−管理人のたわごとブログ− 2008年6月
本市の場合、様式等の制定や改正は、原則として様式等のひな型をワープロソフトで作成します。ただし、その様式等があまりにも複雑な場合は、カッターナイフとのりと修正液とコピー機を駆使したり、現物を台紙に貼付したり、スキャナーで画像を読み込んだりして作成します。ちなみに、この作業に係る労力は、小さいものではありません。
「事務処理の便宜のためにその様式を画一化するとき」や「その目的からみて様式を定めておくことが望ましい場合」(「法制執務詳解」石毛正純著/ぎょうせい)に、どの程度まで規則に様式等として規定するのかということは、以前から疑問を感じていましたし、今もその答えは出ていません。徹底的に規則で様式等を定める方法もあれば、規則上は「市長が定める」として、課又は例規ごとに様式集を定める方法もあります。また、単純な申請書等であるならば、都市公園法施行規則第3条の「都市公園法第5条第1項の国土交通省令で定める事項」のように規定するのも一つの方法です。
本市では、昨年、電算事務を外部委託したことに伴い、市税条例施行規則の様式を大幅に変更しました。問題は、規則改正をせずに様式を変更したことです。これまでにも、このようなことが何度もあり、その都度、注意し、後追いで規則改正をしてきましたが、今回ばかりはキレました。そもそも担当課(税務課)に「規則で定められた様式」という意識が無いのですから、何度注意しても同じことです。そこで、できないことを規則で定めるぐらいならば、いっそ規則から様式を削除しよう、税条例に関する様式を規則で定めていない市町村も相当数あると税務課に話しをすると、税務課は大喜びしました。そして、市税条例施行規則には、徴税吏員証、固定資産評価員証、同評価補助員証、課税標識及び試乗標識のみを規定し、その他の様式はすべて削除することとし、税務課で様式集を作成させることにしました。
なお、市税条例を市(町・村)税条例(例)(昭和29年自乙市発第20号)のとおりに規定している場合は、固定資産に関する地籍図等の様式等と原動機付自転車及び小型特殊自動車の標識のひな型並びに標識の交付証明書は、規則で定めると条例中に規定されていますので、条例改正も必要になってきます。
今年度は、ぼちぼちと様式等の見直しをやっていくつもりです。
様式等は、「ワークブック法制執務」(法制執務研究会編/ぎょうせい)の問99〔表に類するもの〕で、「表に類するものとしては、付録、様式、書式、別図等がある。……(略)……。付録は、主として計算式を規定する場合に、様式又は書式は、主として申請書、届出書等の様式を規定する場合に、別図又は図は、主として服制や建築の技術的基準のように文章として書くことが極めて困難で、図で示さざるを得ないようなものを規定する場合に用いられる。また、付録、様式、書式、別図等と別表との使い分けについても、必ずしも明確な基準があるわけではなく、申請書、届出書の様式や図を規定する場合に別表という名称を用いる場合もある(国旗及び国歌に関する法律では、日章旗の制式と君が代の歌詞及び楽曲がそれぞれ別記として規定されている。また、自衛隊法施行令別表第1では、自衛隊旗を図でもって規定しているが、「別図」とはされていない。)」とされています。
一般的に、様式等は、手続等を定める省令や地方公共団体の規則などで規定されています。法律や条例で様式等が規定されている例は、例えば、法律では国旗及び国歌に関する法律のほか日本国憲法の改正手続に関する法律などがあり、条例では服務の宣誓についての条例などがありますが、こうした例は、多くありません。
様式等は、「許可申請や届出のように多数行われる行為について書面で行うことを要求する場合において事務処理の便宜のためにその様式を画一化するときや、立入検査の身分証明書のようにその目的からみて様式を定めておくことが望ましい場合に用いられる」(「法制執務詳解」石毛正純著/ぎょうせい)とされていますが、様式等を規定するかどうかの基準には、あいまいなものがあり、市町村の規則では、規定されている様式等にかなりばらつきが見られます。
また、様式等の改正は、別表の改正に準じて行えばよいとされ、「様式等の全部改正は、その様式等を特定して全部を「次のように改める」とする。様式等の部分の一部改正は、語句の改正を除き、項や号で特定できるような場合は稀であって、一般的にはカギ括弧でその部分を引用して改正する」(「法制執務の基礎知識」大島稔彦監修/第一法規)とされています。いわゆる「模様どり」という方法です。
