−管理人のたわごとブログ− 行政財産の目的外使用許可の承継
「行政財産の目的外使用許可」(2008年9月12日付けブログ参照)を読んだ本市職員のT君から、次のような質問がありました。
「行政財産の目的外使用許可を受けている者が死亡し、その相続人から同じ用途で継続して使用したいと申出があるんですが、どうしたらいいですか?」
この場合は、相続人から新たに行政財産の目的外使用許可の申請を受け、適当であると認めたならば、許可することになります。
「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」(民法第896条)とされています。ただし、同条は、私法上の権利義務について定めたものですので、公法上の権利義務である行政処分に係る地位の承継については、当該処分の性質を考慮して個別に判断する必要があります。
「地方財務実務提要」(地方自治制度研究会編集/ぎょうせい)に「行政財産の目的外使用許可がされていた会社が吸収合併された場合の承継」が掲載されていますので、以下に抜粋します。
「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可できるものであり(自治法第238条の4第7項)、それはあくまでも例外的な措置であり、その運用は必要最小限度にとどめるべきとされ、また、この使用については借地借家法の規定を適用しないとされています(同第8項)。そして、行政財産の用途又は目的外使用の許可をする場合には、当該使用により当該行政財産本来の目的が阻害されることのないように、相手方の選定に当たり資力、信用、技能等を十分に調査すべきものとされています。さらに、使用許可を受けても、これを他の者に転貸することは認められていません。
このような事情から判断して、会社合併の場合、消滅会社が行政財産の目的外使用の許可を受けていても、存続会社又は新設会社はそれを承継するものではなく、改めて許可を受ける必要があると考えます。」
同様に、申請人の主観的事情に着目してなされる処分の効果は、許可を受けた者の一身に専属するものであって、被相続人が行政財産の目的外使用許可を受けていたとしても、相続人には当該行政財産を使用する地位を承継することはないと解するのが相当であると考えられます。
なお、余談ですが、本市の職員には、普通財産の貸付けと行政財産の目的外使用許可の区別がついていないものが多数見受けられます。
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投稿者 : 2013年9月22日 00:01