契約案件があり、また、市民祭りや郷土芸能等の既存のイベント(祭り)に加え、花火や映画祭やマラソン等を新たに行うようになったため、年がら年中何らかのイベント(祭り)を開催しているというとんでもない状態でした。ちなみに、当時の事業やハコモノを思い付くままに列記してみると、市営住宅の建替事業、小中学校の建替事業、道路の建設事業や下水道の整備事業に加え、統廃合に伴う幼稚園建設事業、JR駅上の区画整理事業、南海駅高架事業及び駅上再開発事業、山間部のコスモポリス計画、臨海部のフィッシャーマンズワールド計画、市立病院建替事業並びに消防本部建替事業、さらに、健康増進センター、文化会館、生涯学習センター、歴史館、図書館、公民館及び青少年体育館の建設等々があります。
これだけでも、そら財政破綻するわっちゅー感じですが、これらの事業のほとんどに地方債が活用されました。何しろ、膨大な額の投資的経費は、その大部分が起債と補助金で賄われていました。
地方債を起こす場合、様々な制限があるはずなのですが、新空港によるおかげで、本市の場合はあっさりと認められていたようです。むしろ、国も大阪府も新空港のお膝元としてふさわしい基盤整備をするようにあおっていた節さえあります。しかし、あてにしていた新空港からの税収は、その期待を大きく裏切ることになります。こうして多額の地方債残高を抱えることとなったことが、将来負担比率393.5という数値に表れてくることになります。
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