泉佐野市が法定外税を創設しようとしています。
地方分権一括法による地方税法の改正により、法定外税については、地方分権推進の一環として、課税自主権の尊重、住民の受益と負担の関係の明確化、地方団体の課税の選択の幅の拡大などの観点から、法定外普通税が許可制から協議制に改められるとともに、新たに法定外目的税が創設されています。理論上は、地方公共団体が、住民の意向を踏まえた上で、自らの判断と責任において、法定外税の創設をはじめとする課税自主権を活用することは、地方分権の観点からは望ましいものと考えられています。総務省のホームページによると、平成19年4月1日における市町村の法定外普通税としては、城陽市(京都府)の山砂利採取税、中井町(神奈川県)及び山北町(神奈川県)の砂利採取税、熱海市(静岡県)の別荘等所有税、太宰府市(福岡県)の歴史と文化の環境税、薩摩川内市(鹿児島県)の使用済核燃料税、豊島区(東京都)の狭小住宅集合住宅税があり、法定外目的税としては、富士河口湖町(山梨県)の遊漁税、北九州市(福岡県)の環境未来税、柏崎市(新潟県)の使用済核燃料税、伊是名村(沖縄県)の環境協力税があります。
泉佐野市が法定外税の創設に至る一連の流れを新聞記事で紹介すると、「2008年度予算の財務省原案が内示された20日、関西空港と対岸を結ぶ連絡橋「スカイゲートブリッジ」(3.75キロ)の道路部分を国が買い取ることが決まり、泉佐野市は固定資産税約8億円の税収が見込めなくなった。06年度普通会計決算で8年ぶりに黒字転換し、財政再建団体に転落する危機から脱したばかりの同市は「死活にかかわる大問題」と頭を抱えている」(12月21日付け読売新聞朝刊)。
「連絡橋国有化を受けて同市は空港島ターミナルビルなどへの固定資産税率アップなどの穴埋め策を検討したが、市内部から「関空会社へ課税額を増やせば行政訴訟を起こされかねない」との声が上がり棚上げ」(1月27日付け毎日新聞朝刊)。
「関西国際空港と対岸を結ぶ関空連絡橋を関西国際空港会社が国に売却するのに伴い、年間約8億円の固定資産税を失うことになる大阪府泉佐野市は21日、過去の連絡橋固定資産税の減免を取り消し、約4億7000万円を関空港会社に課税する通知を送付した。納期は今年度末」(5月22日付け産経新聞朝刊)。
「関西空港島と対岸を結ぶ連絡橋の国有化で年約8億円の固定資産税収入を失う大阪府泉佐野市が、連絡橋の通行車両の所有者に課税する「入島税」導入の検討を始めたことがわかった。国の財政支援を得られない場合の歳入確保策で、1往復100円の課税案が浮上している」(6月14日付け読売新聞朝刊)となります。
敬称に「殿」を用いるのか「様」を用いるのかは、「殿様論争」とも言われ、いまだにすっきりとしない問題です。その意見の中には、感情的なものも多く、本市では、多数の職員が「殿」・「様」の本来の意味を誤解しています。そこで今回は、「言葉に関する問答集・総集編」(文化庁/国立印刷局)の「「殿」と「様」」を参考に、敬称について書いてみます。
「殿」は、元々、高貴な人の住む家屋を意味し、後にそこに住む人を指すようになったと言われています。敬称として用いられるようになったのは、平安時代に摂政・関白の地位にある人に付けられたのが始まりで、平安時代末期には、「図書頭殿」、「伊勢守殿」等と官職名に付けて用いられるようになります。直接人名に付けられるようになるのは、鎌倉時代末期になってからのことで、「殿」の書体は、略し方によって7種類に分けられ、あて名の人の身分又は差出人との関係によって使い分けられていたそうです。
「様」は、「方向」の意味を表す「様」を付けることによって、直接名指しすることを避けて敬意を表していました。「様」は「殿」よりも遅く、室町時代から使われるようになり、江戸時代になると広く用いられるようになります。また、「様」にも字体・書体の書き分けによって、3種類に分けられていました。
