−管理人のたわごとブログ− 2008年3月
本市では、毎年のように機構改革を行っています。
年度末の例規改正にはすさまじいものがありますが、機構改革に伴う関係例規の改正ついても、相当な数になります。また、機構改革に伴う工事やサインの変更に係る予算についても、小さな額ではありません。
どうしても必要な機構改革は別として、課の名称や庁舎のレイアウトをころころ変えることは、市民にとってややこしい以外の何ものでもありません。数年間で3度も名称を変更した課さえあります。
組織を編成するのは、首長の権限です。地方自治法第158条第1項前段は「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができる」と規定されていますが、同条第2項には「普通地方公共団体の長は、前項の内部組織の編成に当たっては、当該普通地方公共団体の事務及び事業の運営が簡素かつ効率的なものとなるよう十分配慮しなければならない」と規定されている意味を考えなければなりません。
一般的に、理念条例の制定に積極的な法規担当者は少ないと思われます。自分も実効性のない条例は、制定する意味がないと考えています。ただし、一律にすべての理念条例を否定するつもりはありません。理念条例を制定される地方公共団体は、それぞれに考えがあって自治立法権を行使しているわけですから、それを部外者である自分が批判するつもりもありません。また、熟考の末に制定された理念条例には、輝きを感じるものさえあります。
市議会3月定例会に市長の在任期間に関する条例(多選自粛条例)が提案されています。流行モノの条例で、意味はわからんが何となくカッコええから選挙公約に「○○条例を制定します」と掲げ、何の検討もせずに先進市の条例をパクり、単純に「A市」を「B市」に置き換えただけの条例には、まったく意味が見いだせません。このような条例が「清新で活力ある市政運営を確保することを目的とする」とは考えられませんでしたので、目的規定を置かず、在任期間についてのみ規定した1項建ての本則としました。
なお、多選自粛条例の考察については、拙ホームページの論文集「多選自粛条例の論点」を御覧ください。
総務課の事務に郵便物の収受・発送があります。
本市では事業別予算を採用していますので、総務課で事業ごとに月額の郵便料金の内訳書を作成します。第12節役務費(細節通信運搬費・細々節郵便料)のある事業が200近くあり、郵便の料金体系が複雑であることから、郵便料金の集計には、自前でプログラムした郵便料金システムを使っています。この時期は、来年度の予算に合わせて、プログラムを修正します。
昨年10月1日の郵政民営化法等の施行に伴い、関係例規の改正を行いましたが、郵便料金システムについても、プログラムを修正しました。従来の小包郵便物が郵便物でなくなったことによるものですが、ゆうパック及びゆうメールのサービスが残っていることから、総務課での取扱いは、そのままにしています。
なお、現時点では、総務課で信書便を取り扱う予定はありませんので、関係例規の改正の際、文書管理規程中に「文書の発送」は「郵送する」と規定しました。
会議録からの「発言の削除」は、標準市議会会議規則第65条に「発言の取消し又は訂正」として規定されています。会議録は、会議録署名議員が真正であることを確認し、署名した後は、原則として「発言の取消し又は訂正」をすることができません。また、「発言の取消し又は訂正」は、議会が活動能力を有している会期中に限られています。
「発言の訂正」は、「字句に限るものとし、発言の趣旨を変更することはできない」(同条ただし書)とされており、議長の許可を得なければなりません。一方、「発言の取消し」は、議会の許可を得なければならず、その方法には、@発言議員が発言の取消しを申し出る方法、A議長が発言の不穏当性を認め取消しを命ずる方法、B議員が取消し動議を提出、可決、これに基づき議長が取消命令を出す方法があります。このうち、Aの方法については、「「発言を取り消させ」とは、さきの発言を取り消すこと(取り消す旨の発言)を命ずることであって、議長が自ら取り消すのではない」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)と解されていますが、「議員・職員のための議会運営の実際8」(地方議会研究会編著/自治日報社)には「いきなり命令するのでなく、発言議員に対し自ら取り消すよう勧告することが適当であるとされています。発言議員が議長の勧告を受け入れ取消し申し出をすれば議会の議決で取消しを認めることになりますが、勧告を受け入れないときは、議長が取消しを命令します」とあり、また、「最新会議規則・委員会条例・傍聴規則逐条解説」(中島正郎著/ぎょうせい)には「国会先例からみて、議長から取消しを勧告したが応じないので取消しを命じた、あるいは議長が議院運営委員会に諮って取り消した、又は議長が不穏当と認め取り消す場合、院議により取り消した等いろいろある」とあります。地方公共団体の議会においては、地方自治法第129条第1項の規定により、議長が発言を不穏当と認め、取消しを命じている例が多いのではないでしょうか。
なお、「執行機関側からの発言の取消しについては、明文の規定がないが、議員の例に準じて」(「最新会議規則・委員会条例・傍聴規則逐条解説」中島正郎著/ぎょうせい)行えばよいと解されます。
議会の会議録には、原本と配布用のものとがあります。
会議録とは、「会議に関する唯一の公の記録であり、会議に関する争訟を生じた場合の有力な証拠書類となるものであるから、会議の経過をありのままに記録しておくことを使命とするものであり、これを修正したり抹消することは許されない(本人が発言を取消し又はこれを訂正した部分あるいは議長が発言の取消しを命じた部分といえども、原本にはそのまま記載すべきを至当する。)」(「注釈地方自治関係実例集」地方自治制度研究会編/ぎょうせい)とされています。よって、「秘密会の議事並びに議長が地方自治法第129条の規定により取消を命じた発言についても原本には記載しておくべき」(昭和33年3月10日行政実例)であって、また、「その内容の体裁を整える意味において、重複した発言(たとえば議長が会議次第書を誤見し、重複発言をした場合)を抹消する等についても、発言の内容に修正を加えるべきでない」(昭和28年6月27日行政実例)と解されています。
