「PLUTO」における情報公開

 「PLUTO」とは、手塚治虫先生の名作「鉄腕アトム」の「地上最大のロボット」を浦沢直樹先生がリメイクしてビッグコミックオリジナル(小学館)で月イチ連載されている漫画です。近未来が舞台になっており、そこでは人格を持ったロボットと人間が共存しています。その「PLUTO」の「Act18 ゼロニウムの巻」で情報公開請求をするシーンが5ページにわたって描かれています。情報公開というものが社会的に認知されてきたことを感じてしまいました。
 「PLUTO」における情報公開制度は、投影された立体映像(一見すると人間ですが、おそらくはロボット)に対し、市民番号と氏名を虹彩と確認した後、口頭で情報公開請求をすると、映像が即時に口頭で回答するというシステムになっています。虹彩による本人確認をしていますので、個人情報の開示請求も兼ねているのでしょうか。
 そのシーンでは、ロボット嫌いの人間がゼロニウム弾という特殊重火器の使用について情報公開請求をするのですが、その途中で「たった今、使用が1件申請されました」という回答があります。将来、コンピュータが高度に発達すると、こんなふうにリアルタイムに対応できるんやろなーと思って読んでいくと、ゼロニウム弾の使用者については、「情報公開法M-81条第57項により、非公開となります」と回答があります。「第57項」て、そんな条文あるんかいなと思いながらも、ファジィな規定に馴染まないロボットの人工知能(拙ホームページにもアリスという者がおりますが…)ならば、個別具体的に大量な条文が必要であろうと思いました。また、写しの交付は?不服申立ては?とも思ってしまいましたが、そんな展開にはなりません。
 ここ10年のコンピュータの進歩には驚くべきものがあります。何十年か何百年か先には、このようなシーンが現実のものとなっているのかもしれません。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:09 | 情報公開・個人情報保護

コメント

 

投稿者   : 2013年9月23日 21:02

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ


< 2008年1月 >
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
Links