続・公の施設の指定管理者制度

 当たり前のことですが、公の施設の管理を指定管理者に行わせることができるのは、「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき」(地方自治法第244条の2第3項)です。「経費の削減を図るため必要があると認めるとき」でもなければ、「法人その他の団体からの要望があるとき」でもありません。
 当然、何が何でも指定管理者制度を維持しなければならない訳でもありません。直営に戻すことも、その一部を業務委託することも、また、公の施設を廃止することも選択肢の一つとして存在します。
 こんな基本的なことが分からない職員が多すぎます。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 14:43 | 地方自治法 | コメント (2) | -

リアル「再生の町」(中編その1)

 ドラマ「再生の町」では、段田安則さん扮する桂木財政課長の「温泉でも湧いてくれたら、財政危機も一発で解消や。いや、温泉ぐらいでは足らんか。石油でも湧いてくれんかな。」というセリフがあります。当時の本市にとって、新空港は、正に石油が湧いたようなものだったのではないでしょうか。
 昭和57年3月1日付けの市報(新空港問題特集第3号)では、新空港に係る経済調査結果として、新空港本体からの税収を昭和80年度までの累計で1,190.6億円と予測し、「空港が立地しないとした場合、長期的には赤字幅が拡大し、現在よりもさらに厳しい財政事情が予想されるが、空港関連収支においてケースによって違いはあるものの、空港立地に伴う地域整備が進めば、これによる税収増加のため、黒字幅の拡大または赤字幅の縮小方向をとり、さらに空港本体からの税収を加味すると財政事情はむしろ好転する」としています。
 依然として一部には根強い反対意見があったものの、この頃から本市は全体として新空港を歓迎するムードが高まっていきます。自分が職員として採用された平成元年になると、新空港というものに本市全体が熱狂している状態でした。「本市が日本の玄関になる。国際都市として、世界各国の人々が集い、市内には100メートル超のビルが20棟以上建つ」と本気で考えていたほどです。
 この頃は、議会ごとに工事請負契約案件があり、また、市民祭りや郷土芸能等の既存のイベント(祭り)に加え、花火や映画祭やマラソン等を新たに行うようになったため、年がら年中何らかのイベント(祭り)を開催しているというとんでもない状態でした。ちなみに、当時の事業やハコモノを思い付くままに列記してみると、市営住宅の建替事業、小中学校の建替事業、道路の建設事業や下水道の整備事業に加え、統廃合に伴う幼稚園建設事業、JR駅上の区画整理事業、南海駅高架事業及び駅上再開発事業、山間部のコスモポリス計画、臨海部のフィッシャーマンズワールド計画、市立病院建替事業並びに消防本部建替事業、さらに、健康増進センター、文化会館、生涯学習センター、歴史館、図書館、公民館及び青少年体育館の建設等々があります。
 これだけでも、そら財政破綻するわっちゅー感じですが、これらの事業のほとんどに地方債が活用されました。何しろ、膨大な額の投資的経費は、その大部分が起債と補助金で賄われていました。
 地方債を起こす場合、様々な制限があるはずなのですが、新空港によるおかげで、本市の場合はあっさりと認められていたようです。むしろ、国も大阪府も新空港のお膝元としてふさわしい基盤整備をするようにあおっていた節さえあります。しかし、あてにしていた新空港からの税収は、その期待を大きく裏切ることになります。こうして多額の地方債残高を抱えることとなったことが、将来負担比率393.5という数値に表れてくることになります。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:41 | その他 | コメント (0) | -

物言いで処分

 「大阪府の橋下徹知事が全職員あてに、税金に対する意識の低さを嘆くメールを出したところ、ある職員が反論する返信を出した。知事は「物言いが非常識だ」と激怒。一連のやりとりを府幹部らに転送し、この職員の処分を検討するよう指示した。府庁内では知事の態度を「度量が狭い」と疑問視する声もある。
 発端は、1日夜に知事が送信したメール。利水からの撤退によって府の損失が386億円に上った紀の川大堰(和歌山県)をめぐり、議会で原因を淡々と説明するだけだった府幹部について「何事もなかったかのよう。給料が保障される組織は恐ろしい」などと書き、全職員に送った。
 2日昼、ある職員が「責任は(投資を)決断した人にある。こんな感覚の人が知事である方が恐ろしい」と職員を責める知事を批判する返信をした。「愚痴はブログ等で行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」ともたしなめた。
 これに怒った知事は同夜、この職員に「上司に対する物言いを考えること。トップとして厳重に注意します。言い分があるなら知事室に来るように」と送信。職員も返信で「公務をどけてでもお邪魔します」と応酬した。
 知事は7日、取材に「一般常識としてこの物言いはどうか。組織の体をなしてない」と述べた。職員の間からは「知事自身が『メールを送って』と言っていたのに、気に入らなければ処分なんて」とおびえる声も出ている」(10月8日付け朝日新聞朝刊)。
 処分?何で?信用失墜行為(地方公務員法第33条)か?職務命令違反(同法第32条)か?それとも職務不適格者として分限(同法第28条第1項第3号)か?と思っていたところ、次の記事がありました。
「大阪府の橋下徹知事は8日、自らが全職員あてに送ったメールに反論を返信してきた職員と、直属の上司を府の内規に基づく「厳重注意」にすることを決めたと報道陣に明らかにした。「非常識」メールは過去もあったというが、組織としての対応は初めてという。知事は「人事担当が精査した。トップへの物言いは一般常識を逸脱している」と理由を説明。今回の厳重注意は地方公務員法に基づく懲戒処分ではないため、人事記録に残らない。知事は今後は記録に残すよう検討を指示した」(10月8日付け朝日新聞夕刊)。
 やっぱり、不服申立てのできない事実上の処分ですか。処分事由説明書の交付もないでしょう。「人事担当が精査した」らしいですが、ムチャクチャですね。
 ところで、橋下知事はよく「民間企業ならば……」という言葉を使いますが、民間企業であるならば、予算総額が4兆円を超え、かつ、総職員数が8万5千人を超えるような組織のトップに、経験ゼロのタレント弁護士が選ばれるということ自体があり得ないと思うんですけどね。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:51 | 地方公務員法 | コメント (1) | -

