給与の控除

 地方公務員法第25条第2項は、「職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない」と給与支給の三原則について規定しています。
 職員団体又は労働組合の組合費の天引き(チェック・オフ)は、直接払いの原則の例外をなすものとして、条例で規定されています。「一般職の職員の給与に関する条例〔市の事例〕」によると、給与から控除できるものとして、@職員互助会の掛金、A職員が職員互助会に対して支払うべき掛金以外の金額、B市有公舎の使用料、C団体信託の積立金、D団体取扱いに係る簡易生命保険の保険料、E法第53条の規定により登録された職員団体の組合費、F○○労働金庫の定期積金及び貸付金の返済金が規定されています。ほとんどの地方公共団体は、〔市の事例〕に準じた規定になっていると思われますが、職員の福利厚生事業の一環として、「長の承認した業者と契約して購入した物品の購入代金」を追加して規定しているところもあります。
 大阪市が給与条例を改正して、チェック・オフ制度を廃止したことが報道されていましたが、3月28日付け産経新聞朝刊によると、「政令市では当初から制度がない北九州市を除き、天引きの廃止は初めて」だそうです。「逐条地方公務員法」(橋本勇著/学陽書房)にも「組合費の天引き(チェック・オフ)は、労使の自主性を尊重する趣旨からすると、当局の組合に対する便宜供与の一つであり、不当な干渉のために利用されるおそれもあるので、とりわけ慎重に対処する必要があるように思われる」とありますが、大阪市のケースは、多分に政治的な理由が考えられますので、あまり感心しません。
 なお、本市では、○○新聞の購読料が給与から控除されています。○○新聞といっても新聞ではなく、特定の団体の機関誌ですが、チェック・オフ制度よりも、このことの方が問題だと思っています。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 18:50 | 地方公務員法

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