−管理人のたわごとブログ− 2008年2月
「市町村長は、法務大臣に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、人権擁護について理解のある社会事業家、教育者、報道新聞の業務に携わる者等及び弁護士会その他婦人、労働者、青年等の団体であつて直接間接に人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員の中から、その市町村の議会の意見を聞いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。」(人権擁護委員法第6条第3項)
人事案件の中でも、監査委員(地方自治法第196条第1項)、公平委員会の委員(地方公務員法第9条の2第2項)、教育委員会の委員(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項)、固定資産評価審査委員会の委員(地方税法第423条第3項)等が「議会の同意を得て」、「選任する」又は「任命する」とされているのに対し、人権擁護委員の候補者は、「議会の意見を聞いて」、「推薦しなければならない」という点にその特徴があります。
人権擁護委員の候補者の推薦に係る議案は、「推薦する」又は「同意を求める」ではなく、「意見を求める」こととし、会議の結果については、「適任」又は「不適任」等の意見を付すべきであると考えられます。「「同意します」とか「意見はありません」と回答することは、本件が同意案件でもなく、また議会の意思を決定していることからも、妥当ではないと考える」(「地方公共団体書式実例集」自治行政実務研究会編集/ぎょうせい)とあります。
なお、この件については、議案の形式を採っていない市町村もあります。
「特別会計は、普通地方公共団体が特定の事業を行なう場合その他特定の歳入をもつて特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合において、条例でこれを設置することができる」(地方自治法第209条第2項)とされています。
特別会計は、「他の法律において特別会計の設置が義務づけられている場合、たとえば、国民健康保険に関する特別会計(国民健康保険法一〇)、介護保険に関する特別会計(介護保険法三2)、農業共済事業に関する特別会計(農業災害補償法九九の二2)等も、改めて条例を制定する必要がない」(「逐条地方自治法」松本英昭著/学陽書房)と解されているのですが、法律上設置が義務づけられている特別会計を条例で設置している地方公共団体が多数あります。本市も以前は、こうした特別会計を条例設置していましたが、現在はしていません。地方公共団体ごとの考え方によるものですが、「改めて条例を制定する必要がない」と解されているものは、正にその必要はないと考えられます。
なお、前掲の「逐条地方自治法」によると、「特別会計設置条例は、特別会計をすべて一つの条例にまとめて制定しても、特別会計ごとに条例を制定してもいずれでも差しつかえないが、当該条例には特別会計設置の目的、事務事業の内容等について規定する必要がある場合もあるので、このような場合には個別条例として制定することが適当である」とありますが、あえて法上義務設置である特別会計を条例設置するならば、特別会計をすべて一つの条例にまとめて制定する方が適当であるように思います。
明日、議員に議案を送付します(2007年2月27日付けブログ参照)。3月定例会の議案及び関係資料は、議案書(本冊及び別冊(補正予算案))、監査委員報告書、施政方針、平成20年度予算書(一般・特会・宅造、水道及び病院)並びに予算概要説明書(20年度及び19年度補正)です。そのうち、監査委員報告書及び平成20年度予算書を除いて、コピー機で200部印刷します。以前は外注したこともあったのですが、今では、これが当たり前になっています。
議案印刷中は、「できた」という満足感と「ええんやろか」という不安とをいつも感じています。ギリギリまで考えに考え、チェックにチェックを重ねたつもりでいますが、つい、「ええんやろか」と思ってしまうのです。
今、話題のガソリン税等の暫定税率は、租税特別措置法で規定されています。同法第1条は、「この法律は、当分の間、………の特例を設けることについて規定するものとする」と規定しています。では、この「当分の間」とはいつまでのことでしょうか。
「最新法令用語の基礎知識」(田島信威著/ぎょうせい)によると、「法令上、不明確な期限を表わす場合には、「当分の間」という用語が使われる。終戦直後の混乱期には、どのように制度を定めたらよいかということがはっきり決められなかったために、当面の措置という意味で「当分の間」が法令上多く用いられた」、「法令上、「当分の間」という言葉が使われているときには、法令上の措置が臨時的・暫定的なものであり、早晩改廃されるべきものである旨を示すにとどまって、どのくらいの期間が経過したら「当分の間」でなくなるというものではない」、「最高裁判所の判決の中にも、当分の間(当時は、「当分ノ内」といった)とある場合には、かなりの年数を経過しても、他の法令によって廃止されないかぎり、法規としての効力を失うものではないとした判決がある」とあります。
