行政財産の目的外使用許可

 公の施設の管理について指定管理者制度が導入されたときの「地方自治法の一部を改正する法律の公布について」(平成15年7月17日付け総行行第87号総務省自治行政局長通知)には、「地方公共団体の長は、条例の定めるところにより、指定管理者に使用許可を行わせることができるものであるが、使用料の強制徴収(第231条の3)、不服申立てに対する決定(第244条の4)、行政財産の目的外使用許可(第238条の4第4項(注:現行法では第7項))等法令により地方公共団体の長のみが行うことができる権限については、これらを指定管理者に行わせることはできないものであること。(第244条の2第3項関係)」とあります。
 行政財産の目的外使用については、実務と解釈に若干のズレが見られることから、地方公共団体に都合のいい解釈がされることがあります。
 指定管理者に行政財産の目的外使用許可を行わせることはできません。当然、目的外使用に係る使用料を利用料金のように指定管理者の収入として収受させることもできません。
 行政財産は、「普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産」(地方自治法第238条第4項)で、原則として「これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定すること」はできません(同法第238条の4第1項)。しかし、本来の用途又は目的外に使用させることで、当該行政財産の効用を積極的に高めるような場合などには、「その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる」(同条第7項)とされています。
 行政サービスの多様化に伴い、近年、設置される公の施設では、食堂や売店等の設置が、その本来の用途又は目的と考えられるようなものもあります。しかし、そのような場合でも、原則としては次のように解されます。
 「体育館等の施設を設置する場合、食堂、売店等は施設の利用者にとってなくてはならないものと考えられ、事実、設計に当たり、これらの設備が考慮されている場合が多いものです。しかもこれらの食堂、売店等は、直営であることはほとんどなく、私人をしてその経営に当たらせることが多いものです。
 このような場合に、食堂、売店に充てられる部分を普通財産の貸付けとして処理することが可能かどうかですが、建物の区分所有の考え方から不可能ではないものとも考えられますが、やはり自治法第238条の4第4項(注:現行法では第7項)の規定による目的外使用の許可処分とすべきです」(「地方財務実務提要」地方自治制度研究会編集/ぎょうせい)。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 19:25 | 地方自治法

コメント

それって、あのセンターなんかのことですね。

投稿者 謎のチクリ魔 : 2008年9月17日 09:19

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