続・会議録

 会議録からの「発言の削除」は、標準市議会会議規則第65条に「発言の取消し又は訂正」として規定されています。会議録は、会議録署名議員が真正であることを確認し、署名した後は、原則として「発言の取消し又は訂正」をすることができません。また、「発言の取消し又は訂正」は、議会が活動能力を有している会期中に限られています。
 「発言の訂正」は、「字句に限るものとし、発言の趣旨を変更することはできない」(同条ただし書)とされており、議長の許可を得なければなりません。一方、「発言の取消し」は、議会の許可を得なければならず、その方法には、@発言議員が発言の取消しを申し出る方法、A議長が発言の不穏当性を認め取消しを命ずる方法、B議員が取消し動議を提出、可決、これに基づき議長が取消命令を出す方法があります。このうち、Aの方法については、「「発言を取り消させ」とは、さきの発言を取り消すこと(取り消す旨の発言)を命ずることであって、議長が自ら取り消すのではない」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)と解されていますが、「議員・職員のための議会運営の実際8」(地方議会研究会編著/自治日報社)には「いきなり命令するのでなく、発言議員に対し自ら取り消すよう勧告することが適当であるとされています。発言議員が議長の勧告を受け入れ取消し申し出をすれば議会の議決で取消しを認めることになりますが、勧告を受け入れないときは、議長が取消しを命令します」とあり、また、「最新会議規則・委員会条例・傍聴規則逐条解説」(中島正郎著/ぎょうせい)には「国会先例からみて、議長から取消しを勧告したが応じないので取消しを命じた、あるいは議長が議院運営委員会に諮って取り消した、又は議長が不穏当と認め取り消す場合、院議により取り消した等いろいろある」とあります。地方公共団体の議会においては、地方自治法第129条第1項の規定により、議長が発言を不穏当と認め、取消しを命じている例が多いのではないでしょうか。
 なお、「執行機関側からの発言の取消しについては、明文の規定がないが、議員の例に準じて」(「最新会議規則・委員会条例・傍聴規則逐条解説」中島正郎著/ぎょうせい)行えばよいと解されます。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 15:19 | 地方自治法

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投稿者   : 2013年8月12日 15:00

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