なお、雑談の域を出ませんが、「当分の間」とは「おおむね5年から10年を想定しているらしい」と人づてに教えていただいたことがあります。
反則法制も今回で100回目になります。いつまでかはわかりませんが、「当分の間」は続けたいと思っています。
昨日、市議会第1回臨時会が開会し、閉会しました。
1月27日に大阪府知事選挙と同時に市議会議員補欠選挙が執行されましたので、新人議員の歓迎会の意味を込めて臨時会を開催することが本市の慣例になっています。
「臨時会は、必要がある場合において、その事件に限りこれを招集する」(地方自治法第102条第3項)とされていますので、付議すべき事件をどうするのかという疑問を持たれるでしょうが、これは、臨時会用に議会事務局と総務課とで協議し、準備することになっています。今回は、議員が月の中途で離職した場合の報酬を日割計算とする旨の「議員報酬及び費用弁償等についての条例の一部を改正する条例」を付議すべき事件としました。
なお、本市における議会の呼称は、暦年単位で、定例会の場合は「○月(第×回)定例会」と、臨時会の場合は「第×回(○月)臨時会」とすることとしています。
本市職員H君からの質問です。
H君「議員て、どれくらいもらえるんですか?」
自分「うちか?」
H君「いえ、一般的に。」
自分「うーん、ピンキリやな。」
普通地方公共団体の議会の議員は、地方自治法第203条の規定により、報酬のほか、費用弁償及び期末手当を受けることができ、報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給方法は、条例で定めなければならないとされています。ちなみに、福島県矢祭町が議員報酬を月額から日額に変更して話題になりました。
「どれくらいもらえる?」と聞かれても、議員が監査委員に選任されたり、一部事務組合の議員を兼ねている場合などは、別途報酬が支給されますので、今回は特例措置等も無視して単純に議員報酬のみを比較してみます。何か調査したモノがあればいいんですが見当たりませんので、例規集から高そうなところと低そうなところを適当に拾ってみます。例えば、O市の場合は1,020,000円/月(本市の場合は550,000円/月)、北海道のO村ですと123,000円/月ですので、正に「ピンキリ」です。ついでに最近話題の政務調査費を見てみると、O市の場合は600,000円/月(個人の場合は500,000円/月。本市の場合は60,000円/月)、O村は政務調査費に関する条例が見当たりませんので、0円です。
市町村議会の議員の仕事に大差はないと思うのですが、この差、H君どう思う?
1月26日付け毎日新聞朝刊によると、大阪市環境局が昨年5月、情報公開請求に対し「不存在」を理由に非公開決定した環境事業センターの業務日誌が存在していたことが分かりました。情報公開条例を所管する総務局は「条例対象の公文書に当たる」との見解を示しましたが、環境局は「公文書ではなくメモ」と強弁しているそうです。さらに、同紙の同日付け夕刊によると、市役所内で「公文書とは何か」との認識が共有されていない実態をもあぶりだしたとあります。この問題、よそ事とは思えません。本市においても、「公文書とは何か」との認識が共有されているかどうかは、甚だ疑問です。
「公文書」又は「行政文書」の定義は、地方公共団体の条例ごとに微妙に異なりますが、おおむね行政機関の保有する情報の公開に関する法律に準じているものと思われます。同法第2条第2項本文によると、「「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう」と定義されています。いわゆる組織的共用文書というヤツです。当然、担当者の個人的なメモは、組織的共用文書ではありません。しかし、実態として、職務上作成し、又は取得した文書であって、組織的に用いられているものであるならば、それは公文書です。当該文書を行政機関が保有(文書登録)していないので公文書ではないというのであるならば、それは、本来、行政機関が保有(文書登録)しなければならない公文書を保有(文書登録)していないのであって、文書管理上、違反行為をしていることになります。どの地方公共団体においても、文書管理規程等に基づき、すべての文書を登録することが要求されているはずなのですが、これがなかなか難しいのです。具体的な公文書の定義を巡っては、情報公開担当課と原課に大きな意見の相違があります。
本市の個人情報保護審査会の答申事例として、看護師の入院患者引継用メモが公文書(組織的共用文書)として開示対象であるとされたものがあります。同様に、小中学校の教員が使用している、俗に「えんま帳」と呼ばれる「教務手帳」や「教務必携」も、個人のメモではないと考えられます。
なお、偽造通貨行使事件の公判で、警察官が取調べの際に作成したメモが弁護側への証拠開示の対象になるかどうかが争われた特別抗告審で、最高裁は、「取り調べの経過を記録し、捜査機関に保管されている書面は警察官の個人的なメモではなく公文書」との判断を示しています。
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