一方、「会議録は、印刷して、議員及び関係者に配布する」(標準市議会会議規則第79条)とされ、この配布用の会議録には、「秘密会の議事並びに議長が取消しを命じた発言及び第65条(発言の取消し又は訂正)の規定により取り消した発言は、掲載しない」(同規則第80条)とされています。
3月12日付けの各紙朝刊に、大阪府知事の発言が会議録から削除されたことが報じられています。この場合についても、発言が削除されるのは配布用の会議録についてであって、原本には、そのままの発言と削除された旨が記載されることになります。
「号は、「一、二、三……」と号名を漢数字で表すが、号の中を更に細分して列記するときは、まず、「イ、ロ、ハ……」を用いる。これを更に細分して列記するときには、「(1)、(2)、(3)……」を用いた例、「(一)、(二)、(三)……」を用いた例があるが、現在では、「(1)、(2)、(3)……」を用いることに統一されている。これを更に細分して、「(@)、(A)、(B)……」を用いて列記した次のような例もある」(「ワークブック法制執務」法制執務研究会編/ぎょうせい)とあります。
横書きの例規の場合は、文書横書きについての特別措置条例で「章、節および条番号の漢数字は算用数字に、号を表わす漢数字はかっこ書きの算用数字に、号をさらに細分する「いろは順」は「五十音順」に改める」と規定されていますので、「一、二、三……」とあるのは「(1)、(2)、(3)……」と、「イ、ロ、ハ……」とあるのは「ア、イ、ウ……」となります。では、法令において「(1)、(2)、(3)……」と表されている号の細分の細分は、どう表すのでしょうか。
本市も含めて昭和30年代の中頃までに制定された文書横書きについての特別措置条例では、号の細分の細分については規定されていません。おそらく、当時の条例中では使用されていなかったのであろうと思われます。一方、昭和30年代後半以降に制定された文書横書きについての特別措置条例では、号の細分を更に細分する場合は「(ア)、(イ)、(ウ)……」を、これを更に細分する場合は「a、b、c……」を用いることとされており、一般的に用いられている見出し符号(「1」→「(1)」→「ア」→「(ア)」→「a」→「(a)」)と整合します。
国民健康保険条例参考例の一部を改正する条例参考例(平成19年12月28日付け国健第2511号)で号の細分の細分が用いられています。これまで市町村の条例で号の細分の細分が用いられているのは、火災予防条例ぐらいではないでしょうか。自分は、この号の細分の細分を「(ア)、(イ)、(ウ)……」と表すことに妙な抵抗を感じています。「ア」の細分は、「ア」を括弧書きで表記するというのは理解できるのですが、「(」、「ア」、「)」と3文字を使ってしまうことに抵抗を感じてしまうのです。横書きの例規における号については、枝番号はともかくとして、1文字で表したいのです。印刷技術上の問題と言えばそうかもしれませんし、外字登録すればクリアできる問題かもしれません(号については、オアシスで登録されていない(21)以上は、外字登録しています。)。そこで、本市では、号の細分の細分は「@、A、B……」を用いることとしています。
なお、号の細分の細分等をカタカナやアルファベットで表すと、「ア、イ、ウ……」が「……ン」までいった場合、「a、b、c……」が「……z」までいった場合、どう表記するのかという悩ましい問題もあります。
行政機関の保有する情報の公開に関する法律第8条は、「開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる」と規定しています。いわゆる存否応答拒否に関する規定です。同様に、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第17条においても、「開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる」と規定しています。
この存否応答拒否に関する規定は、地方公共団体の条例では、情報公開条例及び個人情報保護条例共に規定されている場合、情報公開条例又は個人情報保護条例のどちらかにのみ規定されている場合、情報公開条例及び個人情報保護条例共に規定されていない場合があります。本市の場合は、情報公開条例及び個人情報保護条例共に規定されていません。
本市の情報公開・個人情報保護懇話会の提言「情報公開制度及び個人情報保護制度のあり方について」(平成11年4月)に「公開請求に係る情報があるかないかを答えるだけでも支障が生じるものは、国なら防衛・外交等の情報、都道府県なら警察情報などがあるため、必要性を理解できなくもないが、市町村の場合は、そのような情報は希少である。また、存否応答を拒否するような場合は、請求自体が不当であると思われるものであり、このことは、利用者の責務として、その権利を適正に行使しなければならないとされていることからも、規定が無くても適切に対応することは可能であると考えられる。よって、存否応答拒否の規定を置かないこととする」とあることから、規定しなかったものです。ただし、提言には、この規定を「将来的には検討する必要がある」としています。
以前、ある職員が「市長あて直通メールのうち自分のことについて書かれているもの」を情報公開・個人情報開示請求するという話がありました。その職員は、自分を中傷(服務違反を通報)した文書がマスコミや市長あて直通メールに送られていると思い、その確認をしたいというものでした。この請求については、存否応答拒否をしようと考えていましたが、結局、請求はありませんでした。
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