江戸時代初期の「日本大文典」(ロドリゲス)によると、そのころの敬称としては、敬意の順に、「様」、「公」、「殿」、「老」が用いられていたようです。「公」と「老」を「大辞林」(三省堂)で引いてみると、「公」は、「(接尾)@身分の高い人の名に付けて、敬意を表す。「家康―」A人や動物の名に付けて、親しみ、あるいはやや軽んずる気持ちを表す。「忠犬ハチ―」「熊―」」とあり、また、「老」は、「(接尾)自分より年とった人の名に付けて敬称として用いる。「吉田―」〔古くは必ずしも老人に対してだけ用いるものではなく、もとは主に僧侶に対して用いられた〕」とあります。
現在、「様」は、最も一般的な敬称として、地位の上下、男女の区別もなく、広く用いられています。一方、「殿」は、私的な手紙においては、「様」より敬意が低いものとされ、主として、男性が男性の同僚か目下の者にあてる場合などの改まったときなどに用いられるとされています。
しかし、公的な性格の強い文書では、明治26年の「消息文変遷」(横井時冬)の「奥祐筆山下氏口演筆記」で、「いかなる目上の人に対しても、殿の字を用ふ」とされたことから、明治以降、「殿」の使用が定着していきます。公的な文書で「殿」の使用が慣用化した理由としては、江戸時代の公家や武家の用語としての「殿」、手紙や証文などの場合に用いられる書類語としての「殿」などの影響が考えられていますが、はっきりしたことは分かっていません。
その後、昭和27年の国語審議会建議「これからの敬語」で、「「さん」を標準の形とする。「さま(様)はあらたまった場合の形また慣用語に見られるが、主として手紙のあて名に使う。将来は、公用文の「殿」も「様」に統一されることが望ましい」とされましたが、現在でも公用文では一般的に「殿」が使われています。「文部省公文書の書式と文例」でも、あて名の敬称には、「殿」を使っています。公用文で「殿」が使われているのは、相手の地位の上下にかかわりなく使える、公と私の区別が明確になる、官職名や役職名に付けてもおかしくないなどの理由が考えられます。
ただし、地方公共団体の中には、文書の敬称をすべて又は一部、「殿」から「様」に切り替えているところも数多くあります。本市でも原則として、敬称には「様」を用いることとしています。
6月7日付け産経新聞朝刊の記事です。
「東京都が住民基本台帳(住民票)の転出入地に、「台湾」の記載を認める通知を都内の全区市町村に出したことが6日、わかった。国が管轄している公文書で「台湾」表記は認められておらず、都道府県が公文書で「台湾」の表記を認めるのは初めてという。
都は昭和62年に都内の自治体に対し、台湾から転入届が出された場合の旧住所の国名表記について「外国人登録事務に準じて『中国』と記載する」よう全区市町村に通知していた。
住民基本台帳業務の国名表記は、平成12年の地方分権一括法の施行により、区市町村が独自で判断できるようになっていたが、都内の区市町村では62年通知をもとに「中国」のほか、「中国(台湾)」「中国台湾省」などの表記で対応が分かれていた。
「台湾」の表記については都に度々問い合わせがあり、対応を協議した結果、「62年の通知は現状に即していない」と判断。住民が異動届に「台湾」と記載した場合、そのままの記載を「差し支えない」とした。
日本国内の公文書では政府の「一つの中国」方針に従い、「台湾」表記は認められていない。」
「62年通知」というのは、おそらく、昭和62年8月5日付け日野市照会に対する回答のことでしょう。確か「窓口事務質疑応答集」(市町村自治研究会編集/ぎょうせい)にも同様のQ&Aがあったように思うのですが、見当たりません。削除されたのでしょうか。
ところで、「住民基本台帳業務の国名表記は、平成12年の地方分権一括法の施行により、区市町村が独自で判断できるように」なったのですか?まったく知りませんでした。
「「各号列記以外の部分中」は、その用法が限定されており、改正しようとする字句が同一条項中の他の部分にもあり、その部分の字句は改正しない場合で、このような所在を特定する方式をとらなければ他に方法がないやむを得ない場合に用いられる」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)ものとされています。
次の[例]で、「A」を「C」に、「B」を「D」に改める場合は、
[例]
(………)
第○条 ………………………A………………………………………………。
(1) ………B………
(2) ………A……………