文書番号

 文書番号は、文書に付される番号であり、本市では、課又は施設等ごとに1会計年度を通じて一連の番号を用いることとしています。市並びに部及び課の頭文字からなる文書記号に文書番号を付すことによって当該文書を特定するわけですから、文書管理上、文書番号は重要な意味を持っています。
 くどいようですが、「行政文書」とは、組織的共用文書のことです。そして、組織的共用文書は、そのすべてが登録されていることが、文書管理上の理想的な状態です。
 先日、本市とほぼ同規模の市からいただいた照会文書の文書番号が「第34号」となっていました。今日現在、平成21年度の本市総務課の最終文書番号は、「第1867号」です。文書管理については、地方公共団体ごとのルールがありますので断定はできませんが、事務連絡文書を濫用したり、そもそも文書を登録しないというのであるならば、極めて不適切な取扱いであると言えます。 

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 22:03 | 文書事務 | コメント (0) | -

リアル「再生の町」(前編)

 本市は、大阪府南部の泉南地域に位置する、人口約10万人、面積約50平方キロメートルの市です。「タオルとたまねぎのまち」であった本市が、「世界の迎都」と称するようになったあげく、現在の危機的な財政状況を招くことになる最大の原因は、平成6年に開港した新空港に関連した過大なまでの設備投資にあります。
 「市議会五十年史」で新空港建設に至る当時の様子を見ると、昭和45年6月定例会で「新空港設置反対の決議」を賛成多数で決議しています。これが、新空港に対する市議会としての最初の意思表明です。初めから新空港建設に賛成していた訳ではないということが分かります。ところが、早くも翌年の12月定例会では、「新空港誘致についての請願」と「新空港誘致に反対する請願」とが提出され、特別委員会を設置し、閉会中の継続審査に付しています。その後も、新空港誘致賛成、反対の請願が続出し、昭和49年3月定例会までには、合計37件もの請願が提出されることになります。新空港の誘致を巡って、苦悩している本市が想像できます。結局、航空審議会の結論が出ない中で、同年5月には市議会議員選挙を控えていたことから、この定例会ですべての請願を審議未了にしています。そして、同年8月には、航空審議会が「新空港は、大阪国際空港の廃止を前提」として、「泉州沖、神戸沖、播磨灘」の候補地のうち、「泉州沖が最適地」とする答申を提出します。その後も新空港関係の請願が相次いで提出されますが、この答申があってからは、徐々に新空港を歓迎する雰囲気が出来上がっていきます。その理由は、当時の本市の財政も危機的な状況にあったからではないでしょうか。新空港の建設に本市の未来を賭けたのではないかと思うのです。
 一方、この頃の本市の行政は、混乱を極めていました。危機的な財政状況と新空港を巡る意見の対立に加え、当時の民生部長が収賄容疑で逮捕されるという事件や、同和行政を巡って市庁舎が占拠されるといった事件が発生します。こうした中、前々市長が、昭和51年1月、健康上の理由から任期半ばで退職し、同年2月に前市長が就任します。この前市長が、6期24年にわたってらつ腕を振るい、神様のごとく本市に君臨し、後に「国と府に1兆円の投資をさせた」と豪語することになるのですが、現在の評価は、芳しくありません。本市が財政健全化団体になった原因を作ったのは、この前市長であるというのが、その理由です。しかし、個人的には、政治家(市長)としては優秀な人物だったと思っています。よからぬうわさもありましたが、就任当時の数々の問題を解決し、新空港建設を前提としたまちづくりへと本市を導いた手腕は、大したものだと思います。
 昭和56年3月定例会では、新空港問題で議場へ警官隊が出動するという事件もありましたが、前市長は、着実に新空港を推進していきます。昭和55年3月定例会では、新空港関連の地域整備計画の核として、埋立地によるユートピア計画について前市長が答弁していますが、それによると、新空港建設によって、12万人から18万人の人口増、そして120億円から180億円の税収増を予測しています。
 最近、「無駄な公共事業を中止する」というキャッチフレーズをよく目にします。個人的には、100パーセント必要な公共事業もなければ、100パーセント無駄な公共事業もないと思うところですが、新空港建設は、当時の本市にとっては、かなり高い確率で必要な公共事業であったと思うのです。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:18 | その他 | コメント (0) | -
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