続・全国学力・学習状況調査

 「全国学力テストで大阪府が成績低迷したことを受け、橋下徹知事は1日、市町村別の成績を開示するよう府教委に要請したことを明らかにした。市町村別の結果は「過度の競争を招く」として文部科学省が公表しないよう都道府県教委に通知しており、府教委から「通知は重く、市町村の反発を招くので開示できない」との回答があったという。……(略)……
 橋下知事は「市町村別に結果を公表すれば、どこの市町村教委が仕事をしていないかすぐ分かる」と発言。さらに「府民のみなさんに情報公開請求をしてもらいたい」と呼び掛けた。
 成績開示を巡っては、鳥取県情報公開審議会が市町村別、学校別の開示を答申したが、県教委が「序列化が進む」などを理由に非開示を決めた」(9月1日付け毎日新聞夕刊)。
 「大阪府の橋下知事が全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果について市町村別の成績の公表を府教委に要望し、府教委側が拒否していた問題で、府教委は2日、一転して橋下知事の意向を受け入れ、府内の市町村教委に対して自主的に結果を公表するよう求める方針を固めた。文部科学省によると、都道府県教委が市町村教委に結果公表を要望するのは全国で初めてという。……(略)……
 橋下知事は、こうした結果を受け、「結果が示されていないから、市町村教委が甘えている」と述べ、府教委に市町村別の結果を公表するよう要請。府教委は当初、「文部科学省が市町村別の成績を開示しないよう通知している」などとしていたが、「市町村教委の自主的な公表を促すのであれば、文科省の通知に抵触しない」と判断した」(9月2日付け読売新聞夕刊)。
 府教委が、市町村教委に責任を転嫁したように感じています。「要請」という言葉を使っていますが、もはや「強制」でしょう。このことは、結果として、市町村の序列化や過度な競争につながらないのでしょうか?そもそも、「平成20年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」には、「市町村教育委員会が、保護者や地域住民に対して説明責任を果たすため、当該市町村における公立学校全体の結果を公表することについては、それぞれの判断にゆだねること。また、学校が、自校の結果を公表することについては、それぞれの判断にゆだねること」とあるのですから、余計なお世話です。
 ところで、学校別成績の情報公開請求があった場合、公開の可否を決定するのは、あくまで実施機関である教育委員会ですが、個人的には公開するべきだと考えています。理由は、非公開事由に該当するとは考えられないからです。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 18:59 | 情報公開・個人情報保護

コメント

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ


< 2008年9月 >
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
Links