「第○条中「A」を「C」に改め、同条第1号中「B」を「D」に改める」とするべきなのでしょうが、「1項から成る本則の改正」(2007年3月11日付けブログ参照)でも書きましたように、本市では「第○条各号列記以外の部分中「A」を「C」に改め、同条第1号中「B」を「D」に改め、同条第2号中「A」を「C」に改める」としています。以前は、「各号列記以外の部分中」を用いないこととしていたのですが、例規集の追録業者が第2号中の「A」を見落とすというミスをしたことから、「各号列記以外の部分と各号中の双方の字句を改正する場合には、前の方から順に改正を行うために改正箇所を特定する手段として、「各号列記以外の部分中」を用いる」(「法制執務詳解」石毛正純著/ぎょうせい)ことにしました。
なお、「「前段中」、「後段中」、「本文中」は、改正しようとする字句と同一の字句が同一条項中の他の部分にもあり、その部分の字句は改正しない場合には当然用いられるが、それ以外の場合には、単に「第○条中(第×項中)としてこれらの文言を用いないこともできるし、「ただし書中」と同じように、それに関係なく用いることも許される」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)とされていますが、本市では「各号列記以外の部分中」と同様に、前段と後段又は本文とただし書の双方に別の字句の改正がある場合以外は用いないこととしています。
地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案が国会で審議中ですが、地方公務員法第15条は、「職員の任用は、この法律の定めるところにより、受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならない」と規定しています。これが成績主義(メリット・システム)といわれる任用の根本基準です。そこには、情実人事が存在する余地はありません。
成績主義の原則に違反した場合、つまり、いわゆるコネや縁故等によって任用した場合は、同法第61条の規定により、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。任命権者は、このことをよく理解する必要があります。ところが、この成績主義の原則が、本市では中々機能しません。市長と議員と職員と業者とが、同じ市の市民として、狭い地域で複雑な人間関係にあることが、その一因であると思います。
本市には、エリートと言われる職員はいません。特殊な関係によって、特別扱いされる職員がいるだけです。本市では、数年前、超ド級の不良職員がいました。その行動は筆舌に尽くし難く、懲戒免職間違いなしと思われていましたが、いざ4月1日がくると昇格していました。こうした人事は、今も現実に行われています。本市においては、「昇格と処分は紙一重」(某部長の言)なのです。
「条文の冒頭に字句を追加する場合、例えば{第○条 ○○………。 → 第○条 △△○○…。}という場合には、「第○条中「○○」を「△△○○」に改める」とする」(「法制執務詳解」石毛正純著/ぎょうせい)とされています(あれほど楽しみにしていた「新版」が読みにくうてしゃあないです。要は、慣れでしょうが……)。また、「ワークブック法制執務」(法制執務研究会編/ぎょうせい)にも、「字句を追加する場所が、条、項又は号の冒頭である場合のように、「「○○」の下に」という形で表現し難い場合には、「「○○」の上に」という形を用いることもないわけではないが、通常は、次の例に示すように冒頭の語を改める方式がとられる」とあります。
では、{第○条 ………。ただし、○○………。 → 第○条 ………。ただし、△△○○…。}という場合は、どうするのでしょうか?この場合は、「「ただし、」の次に」という形で表現することが可能だからでしょうか、「第○条ただし書中「○○」を「△△○○」に改める」とはせず、「第○条ただし書中「ただし、」の次に「△△」を加える」としている例(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律等の一部を改正する法律(平成19年法律第84号)等参照)が見受けられます。
なお、この法律は、官報情報検索サービスで検索しました。このサービスは確かに便利ですが、安易に頼ってしまうと、考える力というものが低下してしまうように思います。
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